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さんぽ神のお告げのままにフラヌールしたはなし01【詩歌探偵フラヌール/さんぽ神】

詩心を持たぬ我らのフラヌールおさんぽ神のお告げのままに

きいろちゃんの短歌より

フラヌールしたいぼくたち

「詩歌探偵フラヌール」、最高でした!
メリとジュンの2人が、詩歌を巡って街を歩いたり電車に乗ったりして、わあわあしたり、きゃあきゃあしたり、詩を読んではえ~ってなったりわかんねえなってなったり、する話です!
「詩歌探偵」という、とっつきにくそうなタイトルは、手にとるのにハードルが高く感じますが、詩なんて読まない、教科書に載っていた作品くらいしか知らない!という私でもとっても楽しく読めました。ほんっっとオススメです!

でね、私、思ったんです。

フラヌールしたい!

って。
※「フラヌール」はベンヤミンのパサージュ論に出てくる言葉で「遊歩者」という意味だそうです。ベンヤミン?パサージュ論??……???「フラヌールする」という言い方はおかしいのでは?というのは本文中でもつっこまれてるので、だいじょうぶです。

でも詩心を持たぬ私としては、メリとジュンのようなフラヌールは出来ないなあ、と毎日うだうだ考えながら中央線沿線を歩いていたわけです。
そんなある日、こんな記事を読みました。

こ、こ、これだ~~~~~~~~!!!!!!!!
私は勢いの赴くままに友達に「さんぽ神しない?」と声をかけつつ、速やかにさんぽ神をポチッったのでした。

フラヌール、しちゃおう!

フラヌールしよう

そして、まだまだ寒い冬のある日、私たちは渋谷駅に集合したのでした。
東急プラザ渋谷の6階、パーラー大箸で少し早めのお昼ご飯を食べながら、さんぽ神を始めるための相談をしました。

パーラー大箸さんのお子様ランチエビフライトッピング

さんぽ神は、ドロッセルマイヤーさんが作っているアナログゲームです。冊子?の前半に「どこで」が書いてあり、後半に「何をする」が書いてあります。それをランダムで開くことで、さんぽ神が私たちに適当なさんぽのテーマを決めてくれるのです。

事前情報で、なんとなく「何駅先で」みたいなミッションが出ると知っていたので、適当な路線の一日乗車券を買うといいだろうな、と思っていました。
渋谷駅はJR、メトロ、東急東横線、そして京王井の頭線へと乗り換えられる、かなりのターミナル駅。行先選びたい放題!
どの路線もそれぞれ個性があって面白いですね。東横線は横浜へ、井の頭線は吉祥寺へ、メトロなら東京中行きたい放題です。

アレコレ話しながら、私たちはまず東急線の一日乗車券を買ってスタートすることに。のるるん様~。

そんな話をしていると、友人がやばいものを取り出してきたのです。

写ルンですだ!?!?!?!?
「さんぽをするなら、これでしょ」と買ってきたとのことです。
ひとつ、写ルンですを渡され、私たちは使い捨てカメラと共に愉快なフラヌールを開始することになったのです。

なにこの、エモい休日!

1st ミッション 古い記憶のある街

パーラー大箸さんを出て、渋谷駅で東急線の1日乗車券を購入した私たち。さっそくさんぽ神のお告げを聞きました。最初のお告げは……

「古い記憶のある街で普段は聞かない音楽を聴こう」

古い…記憶……?
2人とも地方出身の、東京ではない地方の大学で過ごした仲間。東京に、古い記憶は、ねえ!!!

と言ってもいられないので、とりあえず苦肉の策で私たちは渋谷から1駅、代官山駅へ向かいます。代官山は、なんか、行ってる!色々行ってる!はず!行けば思い出す!気がする!!!最近も展示見に行ったし。

ということで、あっというまに代官山駅。
あまりにもオシャレな街。
代官山って、なんか、ちょっと違いますよね。

とりあえず、何はともあれ「さんぽ」神なので、昔行ったカフェあたりを目的地とし、さんぽをはじめます。
途中、あまりに可愛いケーキ屋があったり、謎の豚まみれの服屋?があったりキャッキャしていると、ふと私に古い記憶が甦りました。

この道、たしか、何回も通ったな。

なんだっけ。
あ、あ、あ!!!

私は思い出した記憶を友人に告げ、道を進みます。

少し進むと、ガラス張りのウェルシアがありました。ここだ、ここです。

ここ!!
これは……!!!

なぞともカフェ代官山店跡地…!!!

いや、細かい話はしないんですが、思い出の場所です。今はもう存在しないなぞともカフェの、最初の最初の店舗……。
私は何度もここに通っていたのです……。

……。
いや、いいや、気を取り直してミッションです。
普段は聴かない音楽を聞こう、です。

とりあえず音楽を落ち着いて聴くために、近くの公園に移動します。普段は聴かない音楽って何でしょう?演歌、洋楽、うーん……まあそうと言えばそうだけど。
そんな話をしながら、なんかピンと来ていない私たち2人。

これは公園にいたセキレイ。かわいい。

そうこう話していると、ふと、私たち2人はあまりにも音楽の趣味が違うということに気付いたのです。
私のAmazonミュージックは無限に筋肉少女帯を流してくるし、彼女のSpotifyは無限にBTSを流してきます。

そうだ、iPhone交換して聴こう。

そして、1月の代官山の公園のベンチに座り、私は普段聴かないKーPOP、最新JPOPを聴きながら、友人は普段聴かないアニソンや古いV系を聴きながら、セキレイがひょこひょこ尾を上下させるのを眺めていました。

これが、おさんぽ神……!


これは長くなりそうなので、いったんここで切って続ます。

おまけ
フラヌールをしたかったので、いっしょにお散歩した友人に「詩歌探偵フラヌール」をまるごとプレゼントしました。文学部出身なのに詩に全く造形がない2人なのです。

友「きいろちゃん(仮名)って萩原の青猫とかすごく読んでそうだよね」
私「わかる。私って雰囲気あるよね!でも読んでなかった!フラヌールを読んでから読んだ、それでも大丈夫!」

ああ、詩心を持たぬ我らのフラヌールは続きます。

面白い本の購入費用になります。