「モノの流れを作る人」を読んでます2

続きです。


一番優秀な人作業者をライン外に出す

うわーすごい。これですよねー。これ。よくできる管理者の人は、これが自然とできているように思います。本文の解説でも書いていますが、ライン内の改善にとどまると効果は限定的だが、外から全ラインを改善できれば効果は何倍にもなる、ということです。見習わないと。


多能工化とは次の工程もできるように教え、モノの流れを最終工程へと進めること

あ、ここで出てきましたね。前回多能工化に近い話がありましたが、ここはまさにその話です。アジャイルの文脈における多能工は、みんなで効率を上げるためにいろんなことができることが必須、という話ですが、ラインでは前後の作業までできるようにしましょう、ということのようです。

でも、本質は同じですね。


儲け金額をターゲットにすると、工場の中にはいくつもの手段があります。例えば、不良品の手直しを労務費の安い外注に出すというようなものです

それな!ですね。アンチパターンとして言っている話です。前回も出ていましたが、その改善が本当に最終工程(理想的な状態)に近づけさせるのか、という問いが大事ですね。(まぁ僕はテストベンダーにいるので、耳が痛い話でもありますが)

安いから、ではなく、流れの整流化に寄与するのか、という点で改善策を考えていくべきです。


たとえ遅くとも間違いがなく仕事ができる仕組みを大切にする

大野耐一さんの言葉だそうです。そんなことをおっしゃっていたのですね。何となくイメージで、整流化、WIPの最少化などときくと「高速化」を一番の価値としているのかなと思っていましたが、それは間違った理解なのかもしれません。きれいに、間違いがない仕組みを作る。結果的に(間違いがないから)速くなる、ということなんでしょうかね。

確かにアジャイルの文脈でも、その名前から「高速化」が取りざたされますが、実は変化への対応やMVPの提供までが速いだけで開発効率が高いわけではない、ということはよく言われる話です。アジャイルはプロセスの整流化みたいな話はあんまり言っていませんが、高速ではないが間違いがない(間違っても正せる)ことを希求するという意味でとても似ているのかもしれません。


完全自動でなく、はじめに人がセットするやり方をワンタッチ自働化といいます

初めて聞きました。どうしても人の判断が必要な場合ってことでしょうか。こういうのもソフトウェア開発の世界ではすべて自動化と呼ばれてしまっている気がします。人の判断が入らないところは徹底的に完全自動化し、そうでないところはワンタッチ自働化する、というように分類していくのはいいプラクティスかもしれません。


高額な設備を設置したにもかかわらず、高い技能の班長をつけるとは何事だ

これはソフトウェア開発におけるツール導入の話に似ているかもしれません。高いツールって、高機能でいろいろできるんですけど機能が多すぎて使いこなすまでに時間がかかることが多いんですよね。なので、限られた人しか使えない、という状況になることがよくあります。

ツール導入を支援する立場としては、最低限運用自体は誰でもできるように、仕組みを作るべきですね。。


勉強になります。

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