見出し画像

2022年2月27日「ヒバクシャと出会うカフェ」報告


2月27日に「ヒバクシャと出会うカフェ」第4弾をオンラインで開催しました。

「ヒバクシャと出会うカフェ」とは

「被爆者の方とお友達になりたい!」という私の思いが原点の交流会です。証言会ではなく、ヒバクシャのみなさんと1人の「ひと」として出会い、交流し、この先も長くつながれる関係を築くきっかけを作りたいと思い、企画しました。今回は「特定非営利活動法人ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会『未来につなぐ被爆の記憶』ボランティア・ グループ」と共催でした。

初めての公募開催!

20代~50代の14人と広島で被爆された中村紘さんを囲みました。
参加者は学生、医療関係、NPO職員など様々でした。

中村さんが被爆したのは2歳9か月、当時の記憶は全くないとおっしゃっていました。お母さんから「あの日(8月6日)のこと」を聞いた際には「あれは地獄だから」としか言われなかったそうです。
証言をするきっかけとなったのは2010年のNPT再検討会議でした。最初は観光気分でしたが、先輩被爆者の背中をみて自分も何かしなければいけないと思ったそうです。
「戦争と平和と命」というテーマで、いつも小学校や中学校で話すような形式でお話して 頂きました。
お話の途中で、「正解のない質問をします。もしも当時自分がアメリカの大統領だったら原爆を落としていましたか」、「原爆による爆風はアフリカ象何頭分だと思いますか」と何度も皆さんに問いかけをされていました。どうしたら聞いている人の記憶に残るように伝えられるか、参加者の皆さんと一緒に考えられるように質問形式に変えたそうです。


個人的に印象に残ったことは、月のたとえ話 です。

 “月のかたちはいつも丸いが、向きによって三日月に見えたり、満月に見えたりします。外見は違ってもみんな同じ人間、命。自分の目に見える形で判断していませんか?世界中の人は全て満月。相手を満月と認めることで争いはなくなるのではないか”

人によって長所もあれば、短所もありますが、短所も認め合うことができれば相手を尊重できるのではないかなと思います。「お互いの長所、短所を知るためにも対話が必要。どこが相手にとってゆずれないものかを知っていたら、お互い利益になるところを分け合えるのではないか」と参加者の方から意見を頂きました。
また、「SDGsのゴールと被爆者の目指すところは『平和と平等』という点で同じである」、「日本も加害者だったことを忘れないで下さい」と伝えて頂きました。
交流の途中で中村さんが回答に口ごもる場面、身内の経験から妬みや悔しさとどう向き合えば良いのかわからないという悩みを打ち明けてくれた参加者の姿、少人数だからこそできる対話ができました。
中村さんのように被爆の記憶がない方や、胎内で被爆された方が活動される機会が多くなってきていると思いますが、被爆体験のない世代と被爆体験を今後どう伝えていくか、共に考えていくことができそうな気がします。
今回はオンラインの開催でしたが、「声をかけてくれればどこにでも話に行きます」と嬉しいメッセージを頂きました。中村さんの親しみやすい話し方に参加者の皆さんもどんどん応えて頂きとても楽しい交流となりました。

それぞれの胸の中に「ヒバクシャ」ではなく、「中村紘」さんが生き始めています。

自分の家族や学校の仲間たちと一緒に被爆者のみなさんに出会いたい方、あるいは一緒にこのカフェを運営してみたい方は、私までご連絡ください。

画像1

画像2


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?