決意と理念6

カネさんの講習が終わって、今後の展開を考えた。これから新しい業態としてコンセプト、チーム、売り物、そして売り方を決めていかなければいけない。コンセプトはすでに決まっているので一番重要なのはチーム作りだ。
まず、当時産休から復帰するタイミングだった
赤井に話を伝えた。赤井は私が現役の頃に入社した叩き上げの社員だ。これから外堀店を業態変更してデザインカラーを主力とするお店にしようと思う。このお店の責任者をしてくれないか?
赤井は二つ返事で快諾してくれた。次に、赤井のサポートをする主任を決めなければならない。
赤井と話して阿部が適任だと考えた。
阿部は当時入社4年美容師としてのキャリアは
まだまだこれからだったが、人の立場に立って考えることができるとても共感度の高い人物だ。
早速、阿部に協力を仰ぎ阿部も「やってみます!」と力強い言葉をもらった。
他のメンバーは、カネさんとのコンタクトをとったこうたろう、そして今年入社の新人のトアを任命した。結果的にこの選考はとてもバランスよく機能し、チームを力強く引っ張る赤井、気持ちのサポートをする阿部、技術思考のこうたろう、そしておしゃれで敏感な感性のトアがとてつもない結果をもたらすことになる。
業態としては、デザインカラーをメインにF1層(20〜34歳の女性)をターゲットとした。
F1層の女性がトレンドスタイルを買える価格に定めて、その他細かいオペレーションを決めた。その業態を明確にする為に店名を変え店舗内装をリニューアルしてオープンした。
新しい業態「リアルカラー」は2021年10月にオープンすることとなった。カネさんの講習から5ヶ月のスピードオープンである。
それまで月平均200万ほどの売り上げだったお店はオープン2月後の12月には600万を超える売り上げを叩き出した。その後も順調にお客様が増えて現在はスタッフ数10名、月間1000人ほどのお客様が利用する繁盛店となった。
リアルカラーに戦力を集中させる為に2店舗を閉店し、Mバーガーをさらに1店舗増やした。
そして遂に弊社はコロナ前の業績を超えた。
2020年のコロナショックによる大赤字からのV字回復である。
ここでやっと一息つけるようになった私は、
次のビジョンが頭に浮かんできていた。
今まで美容一筋できていた我が社だったが、コロナ禍において飲食店をオープンしたことによって、ある展望が朧げに見えてきていた。以前先生が言っていた言葉を思い出した。「これから美容室は地域のコミュニティーになる」言葉の真意は先生が亡くなっている為に確認することはできないが、自分の中に答えのようなものが見えてきた気がしていた。これからは美容室、飲食店などの単店ではなく、それらを含めて地域の人たちが集える会社が必要とされるのではないだろうか??そんな会社を作ってみたいし、これからの若い人達はこのような会社で働きたいと考えるのではないだろうか??
「よし!やろう!」次のビジョンが
決まった瞬間である。

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