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色について


どこにどういう色を置くかを考えるのは非常に難しい。


見たものの色をそのまま写すのはいいけれど、空想を描くとなれば自分で配色を考えなくてはならない。

色を考えるのは苦手。いつもワンパターンになってしまったり、塗ってからやっぱり違うなと洗ってやり直したり、潰したり、ボツにしたり。
途中途中でデジタルペイントのアプリを使って色のシミュレーションをしながら慎重に進める事も多い。(意外と文明の利器を活用している)

これも下地の段階で上からデジタルでシミュレーションしたもの(「pisces」2023)

好きな色は大体、空にある色。

日没後の段々と夜になっていく空の色が一番好き。

日本画の岩絵具で言うと
・紫雲末
・紫銀末
・銀灰末
・銀鼠
・青灰
このあたり。

特に紫雲末が一番好きで、これは天然の「ソーダライト」という石から作られる。
天然なのに安価で、しかも一番好きな色なので嬉しい。


...というのがちょっと前までの話。


最近、結構大きな変化があった。


「星の海」の挿絵を作るために鉛筆画を描いていたときに、妙にしっくり来てしまった。
モノクロが。

あれ。モノクロの方がなんか好きかも...

色は、「その色ですよ」と決定づけてしまう。
けれどもモノクロは、見る人の想像によってどんな色にもなれる。

そこに想像の余地がある心地良さを感じた。

色を使う時に感じていたモヤモヤしたものは、「決めつけてしまう」ことへの抵抗だったのか。

特に、夜の暗闇やそこに光る天体、光と影を表現するのにはモノクロはピッタリだと思った。

「星の海」より 「灯台の見張り番」挿絵

今後はモノクロも多く作っていきたいと思うようになった。

色を使う時も、それを活かして、もっと自分にとってしっくりくる色使いを見つけていきたい。

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