Big Boss Man

【男性ブルースクラシックのカバーで魅せる、
        ココ・テイラーの女の強さ①】

ココ・テイラーが歌ったブルース・クラシックの中で、以下の2曲を挙げました。彼女の選んだ心理を想像して、その歩みを照らし合わせてみますね。

先ずはジミー・リードの1960年録音を歌った『Big Boss Man』
「私のビッグ・ボスは、朝から晩まで私を働かせっぱなし。少しの水が飲みたいだけなのに、そうもさせてくれない。偉ぶってるけどボス、あんたは別に大物ってわけじゃない。ただ単に背が大きいだけよ」
 メンフィス州テネシーの田舎で小作人だった父と母に生まれ、幼い頃から綿花畑で綿を摘み、家畜の世話をして育ち、18歳には結婚を機に北上し、シカゴで日雇い五ドルで白人邸の掃除婦として働いていたココ。奴隷制の歴史や日常に色濃く残る黒人差別が歌の背景にありますが、このカバーでは雇用主に向かって"一言物申すわよ!"的なスパッとした潔いココの歌い口が見事です。

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