機能共鳴分析手法(FRAM)とは

先日SS2020でFRAMという手法のことが出てきたので、気になって調べてみました。

こちらを参考に。


FRAMとは

レジリエンス・エンジニアリングのモデリング手法である,FRAM(Functional Resonance Analysis Method:機能共鳴分析手法)

レジリエンスエンジニアリングの分野の手法なのですね。そのモデリング手法。略は、Functional Resonance Analysis Methodから。Resonanceは反響とか共振とかなので、共鳴と訳されているのですね。たまに無理やり語呂を合わせようとした手法名がありますが、これは普通ですね。


機能共鳴とは

機能共鳴とは,複数の機能が相互にインタラクションした結果外乱に柔軟に対応する一方で,逆にエスカレーションなどを起こし,安全を脅かすことを指す

相互に関係する複雑なシステムにおいて、意図せず悪いことが起きてしまうようなことですかね。共振による事故というとタコマナローズ橋が思い出されてしまうのは土木出身の性ですが、実は原因は共振じゃなかったみたいですね。


FRAMの特徴とは

FRAM における安全分析とは,複数の機能が互いにどのようにインタラクションするのかを明らかにし,その関係性の中に安全にかかわるシステムの長所や短所を見出すこと

共鳴関係の中で、システムの弱点等を見出すということですね。これでもまだちょっとわかりません。

FRAM はシステムの失敗事象を何ら定義せずに分析を行うことに大きな特徴がある

これは面白いですね。やっぱりFTAとかの考え方に慣れていると安全は何か、危険事象は何か、ということから始めたくなるのですが、FRAMは違うようです。かといって、FMEAとはまた違うんでしょうね。

FTAやSTAMP/STPAを引き合いに出し、

これらの技術は,物事の「失敗」に着目するものである

と言っています。失敗に着目せずどうやって安全を解析するんでしょう。

分析がボトムアップに行われる
FRAM は,まず個々の機能の詳細な定義から始め,分析の結果として全体ネットワークがモデル化され,システムの成功要因が導出される

大きな違いはボトムアップ、というところみたいですね。

個別のコンポーネントやデータではなく,統合的な視点でネットワークトポロジーに着目する

ここが共鳴と言っているルーツでしょうか。トポロジに着目する、ですって。解析例も書かれているのですが、これをシステマチックにできるのかというのがまだよくわかっていません。モデル検証的なのができれば、かなり有用な手法になりそうですが。


機能の6要素

SSでも言及がありましたが、これが素人目にはとても特徴的に見えました。入力/前提/制御/資源/時間/出力の6要素です。ラルフチャートより使い勝手がいい場面がありそう。


FRAMの解析内容

姿勢制御機能と姿勢レート測定機能がインタラクションするという関係性をFRAM により分析する場合,やり取りされるデータの変化よりも,機能そのものの変化に着目する

機能自体が変化する、という考え方なんですね。ちょっとその発想はなかったです。静的なモデルではなく動的なモデルとして描く?でも確かに車とかでも複数のECUがそれぞれ状態をもって相互に関わり合ってふるまいを実現しているので、近い話なのかもしれないです。逆に静的なモデルで考えることにそもそも限界があった?


ちょっとこの論文だけでは完全には理解できませんでした。もう少し調べます。

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