映画感想「シェイプ・オブ・ウォーター」

 シェイプ・オブ・ウォーター見てきました。

 noteになにかしら書いたりしないとログインしなくなっちゃう!みたいな気持ちになったので映画とか見たりしたら感想を書こうかと思ったわけです。文章力もUPだぜ!

 ネタバレ気にしないで書いているのでこれから見るぞ!って楽しみにしてる方は注意してね。


 なんか異種恋愛らしいっすよみたいな半端な知識だけもって映画を観に行ったんですよ。いいじゃーん素敵じゃーんって。

 チョー面白かったです。異種恋愛っていうか、よく他の方の感想で聞いたりする断絶とか孤独とかそういったテーマを感じます。映画って感じの映画でした(?)

 ほんとに予備知識がなかったんで主演の女優さんがいわゆる美人!ボンキュッボーン!っていう感じでもなく、日がな同じ毎日を繰り返しているくたびれた感じの女の人ってのがまずびっくりしちゃったんですよ。

 出てくるメインの人々がそれぞれやりきれない寂しさを抱えていて、その描写が切なくてね…画家のおじさんとか…。一緒にテレビを見て笑いあえる友達はいるけれど、恋愛の対象は居ない、そういった二人の友情もやっぱりどこかさみしい。やっと好い人っぽい人見つけて、めっちゃ通いつめてパイ買って覚えてもらおうとして…この人ならわかってもらえるかも…みたいな気持ちを持ちつつからの差別ドーン!もういっちょドーン!やりきれないよー。

 私はじめわからなかったんですが、パイのお店で入店拒否されたのは黒人だったからなんですね。こういう差別描写が様々な形で描かれていて、身体特徴、性志向、職業、国、時代もありますがそういった差別の物悲しさがあります。主人公と魚人さんが声で会話できないという事以外にも、区切って、遮って、話を聞こうともしない、理解されない孤独があるわけです。

 特に悪役さんの差別発言はもうすごくて、画面に写ってからの差別表現オンパレードは見ていて鼻の上に皺が寄るほどでありました。でもですね、映画後半でこの悪役さんの怒濤の伏線回収があるんです。こいつ、人生のレールに乗るために自分を曲げて潰してきたアワレな男だとわかってきちゃうところがまたとても良かったです。かなり序盤から飴ちゃん噛み砕いてましたよね?

 誰もが思い描く幸せな家庭、成功、そういったものを手に入れるために自分の好みを置き去りにした男が唯一好きだって言って食ってるものが子供の頃から好んだチープな飴ちゃんなんですもの。声我慢AV…イイよね…イイ…みたいな事が言える友達とかいなかったんかな、いないよな。この悪役さんはそうした過程で孤独になっちゃったやつだったのです、たぶん。追い詰められて、暖かな家庭ではなく車庫の車のなかでひとり苦悩する姿がさみしいものとして印象に残っています。

 そんななか魚人さんを、そういう生き物であり、知性があり、生命としてありのままに見た主人公サイドのメインの恋愛描写、女の人が恋に落ちて、身につけるものがどんどん色鮮やかになっていって画面に差し色のように赤が入るのとか、くたびれていた孤独な人がどんどん女の表情になっていくところとか、画面的にもほんとうに美しくて、それがもう異形とセットなんだからだいぶ好みの絵面ですよ!

 最後はほんとに画面的もキレイな終わりだったね…。しがらみをなくして、誰も知らないところでおそらく“ふたり”でいるだろうな、っていう匂わしがよかった…。孤独を扱った映画の終わりとしてほんとうに救いがありました。


 映画見終わってこうして感想を書きたいなー、と思うくらいにはあーでもないこーでもないとあとで色々考えちゃう良い映画です。アカデミー賞おめでとう。

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