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第8回ゴッホとピカソ2

フランケンとの対談
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いまだ金時ラジオ 第8回 なぜゴッホは貧乏で、ピカソは金持ちだったのか?

主題1
さて、早速ですが、この本の引用から入っていきましょう。
入りが面白いんですよ。
どんな話から展開するのかさわりを見てみましょう。
・ピカソの絵はなぜ高いのか?
・ピカソはなぜ、ワインのラベルをタダで描いたのか?
・なぜピカソは小切手を使ったのか?
こんな感じでピカソを題材に、マネーの本質を、キャピタライズとマネタイズというと言葉を軸に展開していきます。


・ピカソはなぜ、ワインのラベルをタダで描いたのか?

シャトー=ムートン=ロートシルトというフランス・ボルドー地方にある有名シャトーのワインがある。この1本5万円は下らない高級ワインの1973年モノのラベルは、ピカソがデザインしている。そして、その対価は、お金ではなくワインで支払われた。ピカソの描いたラベルの評判が高ければ高いほど、ワインの価値は高まり、高値がつく。ピカソがそのワインをもらえば、自分で飲むにしろ売るにしろ、価値が高いほうがいいに決まっている。双方に利益のある話である。


まんまキャピタルゲインですね。
マネーリテラシーが高い、というか、いろんな信用取引を勉強している人ならキャピタルゲインで流せちゃうところなんですけど、これって、本当はすごく難しいですよね?
僕は理解できなくて、キャピタルについて猛勉強して、論文まで書いて知り合いの税理士に読ませては嫌がられるってことまでやったよ。このくだりは僕のラジオに上げたことがある。

簡単にいうと、信用クレジットっていうのは株と同じ、上がったり下がったりする。人の持っている信用、紛らわしいけど言い換えれば信頼度、トラスト、これも上がり下がりする。この信頼度が上がったぶんだけ、それをお金に変換した時に差分が大きくなる。この信頼を積み上げる作業が、お金を増やす。そうやって信用クレジットをお金に変えることをキャピタライズ、ってこの本では言った。はず。合ってる?だいぶ勉強したんだけど!
この、クレジットを積み上げるものが覚悟と信念、コミットメントとプリンシパルだっていうのね。

この本では著者はマネーが生まれるためのシナリオを三段のピラミッドで表現している。その1段目の土台の真ん中にまず覚悟、コミットメントがある。これに信念、プリンシパルが加わって、2段目の信用、クレジットが生まれる。
このクレジットをゲインさせることで、ゲイン幅をお金にすることができる。このシナリオがキャピタライズ、文字通り信用創造って言ってます。
あ、この部分はこれ以上やると30分話しちゃう、前科一犯ですから。
ここでは、「信用クレジットからマネーを作るシナリオがキャピタライズ」、ピラミッドの片腕だって覚えておいて!テストに出ますよ!

さて、山口さんの信用の話考え方の話をもう少し掘っていきましょう。


・事業をつくるとき、僕(山口氏)は、お金を「パテ」としてみている。お金は、思いやコミュニケーションで埋められない〝溝〟を埋めるための補助剤である。まず信用の土台があり、そのうえで互いに価値を提供しあう仕組みを考える。ビジネス上、どうしても必要な設備投資や人件費を除けば、お金はコミュニケーションの摩擦をなくすための潤滑油にすぎない。

これは、著者の信用第一主義とでもいうんでしょうか、お金かメインではなく、お金を作り出す信用がベースだっていう考え方を端的に表していますね。信用同士のバランスの中で、差分を共通言語であるお金で補填する、というニュアンスですね。


・僕(山口氏)のお金に対する考え方も、この10年でガラッと変わった。昔は、欧米のように「一生分のお金を貯めて、引退することが目標」と思っていたことがあった。だが今の僕は、毎日をとてもわくわく楽しく暮らしていて、それを1分1秒でも長く続け得るにはお金があとどれくらい必要か、と考えている。つまり、まず幸せな状態をつくること、次にそれを長く楽しむためにお金があるという考え方だ。


FIRE、否定しているわけじゃないですけど、道のりの中で、主従がひっくり返ってしまっちゃいけないよ、ということですよね。FIREの過程そのものも、また大事な人生の一部であって、お金のためにスポイルしていいものじゃない。


さて、ここでちょっとピカソに関する別のエピソードを取り上げてみましょう。お金を作り出すシナリオ、ピラミッドの反対側。キャピタライズの反対腕のエピソードです。

・あるレストランにピカソが訪れた時、ウエイターの一人がこうピカソに言った。
「このナプキンに何か絵を描いてもらえませんか?もちろん、お礼はします」と。ピカソはこれに答え、30秒ほどで小さな絵を描いた。そして、にっこりと笑って「料金は、100万円になります」といった。ウェイターは驚いて、「わずか30秒で描かれた絵が100万円ですか!?」と聞いた。それに対して、ピカソはこう答えたという。
「いいえ、この絵は30秒で描かれたものではありません。40年と30秒かけて描いたものです。」

ひとつの物事が結実して目に見える価値(バリュー)になるには、才能と、長い歳月の努力と、コミットメントの結果である。だから、目に見える結果だけを評価してはならない。それが生まれ出る原因に、目を向けなければならない。
お金とは常に結果である。それは長い期間における価値(バリュー)の創造の結果でしかない。僕たちが目を向けるべきは、原因たる価値なのである。

さっきのキャピタライズのシナリオの反対腕の話です。マネーが生まれるためのシナリオを三段のピラミッド。1番下に、コミットメント、つまり覚悟があるって言ったでしょう?。これに、今度はミッション使命を加えて、バリュー、価値が創造されるっていうんですね。
著者のいうバリューの考え方、このバリューがお金になるシナリオをマネタイズ、って言ったんです。
ここ大事です。
「バリューをマネーに変える、マネタイズ。」
ここもテストに出ますよ!

どうでしょうか、マネーが生まれる2つのシナリオ、クレジットからのキャピタライズ、バリューからのマネタイズ、呪文のように唱えてくださいよ。
これはピラミッドの2段目です。


ピラミッドの1段目についても少し取り上げておきましょう。
これは、シナリオを駆動するモチベーション論になります。
1段目の要素としては、中心に覚悟、コミットメント、バリュー側に使命、ミッション。クレジット側に信念、プリンシパルがあります。
ここでは全部やると、くどくなっちゃうので、読み味がカッコよかったミッション、バリューの根っこにある、ミッション、使命について取り上げてみましょう。


・僕たちの人生は、僕たち自身で形づくらなければならない。自分の人生を自分でデザインするということだ。デザイン(design)の語源は、デ(de:削る)・ザイン(sign:形作る)である。これはラテン語で、「私欲(ノイズ)を削り落とし、本質を磨き上げること」を意味する。私欲(ノイズ)を削り、自分自身を透明(ニュートラル)な状態に保つことによって、使命(ミッション)に沿った生き方ができるようになり、それが社会にとっての一番の価値創造や貢献につながり、結果的にお金となって返ってくる。

私欲(ノイズ)を削ることとともに、使命(ミッション)を生きるコツは、できるだけ、「持たない」生活をすることだ。「持たない」とは、物理的にはもちろん、精神的にも透明(ニュートラル)な状態を保つということである。これはつまり、過去につくられた規範やルールに縛られることなく、無用なこだわりやイデオロギーを持たないということだ。

ここは先生がピックアップしてくれた部分で、僕もかっこいいなって思ったところ。観念論的になっちゃうから、要するに何?って言われると説明しずらいんだけど、この本は随所にこう言った迫力のある観念論が出てくる。「人生を自分で、デザインしろ!私欲を削ってミッションに沿って生きろ!」あー、これ、若者向けのセミナーとかでやりたいですね。

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