決意と理念9

ビジョンが決まればあとは具体的な手段を決めて実行するのみだ。
今回のシェアサロン事業の資金調達は3分の1が自己資金、そして残り3分の2を事業再構築補助金で調達することに決めた。
当時第2回目の公募が始まったばかりだった。
試行錯誤して作った計画だったが、第2回目そして第4回目と共に不採択に終わった。
意気消沈してしまったが、気を取り直して本気で事業計画を作成するために石垣島のホテルに山籠することにした。
当時はコロナ全盛期で石垣島の人気リゾートホテルも人はまばらでゆっくりと過ごすことができた。数日間雨が続き3日目にしてようやく雨が上がった。ホテルの露天風呂で寛いでいると、隣に浸かってきた男性がいた。毎日1人で過ごしていたので人恋しさもあり「今日は晴れましたね」と男性に何気に話しかけていた。
挨拶程度話を続けると、その男性は高音さんと言い、大阪の鐵工所の経営者であり、私と同じく経営計画を作るために石垣島まで来てホテルで過ごしていたようだった。
しばらく話をした後、のぼせそうになったのでお先にお風呂を後にした。
その日の夕食の時間にホテルのレストランに行くと、高音さんも1人で夕食を食べていた。これも何かの縁と思い「先程はどうも」なんて言いながら一緒に食事を食べることになった。同じ経営者同士年代も近く、お酒も入れば話は当然盛り上がっていく。
高音さんは2代目さんで大阪で鉄板の曲げ加工を専門にする会社だった。
具体的には飛行機の動体部分、ダム、ロケット、新幹線など曲げの必要な部品の製品を手掛けている会社だった。まさに下町ロケットさながらである。話は私の事となり私がここにいるのは2回落ちた補助金に再チャレンジするために新しい事業計画を作るために留まっていることを伝えた。
「それは事業再構築補助金ですか??」
高音さんから質問があり「そうですよ!」
と私が答えると、高音さん「私はその補助金採択されましたよ。」と驚くことを言ってきた。「えっ??本当ですか??」高音さん「もちろん本当です。宜しかったら私の計画書をお見せしましょうか??」と言ってくれた。
引き寄せとはこのことだろうか?
後日、早速大阪にある高音さんの会社に向かった。
高音さんは周到に私を出迎えてくれた。そして、何と採択された事業計画をコピーしてくれた。会社に戻って内容を確認したところ、私の計画書との大きな違いは社会性だった。詳しく書けないが、とにかく日本の国益になるためにこの事業に取り組む必要があると納得させられる圧巻の内容である。読んでいるこちらも応援したくなるほどの熱量をその計画から感じた。
「私の計画に足りなかったことはこれだ!!」
ハッと気づいた。そこからは早かった。想いを伝えるために美容業界を良くする為の社会性、使命性を存分に伝える文章を作った。結果3回目にして見事に採択された。
まさに、高音さんとの出会いが引き寄せた勝利である。信じれば叶う!!心の中で叫んだ瞬間であった。



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