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Arizona Cardinals23オフシーズンの動向予想 契約状況編

前年のプレーオフ進出から一転、4勝13敗に終わってしまった22シーズン。クソドラフト、FA選手の事故死、コーチや選手の逮捕、我らがQB1 Kyler Murrayを代表とした相次ぐ選手の大怪我、契約延長したばかりのGM&HCの解雇、ワット様の引退、スーパーボウル会場となったホームスタジアムの芝にすら苦言を呈されるという数々の困難を乗り越えた推定人口10名前後の国内アリゾナファンの皆様、お元気でしょうか。かくいう私もタイへ傷心旅行に行きたくなってきた頃合いです。

とはいえ、嘆いていてもHCが決まらなくてもQBの靭帯再建が間に合わなくても来シーズンは来てしまいますし、自分の整理のためにオフシーズンの動向予想をまとめてみました。初回は契約状況の整理から。

読むのがめんどくさい人へ

FA前のアリゾナのポジションニーズは以下のような印象です。
補強不要:外WR,SlotWR,TE,S
余裕があれば補強したい:QB,RB,OT,ILB
弱いorいない:OG,OC,DT,DE,OLB/EDGE,CB,ST

オフェンス

よほどのことがない限り基本は11Perのスプレッドオフェンスになるはず。

QB

※4年目以降の契約は省略

スターターの質:高
デプスの質:中
補強ニーズ:中(下位ドラフトか安価なFA)

Murrayとは6年契約を結んでしまった以上、当分心中せざるを得ない。とはいえ、昨シーズン前半は年46Mの契約に見合った活躍が出来ていたし、チーム内での評価も高い。チーム関係者(MINで言いたい放題のセカンドライフをエンジョイしてるPatrick Peterson以外)の誰に聞いてもメディアからのMurrayに対する悪評については必ず擁護されている。
問題はMurrayが開幕に間に合わなかった時のバックアップの方。McCoyでも良いけど欲を言えば3番手に機動力のある新人QBか先発経験のある安価なベテランが欲しい。MinshewとかHeinickeとか。

※これができるQB連れてこられたらMurray諦める。

RB

スターターの質:高
デプスの質:低
補強ニーズ:中(ドラフト下位か安価なFA)

エースはConner。TD数は昨年の18TDから8TDに減ったものの2年連続でラン700yardパス300yard。ショートヤードを確実に取ってくるランもさることながらチェックダウン能力が高いのもMurrayと相性が良い。
こちらも問題は負傷癖で、シーズンのどこかで欠場する場面が必ず出てくる。しかし控えはドラ6ルーキーのIngramで少し心許ない。元ARIでBALで控えになってるKenyan Drakeあたりのベテランを安価で拾って欲しい。

※パスターゲットとしても使い勝手のいいConner

外WR

スターターの質:高
デプスの質:低
補強ニーズ:低(安価な再契約の目処あり)
HopkinsとBrownの2枚看板。ただし、今期はMurray含めて3人揃ったタイミングがほぼなく、Hopkins単体で見ても昨年比で能力がそこまで落ちたとは思えない。昨年のYard/Gも79.7のリーグ10位でWaddle(MIA)の79.8、Kelce(KC)の78.7と同等。むしろKelceがおかしい。ちなみにBrownは59.1で28位。売るなら複数年契約が残っている今年のほうが価値があるのは間違いないが、パスユニットとしてHopkinsへの依存度が大きすぎる現状、本人が望まない限りトレードはないとの予想。

Andersonについては同じ高身長WRのWesleyが負傷したタイミングで慌てて取った前GMが悪い。リリースしてもデッドキャップなしで$12M浮くから基本解雇であっても安価な再契約になりそう。

クソデカハイボールぶん投げ要員のWesleyとリターナー能力の高いCooperと再契約できればとりあえずはデプスについても問題なさそう。

※成績が落ちてるとしたら多分Hopkinsのせいじゃない

Slot WR

スターターの質:高
デプスの質:高
補強ニーズ:低(安価な再契約の目処あり)

外WRと役割が違うガジェット的運用がされるslot WRは別枠にしてみた。

個人的に今期一番期待していたRondale Mooreは相次ぐ負傷でほとんど成績を残せず。一方で代わりに出場したDortchが1試合100yardを達成するなどプチブレイク。リターナーとしては全然駄目だったのは内緒。DortchはERFA(前年と同額の1M程度で引き止め可能)であるため質量共に問題ない。

※今期のプチブレイク選手、Greg Dortch

TE

スターターの質:高
デプスの質:中
補強ニーズ:低(安価な再契約の目処あり)
Zach Ertzがシーズンエンドになってしまったものの、その後ドラ2ルーキーのMcbrideが高順位に見合った活躍が少しずつできるようになっていた。
PHIのDallas Goedertのように、Ertzのいる間にMcbrideが一本化できれば良いのだが・・・。
今シーズンに関しては3枚目もMaxx WilliamsかAndersonどっちかと再契約出来れば問題なさそう。

※今シーズン最もダサいプロ初タッチダウンを決めた2巡ルーキーのMcbride

OT

スターターの質:中
デプスの質:低
補強ニーズ:中(ドラフト下位か安価なFA)

ここからが微妙。シーズンエンドになった先発LT D.J.Humphriesの代わりに出場した3年目の3巡LT Josh Jonesが先発9試合でPFF Grade75.8の大健闘。2020年ドラフトのOTでWirfs,Wills,Thomas,Bectonに次ぐ5番手評価の1巡候補だった実力が垣間見えたシーズンだった(まあ3巡までスリップしたんですけどね
ただ、昨年までRT,RGをやらせていた時はてんで駄目だったので来シーズンRTをさせるには不安。いっそHumphriesかJonesどちらかトレードに出してRTはBeachumと再契約しつつドラフトでRTの先発候補取ったほうが良いのかもしれない。
契約切れのRT Beachumも33歳と比較的高齢ながらPFF Grade70.6。ロッカールーム内でもリーダーとして評価され、WPMOYにもノミネートされる人格者。契約額も2年$3Mとお買い得だったからスイングタックルの控えを探しているチームに最適かもしれない。ちょっとPFFの評価高過ぎる気がする。

※(プレシーズンの動画しかなかったけど)今期後半LTの先発を務めていた3年目OT Josh Jones

OG

スターターの質:無
デプスの質:無
補強ニーズ:高(ドラフト上位か即戦力FA)
ドラ6ルーキーのSmithとドラ7ルーキーのHayesしかいないしドラ7の方に至っては今シーズンずっとIRにいた。どうしてこうなった…
シーズンエンドの大怪我を負いながら来季の復帰を宣言した先発LGのベテランPugh、2巡指名後伸び悩むも大学時代の恩師であるOLコーチの元で復活を遂げた先発RGのHernandez、出来れば両方割安で再契約したい。

ルーキー2人もドラフト前後からキャンプにかけての評価は高かったので、あわよくばどちらか先発になって欲しい。

余談だがHernandezの恩師はシーズン途中に痴漢で逮捕されクビになっている。

※Smith君はSmith君で今シーズン大変だった模様

OC

スターターの質:無
デプスの質:無
補強ニーズ:高(ドラフト上位か即戦力FA)
そして誰もいなくなった。
先発のHudsonは契約自体残っているが、今シーズン前もキャンプ中に引退を仄めかしてキャンプを欠席していた様子だし、大方の予想では今オフで引退。(そんなんだったら先に言え、そして22年のドラ1でWR取る前にLinderbaum取ってくれ

スナップは不安定だったけど、今年先発だったPriceを控えで確保しつつドラフト3巡までに先発級が取れたらいいなー…

※先発にするには心許ないが、いないといないで困りそうなPrice。前評判通りのスナップ集。

ディフェンス

なんとなくVance Joseph DCが残留するのだろうなと諦めている思っているため、メインパッケージは3-4を想定しています。

DT

スターターの質:低
デプスの質:低
補強ニーズ:高(ドラフト上位か即戦力FA)

3年目ドラ4コンビ、ランストップ能力は高いが怪我ばかりしてるじゃない方のLawrenceと、6-5ft,330lbの恵まれた体格で高校時代はラグビー代表経験もあるがいまいち伸び悩んでいるFotuの2人が先発候補。弱い。
同地区にはアウトサイドゾーンを起点にLB殺しのPAや理不尽なミスマッチを強要してくるパーソネル無効化パスオフェンスを展開してくる邪悪HC2人と、かつてランランラッスとまで称されたランオリエンテッドチーム(ごめん今年のSEA Oあんまり印象にない)が存在するが、フロント7が弱いアリゾナDは布石に過ぎないランプレーだけでそこそこ攻略できてしまう。
さらにパスシチュエーションでゾーンDBブリッツを入れないと死ぬとかいう原因不明の奇病が治らないDCのせいでDLにはパスラッシュ能力まで求められるが、この2人では色々苦しい。
理想は全体3位でJalen Carter、せめてドラ1LBコンビが動きやすくなるような置石DTを確保しておきたい。Linval Josephとかその辺。

※ワッフル職人としてDLルーム内で高く評価されているFotu()

DE

スターターの質:無
デプスの質:無
補強ニーズ:高(ドラフト上位か即戦力FA)
そして誰もいなくなったポジションその2。
引退すると言いつつ最後まで化け物みたいなプレーをしたWatt様、背格好の似たWatt様の加入後2年で急成長を遂げたZach AllenがFAと、両先発が消える可能性。
この2人のどちらかが不在になるだけで一気にランパス両方苦しなった今期のアリゾナDから、この2人が同時にいなくなることだけは避けたい。比較的大柄なOLB Cam ThomasをDEにコンバートするにしても、Allenだけは何とか引き止めたい。
ついでにFAも何人か取って枚数も増やしたい。

※今オフ最も引き止めたいZach Allen。

OLB/EDGE

スターターの質:低
デプスの質:高
補強ニーズ:高(ドラフト上位か即戦力FA)
このポジションが一番難しい。DEにコンバートされそうなThomasを含め6人契約が残っているが、今シーズンの記録は全員3サック以下。今の所エース級のパスラッシャーになれそうな人材が誰もいない。
即戦力なら欲しいがFAで取るにはEDGEは高い。ドラフト3巡以降なら今いるメンツのほうが高確率でマシという動きづらい状況。
いっそWill Andersonがスリップしてくるのが一番話が早いけれど、大方の予想では1巡はJalen Carter。2巡34位で1巡候補からスリップしてきたEDGEを狙うのがちょうど良さそう。
成長を期待するならスピードという明確な武器のあるドラ3のSanders。廉価版Hasson Reddickみたいになってくれると嬉しい。
控えとしては割高感のあるGardeckはSTリーダーも担当しているため解雇する理由はなさそう。

※3巡OLBのルーキー2人は今期仲良く3サック。スピードタイプのSandersとパワー&テクニックタイプのCam Thomas。

ILB

スターターの質:低
デプスの質:高
補強ニーズ:中(ドラフト下位か安価なFA)
今期の目玉だったIsaiah SimmomsのStar LB (ILB/OLB/Slot CB/Sを状況に応じてSimmonsが担当する)構想が、よりによって開幕戦でKCと当たった挙句Travis KelceにSimmonsがボコボコにされたことが今シーズンの低迷の始まりだった気もする。Simmonsはショックを受けたDCのせいで次の試合控えにされた。
ポジション的にはSS>4-3OLB>EDGE>ILB>CBがSimmonsの適正に見えるけど、アリゾナ的には一番スタメンが固いポジションがSなのでとりあえず来年もILBにされそう。
もう一人のドラ1ILBのZaven Collinsについては今期は順調に成長し、今期100タックル&11TFLと先発としてまずまずの成績。ただOLの処理がそこまで上手くないので彼も適正は4-3OLBな気がする。
この2人以外にロースターに残っていないため、隠れた補強ポイントになっている。例年STで出ているTurner&Vallejoを残しつつ他を探す形になりそう。

※今期アリゾナオフェンスとディフェンスの両方でスクリーンパスからアリゾナの得点になった唯一のプレー

CB

スターターの質:低
デプスの質:低
補強ニーズ:高(ドラフト上位か即戦力FA)

4年目のエースCB Byron MurphyのFAが痛い。
怪我がちで今シーズンも途中でIR入りしたため、耐久力に疑問があるから契約金も高騰しないだろうという見立てと、内外両方を任せられるCB1番手は貴重だから高騰するだろうという見立てから市場価値がいまいちつかめない。
2番手の2年目、Marco Wilsonも今期ド派手なインターセプトを決めたものの、フェイクムーブの対応に苦慮するなどエース級とのマッチアップをさせるにはまだまだ不安。
Hamiltonはバックアップに置いておけると心強いが、先発級かと言われると微妙。
Matthewはドラ7ルーキーで出番もほぼなく、Whittakerは試合に出てると「あ、チームの状態悪いんだな」と教えてくれる初冬の風物詩みたいなもので再契約に期待してはいけない。

Murphyを残しつつ、モックドラフトシミュレータを見る限り2日目までのCB候補が多そうな23ドラフトの3巡あたりでもう一人指名したい。

※エースCBのMurphyも何とか残したい選手、CBの市場価値高いから難しそうだけど。マンカバーの動画なかった・・・

S

スターターの質:高
デプスの質:低
補強ニーズ:低(安価な再契約の目処あり)
穴だらけのアリゾナDで唯一安定感のあるポジション。
熱探知ミサイルのような勢いでキャリアーに突っ込んでくるBudda Bakerと、Budda Bakerのような勢いでキャリアーに突っ込んでくるJalen ThompsonのコンビはパスDはさておき荒んだアリゾナファンの心を癒してくれる。今期のタックル数もそれぞれ100以上を記録しチーム内で1,2位の成績。Sのタックル数が伸びるチームはディフェンスが弱いという点からは目を背けている(偏見)

UFAになったベテランも例年単年再契約する選手で控えの目途も立っているが、欲を言えば3日目ぐらいでルーキーを一人指名したい。

※アリゾナのSといえばBuddaだけど、Jalen Thompsonも相当いい選手。特に2人ともグダグダのフロント7によって鍛え抜かれたランサポート能力が異様に高い。

ST

スターターの質:無
デプスの質:無
補強ニーズ:中(下位ドラフトか安価なFA)
Praterは2年契約が終了、LeeとBrewerは毎年の単年契約。
例年通りBrewerは再契約で良さそうなものの、Praterが39歳、Leeが41歳と二人ともかなりの高齢。Leeあたりは再契約せずにドラフト下位で指名してしまうのも手かなと思っている。

※もう試合終了間際のキックを外して死んだ顔をする選手は見たくない。。。
でもフォローしてくれるPughさんには戻ってきてほしい。

次回

FA予想とかドラフト予想とかやれたらやる。多分やらない。

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