新国立劇場 『リチャード二世』 ☆7 笑いを作る男,破る男
人生で二度目の『リチャード二世』を観てきた。
五年ぶりゆえ話をほとんど忘れており,前日にあわてて戯曲を流し読みした。結局読みきれなかったが,演出はきわめてスタンダードかつわかりやすく,おそらく未読でも問題なく楽しめたろうと思う。
本作は,愚かな君主であるリチャード二世が,王位という栄華の頂点から一転して奈落の底まで転げ落ちていくお話だ。
史実の彼はわずか十歳にして王座につくと,六年後には親政――君主みずから政治を行うこと――をはじめる。しかし外交は失敗がつづき,側近に金