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『In A Spirit Of KOKO TAYLOR』を終えて

7月15日、『In A Spirit Of KOKO TAYLOR』いわき公演が大盛況のうちに幕を閉じました。予想を上回る御来場を賜り、関東からも多く足を運んで下さり、改めて心より感謝申し上げます。内容は同じですが、東京といわきと冒頭の挨拶を変えておりました。東京では「上京活動20周年」、いわきでは「ブルースを歌い始めたあの時より30年」…そうです、今はなき、しゃくなげ会館で"ブルースバンド"でブルースを歌ってから30年が経過し、今回の形で、このメンバーでいわきで歌える事がどんなに嬉しかったことか…!精一杯やり切りました。

自分の中にずっとぼんやりとあったこの企画を今年に入り勇気を持って具現化出来たのは、今までのプロセスあってこそだと思いました。とにかく続ける事なのだとそう実感しました。「なぜKoko Taylor?ヒット曲も然程ないのに。どんな形でやれるの?」という疑問を持たれた方も多かったと思います。そう聞かれた時は、きっぱりと「ココの生き様と人柄を歌いたい」と言う事が出来ました。実際、両会場にいらした殆どの皆様は、その道の愛好家ではありません。ココの歌を知らなくとも、熱狂されて、ライブを大絶賛されて満足されて帰られました。人物のドキュメンタリー番組や伝記映画を見て、その人の人生を知った事で、今まで知らなかったその人物像や、文化や歴史に興味を持つ事は多いですよね。私は、自分の声でその人の歌を歌う事で、歌うドキュメンタリーとしてストーリーを綴りました。合間合間に簡潔な説明を挟み込む為、曲順も練りに練りました。そして何よりも、今回、生前のココと一緒に仕事をしていた菊田俊介さんの音とリアルなエピソードで、このライブはよりココのスピリットが息づくものとなりました。正に、In A Spirt Of KOKO TAYLORとなったのです。もちろん一曲一曲が、ライブの疾走感と熱さに溢れたものでなければならない。今回お互い初顔合わせのミュージシャン同士にも即、自然にソウルが繋がり、エネルギーで一体になりました。全員で指を指した先が同じ点だったから。両会場に来て下さったお客様が何よりそれを肌で感じて下さったと思います。世界レベルの空気感を漂わせながら心を広く開いて下さった菊田俊介さん、長い付き合いで更に信頼が増している中道勝彦さん、白根佳尚さん、今回初共演で私の歌詞にまでしっかり耳を傾けようとした大神田智彦さん。私はその場で称賛の言葉をかけるのが軽い感じがして、いつも言えないのですが、心から今回の素晴らしいメンバーに感謝致します。何よりも嬉しかったこと…Shunさん、白根君に「ちゃんと、ひろみちゃんの歌になっていたよ!」と言われた事。本当に本当に嬉しかったです。

玄人のため、興味がある方が分かれば良いとブルースを歌うことではなく、馴染みのない方にどう感じて頂けるかをいつも考えています。ココの言葉を借りれば、「Blues Is Healing」ーブルースは誰かの励ましとなり、勇気となり、癒しとなるのよ…私がブルースで出来る事はそういうことー今回、ココ・テイラーという女性歌手に取り組んで、私の中にしっかりと残った、植え付けた信念です。

私のここからの夢は、インターナショナル・ブルースシンガーです。この夢を持つ事で、次への活力が湧きます。私のライフ・ストーリーを面白くするのは、自分次第ですから。

2024.7.17 菅波ひろみ

Shunさん、いつか世界の舞台でご一緒して下さいね!

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