決意と理念7

新しい構想を実現するためにイメージしたことは、現在の美容業界の進む方向と我が社の状況だった。現在の美容業界はフリーランスという働き方が根付きつつある状況である。
フリーランスとは、特定の会社に所属せずに個人事業主として美容室と業務委託契約で働く人たちのことだ。
私が美容師になった頃の働き方は、美容学校卒業後に美容室に入店し、教育システムに沿って教育を受けてアシスタントからスタイリストとなり、
少しづつ指名を増やす。その後のキャリアは、店長などの管理職になる道、外部講習などの教育者としての道、そして独立開業するオーナー業があった。
それに比べて現在の美容師の働き方は
美容学校卒業後美容室入店、教育システムに沿ってアシスタントからスタイリストになる。ここまでは同じだか、ここから業務委託契約といって、一旦会社を退社して個人事業主となり、そのまま同じ組織に属する。もしくは業務委託契約専門の美容室に転職する。パターンがあり、次のステージとして業務委託契約で掴んだ指名客を持ってシェアサロン(面がし美容室)へと転職する。
この流れが主流になってきている。
理由としては、現在日本全国の美容室数は23万軒とコンビニエンスストアよりも多く、飽和状態であるため、最低でも500万円から1000万円を投資して作ったお店を維持していくにはなかなか難しい時代であることが要因としてある。
そしてもう一点が、やはり待遇面である。
美容師は教育産業であり、新卒者が売り上げを生むまでに早くとも2年ほどかかってしまうため、
その間の給与は他のスタイリストの売り上げから支払うこととなり、慢性的に生産性が上がりにくい構造がある。しかも、離職率は1年目で50%、3年後に70%、10年後にはなんと90%である。
つまり、10人いた美容師が10年後には1名になってしまうということである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?