東京の歩き方

今日は、「東京の歩き方」について書きます。

大人気旅行ガイドブック『地球の歩き方』をもじり、東京についての菅なな子的おすすめ観光スポットや行くべきお店を紹介するnote…

ではありません。そんなわけありません。
私は物心ついてから今に至るまでずっと愛知県で暮らしてきました。ダンスの舞台や就活で東京に頻繁に訪れる時期もありましたが、田舎者故慣れない土地で失敗したくないのでいつもマックとかスタバとかに入っていた為「知る人ぞ知る」みたいなお店も観光スポットも知りません。

私が今日書きたいのは、本当に、物理的な意味での「東京の歩き方」です。

愛知県という丁度いい都会で育った私にとって、東京は歩き辛すぎます。
以前東京の友人に「東京って歩いてるとすんごい人にぶつかるよね」と言ったところ「え?そうか?」と言われました。東京あるあるだと思ってたけど違うようです。

そこで私は気づきました。悪いのは東京じゃなくて私だったんです。

実は東京人は高度なテクニックを駆使して歩いているのです。これは多分、東京人自身も意識していないものでしょう。東京の人にそれを言っても恐らくキョトンとされます。
鳥が飛ぶことを覚えるように、人間が母国語を自然と身につけるように、東京人は無意識に「東京の歩き方」を会得し体現しているのです。

それに比べて田舎では歩くスキルを全く必要とされません。
人の多さ故に街中での歩き方ひとつにもたくさんの不文法がある東京と違い、広大な敷地に少ない人間が生息する田舎は無秩序であり、無法地帯です。
そのふんだんなスペースを縦横無尽に使うことを許され、それでも人と人がぶつかることはめったにありません。

だから、田舎人が東京で歩こうと思えば、「東京の歩き方」すなわちウォーキングスキルを後天的に、意識的に会得する必要があるのです。

私が幾度となく東京で調査を行い、分析した結果、以下の3つのスキルを身につける必要があることがわかりました。順に説明していきますね。

①広い視野

東京で人にぶつかってしまう最大の理由に、大いなる人の流れを把握できていないから、ということがあります。

人の流れを見る為には、視野を広く持つことが必要不可欠です。近視眼的になって目の前ばかり見ていてはいけません。人間の目は120度を見渡すことができます。今自分が歩いている場所を、空間でとらえて人の流れを捉えましょう。川のように、流れているのがわかるはずです。

②表示を読む

広く視野を持つと言っても、はじめのうちはよくわからないと思います。そこで役に立つのが、駅構内などで天井に吊るされている案内表示です。
初めて訪れる場所ではあれを頼りに目的地まで向かうと思いますが、あそこには道順の案内だけではなく、どう歩けばいいのかを指示してくれていることもあります。

実際に私は、品川駅の広い通路で「ここの下はこっち方向に歩いてね」「この下は逆方向だよ」というように丁寧に指示してくれているのを見たことがあります。あまり規則や表示に囚われ過ぎてしまうのも考えものですが、指標として取り入れてみるといいと思います。

③対向者の目線を見る

上の二つでは、マクロ的な視野を持つことが大切だと書きましたが、実はミクロ的な視点、即ち大きな流れがそこに無い時に対向者をどう避けるかという問題も重要です。

対向者はモノではなく動くヒトなので、スムーズに移動するためには相手の軌道を読まなければなりません。そのために有効なのが、目線を見ることです。

相手の歩いてきた軌跡から進む方向を読むことも可能ですが、ヒトは時に予想外の動きをします。それを読むために「未来の軌跡」とも言える目線に着目しましょう。

以上の点に注意して歩けば、あなたはかならず東京砂漠で生き残ることができます。是非実践してみてください。

それでは皆さん。良いアバンチュールを。