見出し画像

Pfizer/BioNTechのワクチンについての資料が公開

アドコムの資料が公開

昨日12/7からイギリスでPfizer/BioNTechのワクチンの投与が始まりましたが、本場アメリカFDAの諮問委員会で提供されるPfizer側、FDA側の資料が公開されました。

すでに色々なところで、FDAはEUA承認を決定するだろう、というニュースがありますが、1次情報を見るのが基本との姿勢に立ち返り、少し資料を振り返りたいと思います。

FDA側のまとめ

まずは、FDA側の資料です。53枚とかなりコンパクトな資料です。

有効性ですが、すべての患者さんで94.6%、16-55歳で95.0%、55歳以上で93.8%と年齢によらず一貫した有効性が示されています。そのほか、細かな年齢のサブ解析、性別、民族/人種等でも解析がされていますが、いずれも有効性が示されています。(アジア人はワクチン群で1例陽性、プラセボでは4例、有効性74.4%と低めですが、例数が少ないので仕方ないでしょう)

画像1

タイムラインを見てみると、最初のワクチン投与から2回目の投与までの3週間では有効性52.4%という数字です。投与直後では免疫ができていないことからまだ注意が必要ということですね。

画像2

有害事象としては、Pfizerの資料で振り返りますが、Phase3開始2カ月後までのデータとしては、免疫に関連する有害事象を見ることができますが、ワクチンのベネフィットが可能性のあるリスクを上回るだろう、と結論づけています。(the known and potential benefits of the Pfizer-BioNTech COVID-19 Vaccine outweigh its known and potential risks for use in individuals 16 years of age and older.)

Pfizer側のまとめ

こちらは92ページの資料でまとめられています。偏見ですが、ぼくは会社側のまとめが好きです。見た目もきれいな図でまとめられていますし、たくさんのデータを載せて説得しにいく感じですからね。

まず有効性のデータで、これは同じデータがFDA側からも提示されていますが、累計のCOVID-19陽性者数がプロットされています。

画像3


このデータの興味深いところは、ワクチン投与群は1回目の投与14日目あたりから、ほとんど陽性者が増えていないんですよね。これは、2回目を打って十分な免疫ができたというよりも、あくまでも全体とデータとしては、14日目ぐらいから十分な免疫ができたので、感染が防がれたという解釈もできるのではないかと思いました。でも、みなさん、日本で承認されたら2回必ず打ちましょうね。

では、有害事象を見てみましょう。はじめに16-55歳の集団です。重症度別に軽度(緑)、中等度(黄色)、重度(赤)、Grade4(紫)で記載があります。1回目、2回目投与がそれぞれ上段、下段ですが、疲労感(Fatigue)、頭痛(Headache)、筋肉痛(Muscle pain)、関節痛(Joint pain)そして、発熱(Fever)などが主ですね。2回目投与の方が発熱が多いことには注意が必要かもしれません。

画像4

55歳以上の集団ではいかがでしょうか。16-55歳の集団と比べてほとんど変わりませんね。高齢者の方がむしろやや有害事象のあった患者さんが少ない傾向ということで、今のところ安全に投与ができそうです。

画像5

まとめ

いかがでしたでしょうか。
Pfizer/BioNTechのワクチンはほぼEUA承認は間違いなしということが見えてきました。
今後は、この集団でのより長期な有効性(いつまで続くのか)と安全性について検討が必要になってくるかと思います。
ニュースでは、ワクチンができても打ちたくない人が多いなどという報道もありますが、適切にこのようなデータを伝えることで、多くの方がワクチン接種のベネフィット/リスクの判断ができると良いのではと個人的には思います。

それでは、今回の記事はここまでにしたいと思います。

本記事はすべて無料ですが、価値を感じていただけた際には、サポートいただけますと、次の記事を書くモチベーションになります。

それでは、また次回の記事に乞うご期待!

ここから先は

0字

¥ 100

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

もし、記事に価値を感じていただけた際には、サポートよろしくお願いします。