90年代の邦楽アルバム・ベスト20

なるべく奇をてらわず、王道を気にせず、自分の思い入れのみで選びました。

1.ヘッド博士の世界塔/THE FLIPPER'S GUITAR

誰にだってそのアルバムの全てが好きで好きで堪らなくて、胸に抱きしめながら何度も聴き続けた1枚があるだろう。私はこれ。フリッパーズ・ギターの3rdアルバム。迷うことなき1位。

2.家庭教師/岡村靖幸

それまで苦手で敬遠していた岡村靖幸との距離をこのアルバムを聴かせてくれた友人が縮めてくれた。縮めすぎてまさかこんなに何十年も聴き続けるとは!おかげで私の青春は美しくて切なくて汚れている。

3.CAMERA TALK/THE FLIPPER'S GUITAR

お洒落で口当たりはよくBGMにもなるような音楽なのに、しかし中には誰かの人生を変えるような毒が仕込んである。もし1stが90年代に発売されていたらフリッパーズは3枚とも入っていた。

4.JUMP UP/SUPERCAR

スーパーカーの好きなアルバムでこれを選ぶ人は少ない。あの白っぽいやつ、とかサンデーピープルが入ってるあれね、などと言われてるかもしれない。だけど私はギターロックな1stとエロクトロニックな3rdに挟まれた99年のこの暗く沈んだアルバムが大好きだ。みんなが忘れても私は忘れない。

5.FANTASMA/CORNERIUS

音楽の楽しさと小山田圭吾の全ての才能をギュウギュウに詰め込んだような素晴らしいアルバム。強烈な作品だけを残して星の彼方へ消えていったフリッパーズへの呪いをファンタズマが解いてくれた。センスの良さが裏目に出た2ndを帳消しにして、この後更にPOINTへと昇華したのも感動。

6.A/電気グルーヴ

一貫して薫る、穏やかで夢みたいにポジティブな匂い。ジャケの赤に映った潔さ、鮮やかさ。ヒットした「シャングリラ」も収録して、電気のアルバムの中では唯一、懐かしさ抜きでいつまでもじっくりと聴き返せる大事なアルバム。まりん脱退前の3人の最後の作品。

7.LIFE/小沢健二

小沢健二が作ってしまったのだ。一瞬の風景を美しく変えるような言葉をメロディに乗せて、一緒に歌わせて、歌詞なんかうろ覚えじゃなく一字一句覚えてしまうほど何度も繰り返し聴いてしまうような特別なアルバムを。参った。

8.TURNTABLIZED/DJ KRUSH

Mo'Waxから出たアブストラクト・ヒップホップの日本代表。ラップの乗らない硬派なインストゥルメンタル。無口で煙たい音に、痺れるスクラッチを乗せて。世界中に自慢したいDJ KRUSHの素敵なおしごと。

9.TAKE OFF AND LANDING/YOSHINORI SUNAHARA

すべて聴き終えたあとに軽く疲労感が残るほどの、値段以上の充実感がある作品。この溢れるアイディアを6分や7分の曲の中に枠からはみ出さずに丁寧に託し、音楽として提供してくれたところがとても重要。これからも砂原良徳の作品を聴くことになるだろう、と確信させてくれた代表作。


10.Jr./TOKYO No.1 SOUL SET

ソウルセットは正直1stでも3rdでも良いくらい、どれも繰り返し聴いた。繊細な詩、甘いメロディー、ゴチャゴチャしたサウンド。浪漫の塊の全11曲。クライマックスの「ヤード」に辿り着いたら必ず大声で一緒に歌い、そして最後は延々と、終わらない。


11.WILD FANCY ALLIANCE/スチャダラパー

12.BOSSA NOVA 2001/PIZZICATO FIVE

13.ケダモノの嵐/UNICORN

14.SCHOOL GIRL DISTORTIONAL ADDICT/NUMBER GIRL

15.AMETORA/UA

16.金字塔/中村一義

17.VERSION CITY HIGH-LIGHTS/TANZMUZIK

18.SWEET/CHARA

19.UNVERSAL INVADER/NEWEST MODEL

20.股旅/奥田民生

※6と9は『テクノ・バイヤーズ・ガイド』に寄稿したレビューより一部抜粋。

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