「狩野の品質モデルによる路線バスサービスの特性分類」を読んでみた

本日はこちらを読んでみた感想です。ソフトウェア/システム品質の世界でも有名な狩野の品質モデルについて調べていた時に出会った論文です。

何を隠そう、僕の出身学科は土木系でして、ちょっと気になってしまったわけです。


感想を三行以下で

(そりゃそうなんですけど)狩野モデルって「路線バスサービス」とかにも使えるんだなぁ、というのが新鮮な驚きでした。そりゃそうなんですけど。


学び

狩野の品質モデルには、無関心品質と逆品質というのもある

一元的品質、魅力的品質、当たり前品質は結構どこでも出てくるのでとても有名ですが、あと2つ分類があるということです。

無関心品質要素(Indifferent Quality Element):充足でも不充足でも、満足も与えずに不満も引き起こさない品質要素
逆品質要素(Reverse Quality Element):充足されているのに不満を引き起こしたり、不充足であるのに満足を与えたりする品質要素

本当は狩野モデルの元論文に行きたかったのですが、無償のものが見つからなかったので。。無関心品質は「どっちでもいいや」ってやつですね。例えば、路線バスでエアバッグがついている、とかでしょうか。逆品質は難しいですね。バスの例ではないですが、例えばキャンプ場にガスコンロが整備されている、とかでしょうか。


魅力的品質か当たり前品質かはアンケートで測れる

ソフトウェアプロダクトにとって、その品質が魅力的品質なのか当たり前品質なのかはとても大事な区別です。一般的にはプロダクトオーナーはどちらの品質かはわかっていることがほとんどですが、場合によってはエビデンスをもってどちらかを語る必要があることもあります。その場合、この論文と同じような手法(アンケートを取って、カイ二乗検定で属性ごとに差異があるかを分析する)をとれば、エビデンスを得ることができます。


顧客の属性によって品質の捉え方が違う

これも当たり前と言えば当たり前ですが、顧客の属性によって特定の品質が当たり前品質なのか魅力的品質なのかが変わる、ということです。

バスの頻度については、女性の方が男性よりも高頻度が「当たり前」であると評価する傾向が高いことが示された

などなど。

ソフトウェア品質の世界でも、品質っていったい何なのか、という議論が良くされますが、人によって異なる品質の捉え方の総体がその製品の品質になるということであり、文脈を変えるとその品質は形を変えるということになります。また、狩野モデルでは時間によっても品質は形を変えるということを言っていると聞いたことがあります(要出典)。これも、製品の品質というのはある時点でのある側面からのSnapshotであるということを示していると思います。


まとめ

狩野モデルの論文読みます。。

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