いまだ金時ラジオNote用正方形Logo

第2回「時間を大事にする」という言葉の意味 主題4 自分の時間を色分けする

フランケンとの対談
00:00 | 00:00
今日の本題に移る前に、前回までのおさらいをしておこう。
前回までのチャプターでお話したことっていうのは、一言でいうと「時間を大切にする」ということ。
パッと聞いた限りでは、当たり前のように聞こえるけど、これは忙しく何かを詰め込めってことじゃないよ。
僕は昔、時間を仕事で圧縮するような人生を送っていた。
それではダメだったんだ。

流れて行ってしまう時間を大切にするには、そのときそのときで、一番有意義な使い方をすること。振り返ったときに、いい使い方をした、と思えるような使い方を心がけること。

文字にするとそういうことなんだけど、当たり前すぎて、なんだか直感的に伝わらない。
倒れる前の僕なら、「ま、そりゃそうでしょうね」と聞き流すと思う。

その反省からわかったことは、「時間の見え方」というものを体感しなければ、人生という時間の使い方は、変わらないだろうということだ。

言い換えれば、僕が今際の際で、どのような風景を見たか、というものを共有できれば同じ体験をしてもらえると思う。

直感は言葉を超える。
プレゼンテーションで飯を食っている僕としては、是非とも頑張ってみんなの直感を刺激する方法を提案したいと思う。

まず、自分の時間を色分けする事から始めよう。
これからちょっと面倒くさいことを言う。
いくつか用意してもらいたいものがある。
紙と鉛筆。なるべく色数の多いマーカーペン。

ま、実際に用意しなくてもいいけど、部屋の中を見渡して手に入るようなら探してみてほしい。

準備はできただろうか?

さて、
A4の用紙を縦に置き、鉛筆で24cmの縦棒を書こう。
罫線用紙なら、24行で良い。
幅は1cmくらい。
だいたいでいい。

この棒はあなたの「昨日」。

別に一昨日でも構わない。

まず思い出してほしいのは、昨日は何時に寝て、何時に起きただろう?
寝ていた時間をマーカーで塗ろう。なるべく好きな色で塗ってほしい。

睡眠は浪費じゃない。こんな当たり前のことを僕は数年前まで知らなかった。


次に、起きてから、1時間ごとに何をしていたのか、棒の隣に一行で鉛筆で書いていく。

覚えている順に書く。なるべく細かく。ざっくりと仕事、とは書かずに、

外来、手術(なになに術)、検査(心カテ)、などと細かく書く。

例えば僕だと、出張中は結構忙しい。興味深い出会いも多く、ほぼびっちり書くことができる。逆に、仕事中はほとんど書くことが無い。外来、昼めし、手術、くらいで夜になってたりする。

皆さんはどんな感じだろう。
休みの日でも同じだ。昨日の昼は何時に食べたっけ、そのあとでかけて、映画をみた。夕方までは特に何してたってことはないな、とか。



さて、埋まらない行はあるだろうか。

いや、そりゃあ、あるでしょう。昨日のことをびっちり覚えている人がいたら、むしろ気持ち悪い。

昨日のことなんて、そこまできっちり覚えているわけがない。

一昨日になると、相当怪しくて。1週間前になると、全く覚えてない日なんてものもあるだろう。

そんなもんです。


だから、覚えていない空白が悪いとは、全く言わない。

これを減らせとも、いうつもりはない。


とりあえず、へえ、結構埋まらないもんだな、と思ってくれれば今はそれでいい。


好きな色

ここからが本題だ。

今は、24時間の帯に、睡眠時間が何時間か塗ってあって、隣に何行かイベントが並んでる、という形になっているはず。

そうしたら、このイベントの中で、これは楽しかった、というものを1つ選んでほしい。

この時間に好きな色を塗ろう。
僕は青系が好きなので、なんとなく青っぽくなっちゃう。まあ、何色でもいい。

イベントを選ぶ基準は、昨日をもう一回やり直すとしても「この時間は有意義だったのでもう一度やってもいい」と思う時間。
目に付いたものに色を塗ろう。同じ色を使うと味気ないので、なんとなくでいいからなるべく楽しげな色を選ぼう。

ここでは、上からザッと目を通して、瞬時の判断で、ぬっていく。
1つ1つ色々な色を使ってもらって構わない。その時の気分で好きな色で塗ってほしい。

あ、これはどうかな、別にそれほど、という感じならパスしていこう。
「保留はパス」の気分で。

感覚としては、1/3もあれば相当ハッピーな1日と言える。


嫌いな色

次はちょっと感覚的に難しい。

「できればやりたくなかったけど、やり直すとしても、もう一度やらざるを得なかった時間」というものを探そう。

ポイントは、「あえてわざわざ予定を立ててまで、その時間にやるか」っていうイベントだ。

当直明けの朝飯とか、通勤電車とか、やらなしゃーないけど、あえて予定まで立ててやることじゃないでしょう?

そういうものは外す。

例えば同じ診療行為でも、

自分の専門領域の手術とかはここに入るかもしれないし、深夜の切り傷のオンコールなんかは入らないかもしれない。

論文や講演の準備なんかでも、このカテゴリに入るものと入らないものってあると思う。

そういったものを選んで、これにも色を塗ろう。
今度は「あまり好きではない色」を選ぼう。

僕はなんとなく、茶色だ。
紫、緑なんかもここに使うかもしれない。

ここでもポイントはいっしょ。

上には戻らない。
「保留はパス」の気分で。


放っておく行

さて、これでだいたい終了。

どうでしょう?

「しましまだな」と思ったあなた。
あなたの感性は正常です!

多分、IQの高いクラスタの人達は、
あー、はいはい、
「嫌いな色を減らそう」
とか
「好きな色を増やそう」
とか、
説教くさいことを言うと思ったでしょう?



そんなこと言われたってどうにもできないことは、
僕はあなたより知っているつもり。

ここでの大事なポイントは、
「それ以外の行は放っておいて良い」
っていうこと。

自分の時間を後ろ向きに見たときに、
毒にも薬にもならんなぁ、
って時間は、個人差もあるけど、結構多い。


このチャプターのキーワード
「時間を後方視する」1日ぶんでいいから、意味付けをしながら過去を振り返る。
これをやってみて欲しかった。
「好きでも嫌いでもない時間」というものがあることを認識して欲しかった。
これに尽きる。

赤の使い方は微妙だ。
テンションが高い色だけど、そのぶん疲れる。
好きな色にも嫌いな色にも選ばれる

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?