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アクセス権のデザイン

多摩美術大学統合デザイン学科菅俊一プロジェクト3年生の課題展示を行います。タイトルは「アクセス権のデザイン」です。
是非お越しください。
場所:多摩美術大学上野毛キャンパス地下ギャラリー
会期:2022年11月11日(金)〜14(月)10:00〜17:00
入場無料
※土日も入れます。
※大学院生の展示も、同時開催(1号館306教室)しています。
※11/14(月)は13時から公開で講評会を行います(大学院の展示から順番に始めます)


で、冒頭の画像は、メインビジュアル(の一部)となっています。展示会場には、学生に依頼されて今回の課題と展示に関する文章を書きました。他に公開する機会もないので、こちらに再掲しておきます。


手の届かないところに置いてある物を取るために踏み台を用意すること、読めない言語の文字を自動翻訳して読めるようにすること、生では食べられない食材を調理して食べられるようにすること、映画を見るためにチケットを購入すること、このような事柄は私たちの生活の中のほんのわずかな要素でしかないですが、「アクセスできないところにアクセスできるようになった」という共通点があります。

そういった視点で私たちの生活を振り返ってみると、様々な人工物は、形あるもの無いもの問わずアクセス権の問題を扱っていると捉えることができます。それは言い換えると、デザインをするという行為はアクセス権を設定・変更・操作しているということでもあります。アクセス権というキーワードでデザインを捉え直すことで、デザインが対象とすべき領域や考え方、意識などがかなり変わるのではないかと考えています。

私たち多摩美術大学統合デザイン学科菅俊一プロジェクトでは、デザインという軸で、表現そのものや社会システムなどを新しく捉え直すための研究制作活動を行なっています。今年は「アクセス権」ということをテーマに、1ヶ月ほど参考文献の購読からリサーチ、プロトタイピングを経て、展示まで行うという課題に取り組みました。
ここに展示されている作品は、かなり荒削りの状態ではありますが、それぞれにアクセス権という視点で、改めて表現やそれを支える仕組みなどについて考え、気づき、具現化することで、これからのデザインを考えるための種のような物を見つけました。ぜひ作品をご覧いただき、みなさんもアクセス権という視点からデザインについて考えて頂けると幸いです。

菅俊一(多摩美術大学統合デザイン学科准教授)

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