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さよーならまたいつか!

異動してもうすぐ半月が経とうとしている。通勤時間が3分だけ短くなって、ジャケットや名刺入れを買ってオフィスカジュアルを着るようになって、一年目に戻ったような生活にもようやく慣れてきた。

思い返すと、昨年度の下半期はだいぶ壊れていたと思う。やりたいことはたくさんあるのに相談に乗ってくれる人はおらず、ひとりで闘うしかなくて、業務量も方向性も知識と経験のない自分が決めねばならず、ヘロヘロなんてものではなかった。当時の私は、まだできる、私の頑張りが足りないからだ、私の腕があと4本あったら、と毎日考えていたのだけど、そんなものは到底できそうになかった。最後の最後までこれでいいのか、あと1、2年頑張ることもできたのではないかと葛藤していたけれど、その前に私のからだか心が壊れていたと確信できる。腕は2本で十分だ。

前部署にいる最後の日、お世話になった人たちに個別に挨拶をした。目をきちんと合わせると泣きそうになるから、鼻あたりを見てへらへらしながら話す。いつでも帰っておいでと管理職の何人かに言ってもらったけれど、きっと私は戻ったら戻ったでまた腕を6本にしようと頑張ってしまうんだろうなと思う。

異動して数週間、大したことができないからという理由もあるが、残業時間は前部署の1/3程度になった。他の一般社員も私の倍程度にも満たず、360協定におびえながら働くことはもうないのかもしれないと思う。朝に洗濯物を干す時間ができた。余裕があるときは少し読書や勉強をしてから出発することもできる。家に帰ってゆっくりと入浴することができる。それだけで幸せをかみしめていた。

ただ、3か月後に資格の試験が控えているのできちんと勉強はしないといけない。なるべく早く寝て早く起きて、終業後もどうにか勉強する習慣を身につけたいが、いまいち自分の生活リズムにあった勉強スタイルが確立できない。強制的に勉強するために、自習室の利用申請を行った。私は昔から、計画をきちんと立てて場所を用意しないと、がんばれない人だった。


異動する少し前に、彼氏ができた。実に3年ぶり。友達に会ったり連絡したりするときに、彼氏できて、と報告すると、ほとんどの人に「よかった!」と言われる。おめでとう、やどんな人?よりも先によかった!と言う人は、この3年の私をよく知っている人たちばかりだ。お騒がせしていた自覚はある。

オイオイ、と思うことはたくさんあるけれど、彼をひとことで表すと「ありがたい」人だ。私がどれだけ落ち込んでいても引っ張られることなく、フラットな考えを提示してくれる。私がいなくても生きていけそうな、けど一緒に楽しんでくれる、ちょっと変な人だ。資格受験を控えている私よりも勉強欲が高いので、最近は暗記に付き合ってもらっている。


彼を含め、というよりは彼と出会うよりもずっと前から私と仲良くしてくれた人たちに、本当に申し訳ないことをし続けた半年間だと思う。落ち込んでいるくせに、慰めてほしいくせに、もう少し休んだらとか頑張るのをやめたほうがいいと言われると「そんなことない」「私はもっと頑張りたい」という。ずっとピリピリイライラしていて、自分の思ったようにならないと涙が止まらなかった。12月~3月で、私は何度職場で泣いたんだろう。友達と話してリフレッシュしたいのに話すといじわるなことばかり言ってしまっていた。相当性格が悪くなっていたなと思う。

異動が決まったとき、異動したあと、折に触れて友達には報告していたのだけど、改めて友達に報告する場として書いた。多分あと3か月は勉強のことばかり考えているからそれはそれでつまらない人間になると思うのだけど、きっと仕事ももう少し忙しくなるんだろうけど、忙しくなくても元々ひねくれているけど、でも、あのころよりは性格もまるくなっているはず。夏以降はきっともっと落ち着いているから、暑くなって暑いのが終わったら、また会えたらいいな。

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