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「硝子」ビジネス

1.日本電気硝子(株)(滋賀県大津市)

2020/04/10(金)には、国内メーカーで唯一医薬用管ガラスを手がけ、国内シェアは9割を超える日本電気硝子(株)を紹介しました。

医薬用管ガラスは、注射液を入れるアンプル管や液体製剤の容器に加工されます。薬品の酸やアルカリに反応しづらいよう、材料にホウ素を混ぜた特殊ガラスを使うのですが、同社はホウ素を多く含む高機能品を手がけています。管ガラスは材料がセ氏約1400度の高温でないと溶けないほか、ガラス内の成分にむらが出やすいため、製造に専用の資材や高度なノウハウが必要ですが、同社は祖業のラジオ用の真空管ガラスで培った技術を生かしているそうです。

なお、同社はフラットパネルディスプレイ用ガラスの大手であり、特に液晶用ガラス基板では世界の生産量の20%を供給しています。 高機能性樹脂強化用ガラス繊維も世界シェアトップクラスです。

2.社名に「硝子」のある会社

板ガラス大手の日本板硝子、旭硝子はいま自らの呼称をNSC、AGCと呼ぶようにし、ガラス製造以外の事業も積極的に行えるような名称にしています(正式な社名変更ではないかもしれませんが)。一方で、今回ご紹介した日本電気硝子(株)のように、「硝子」という言葉を社名に、しかも漢字で入れている会社はけっこうあります。

これまでもご紹介した【すごい会社】のなかですと、例えば、プロジェクターの光源をスクリーン全体に広げるガラス部品「レンズアレイ」の世界シェアは6~7割を握る五鈴精工硝子(株)(2013/10/28)や、顕微鏡に使うスライドガラスやカバーガラスで国内シェア6割強を握る松波硝子工業(株)(2015/09/18)など、ニッチな分野で圧倒的なシェアを持つ「ニッチトップ企業」がたくさんあります。また、ガラス工芸品、江戸切子を制作する(株)ミツワ硝子工芸(2019/11/04)や手作りのガラス工芸品「津軽びいどろ」を製造する北洋硝子(株)(2020/01/31)などは、伝統工芸品の世界で活路を見出す企業です。こういう会社もたくさんあります。。

どの会社もかなり洗練された高度な製造技術を武器に事業展開をしていますが、現在のビジネスがいつまでも続くと考えておらず、新たな展開を次々と考え出しています。こういった会社の今後の事業展開にも、期待しつつ注目していきたいと思います。

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3.今週の【すごい会社】

この会社を含め、今週は以下の【すごい会社】をご紹介しました。

★No.1996☆(株)INDETAIL(インディテール:札幌市中央区)。ガーナで小規模送電網を築く。太陽光パネルと蓄電池を使い、限られたエリアで電力を自給自足する仕組みをつくる。
★No.No.1997☆(株)光大産業(福島県本宮市)。木製家庭用製品を扱う。日本の伝統木材であるヒノキの製品を海外にアピールしている。すがすがしい香りや、優れた抗菌性などで欧米を中心に引き合いがある。
★1998☆柴沼醤油醸造(株)(茨城県土浦市)。1688年創業の老舗しょうゆメーカー。商号は「キッコーショウ」。しょうゆ作りの核心部分であるもろみの熟成で昔ながらの木おけを大切にしている。
★No.1999☆(株)ストライク(東京都千代田区)。経営者らにセミナーを開くなどして企業を「売りたい」という相談を受け、同社が条件の合う買い手をネットで募ったり、自社のデータベースから探したりする。
★No.2000☆日本電気硝子(株)(滋賀県大津市)。フラットパネルディスプレイ用ガラスの大手であり、特に液晶用ガラス基板では世界の生産量の20%を供給。 医薬用管ガラスで国内シェアが9割を超える。

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桜美林大学リベラルアーツ学群教授・学群長。専門は産業組織論・中小企業論。規模は小さくても、有名でなくても、日本一あるいは世界一の会社が我が国にはたくさんあります。製品やサービスの供給を通じて、我々の生活を豊かにしてくれる【すごい会社】の活躍から、我が国経済・社会の将来を考えます。
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