いま、『球体』独演に思うこと

こんにちは。
三浦大知『球体』独演を初視聴してから、もう2年。
この答えの提示されないストーリーに対して、私の感じ方も変化していった2年でした。
最初はこんなストーリーだと思っていたけど↓

いまの私が『球体』独演をどんなストーリーだと思っているのかも、書いておきたいと思います。

俯瞰してみる球体

この作品のストーリー、それは「遥か遠くから俯瞰してみた世界」を表現しているものなのではないか、と感じています。

私たちが存在するこの「丸い地球」において、人間たちが織りなす様々な営みを、遥か天高くから見たときに、どう見えるか。

地球上にある幾つもの営みをまとめて概念化し、それをまた逆に具体化して見せたのが、この『球体』独演というものなのではないでしょうか。

この地球の愛おしさ

要するに、いま一番感じているのは、この『球体』独演が表現しているのは、この「地球」という球体の、球体上で織りなす営みの、良いところ良くないところを全部ひっくるめた「愛おしさ」なのではないか、ということなんです。

最初私は、この物語は「1人の男」が、失った愛を求めて何度も輪廻転生し、その度にまた失い、再び愛を取り戻すため自ら命を手放す(転生へ)、そういった悲しい物語だと思っていました。

その解釈も私の大切なひとつの解釈ではありますが、今はどちらかというと、大きな視点で見た時に、ヒトという生き物が同じような苦しみ悲しみを繰り返しながら、なーんか変なことやってるなぁ、愛っていうものはそんなに何物にも代え難いものなんだなぁ、不思議な営みをしている変な生き物だねぇ、っていう視点が軸になっている気がしています。

そして、それを当事者(ヒト)である私は「愛しい」と感じる。
いま球体に対して思うのはそういう感想です。
愛しいって「いとしい」とも読むし、「かなしい」とも読むじゃないですか。
本当にかなしくて、いとしい営みだなと感じます。

超ミクロと超マクロ

これらは、やはり全編日本語の作品だからこそ得られる感慨であり、これを創ったnao'ymtさん、そして三浦大知チームは本当に凄まじいな、と思います。

『球体』は音楽なしには成り立たないものだと思いますが、この、自分の中で視点がものすごく個人的な世界から、ものすごい大きな世界に、「行ったり来たり」する感じが、音楽と合わさってふわふわぁと浮遊している。でも現実味が無いわけじゃなくて、自分の一部だとも思える、その感じが、もうすごくすごく好きです。

三浦大知さんはこの『球体』を"一生続いていくプロジェクトだと思っています"とおっしゃっていますし、私としては、その世界観に身を投じ自分の業と愛おしさに向き合う時間を、一生そばに置いておけるだろうことに、本当に感謝しています。