RAM JAM WORLD


★ハウ・ドゥ・ユー・ドゥ?

ラム・ジャムって何がステキかっていうと、なんとなくセンスがいいってこと。オシャレって言っちゃうと、フレアパンツでクラブでジャジ〜、みたいなイメージになっちゃうけど、それだけでもそれ抜きでもない、センスの良さ。だから、変わってるんだけどヘンすぎなかったり、カッコイイ人がやってるカッコイイことをちょっと真似してみちゃったり、ラブ&ピースな毎日を送れていたり、面白い遊びを知っていたり、とんでもなく笑いの感覚が冴えていたり…。そういうことでしょ?センスがいいってのは。カワカズさんが書いてたっけ。「ださい人間にはなりたくない。」私も本当にそう思う。

★HAPPY SPACE

小さい頃からひとりで音楽ばかり聴いていてくれ、まわりはなんかもバカばっかで、学校はつまんないし、授業中は放課後のライブのことしか頭になくて、休日は1日中レコード屋、情報源は音楽雑誌のみ、クラスでは「あのコってなんか近寄りがたーい」とか言われ、他人を見下し、世間を見下し、悪口言うのが得意になって、でもちょっと寂しくて、そしてますます音楽が好きになるばかり。そんな私やあなたが1日も早く、可笑しくてアッハッハッハな日々を過ごせますように。今は少しだけ退屈から抜け出せた私は、あらゆる愛がたっぷり詰まったこのアルバムを聴きながら、嬉しくてアッハッハッハな日々を過ごしている。

★ORIGINAL SOUNDTRACK vol.3

音楽なんてただの娯楽だよ、ってあの人が口にしてたっけ。そう、そうなんだよね。だけど私達はどうしてこんなにまでも、そのただの娯楽に夢中になってるんだろう。音楽がいっぱいの生活がしたいな。でも音楽だけの生活はいやだな。生活の一部を音楽で浸したいな。ゴハン食べながら音楽聴いて。お風呂入りながら音楽聴いて。眠りながら音楽聴いて。それはいいな。もっとボリューム上げてよ。ああダブがダブダブしててキモチいい。ずっとこうしていたいね。でも頭わるくなっちゃうかな。だけど、だけど…。明日もまた、音楽を聴こう。


【Islands of Dreams】あとがき

ハッピーな曲を作ってるミュージシャンの私生活は実は暗かった、なんて話たまに聞くけれど、ラム・ジャムの曲は間違いなくハッピーな人達が作るハッピーな音楽だと思う。楽しいんです。幸せなんです。ロックの人達(それもひどく退屈な)にありがちな、ハングリー精神なんてものはなくて、お腹いっぱいの音楽なんです。だけどやっぱり生きてるんだから、時にはお腹も空いてしまうわけだけれど、あんまり空きすぎて死なない程度ならまあいいか、それも楽しいよね、っていうような。地に足ついてるのに軽いんです。うざったいメッセージなんでなくても、ちゃんと伝わるものがあるんです。そして音楽を愛し、仲間を愛していることで、私達をよりワクワクさせてくれるのです。「ほらほら〜見て〜あたしたちってこぉんなに仲いいのぉ〜」と言わんばかりにベタベタしてるドリカムなんかより、私はよっぽど愛を感じるな。
万人受けしそうにない音楽だからこそ、これを読んでる人に聴いてほしいと私は切に願っています。本当に音楽が好きな人なら、絶対に気にいるはずだと思うから。最後に。森若さん、デートもしたことないくせに、勝手に評論しちゃってごめんなさい。だから今度、デートしましょう。

(音楽殺人 第5号 特集 RAM JAM WORLD〜ラブ・ダブ・ワールド 1994年1月)

追記:音楽殺人はこの号の後にラム・ジャムでもう1枚号外を作った後に終了したのですが、その際にラム・ジャムの事務所にダメ元でコメントをお願いしたら、朝本さんからこのような素敵なコメントを頂きました。

これを見た無鉄砲な女子高生2人はどれだけ嬉しかったことか。
朝本さん。R.I.P.

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