浅草ロック座 2023年7〜8月公演「PEACE LOVE ROCK」2nd season

1景は原美織さん。幕開きにふさわしい元気印……ではありますが、1景群舞は1stと同じくカッコいいもの。身体いっぱいのパワー、アクティブな感じは残っているけど、カッコよくも仕上がってます。決してかわいらしさが出ている訳ではないがブラックさというのかダークさはそこまで強くない。原さんらしさもちゃんと出ている景だった。
ベッドショーは羽のように光沢のある素材を合わせたコートのような上着がとてもきれいだ。下はエナメルのパンツと網タイツ。舌を出しながらパンツを脱いでいく美織さん……ベッドでは原さんらしいキュートさが出ていてカッコいいとカワイイの両立がかなっている。立ち上がり曲(あれア●中がテーマの曲ですよね?w)は歌詞的には堕ちていく感じの曲ですが、大サビの「最高ッ!」って歌詞も美織さんが舞いながら口ずさめば爽やかな「最高!」に。彼女の魅力がそうさせるのかも。
大サビ前のほぼ裸じゃん! ってところからあれだけ激しく動き回るのがまたすごい。ロコツに身体のしくみがわかってしまうようなドキドキ感があります。

2景は赤西涼さん。1stの鈴木ミントさんといい、キャリアを積んだ踊り子さんのシブさが光る景。赤西さんといえばなんといっても手先、足先まできちんと制御された美しさ、という感じだと思うのだが、今回は和服なだけに、袖から少しのぞく指先で見せる。しなやかさが武器(と勝手にこっちは思っている)の赤西さんにぴったりだ。センスさばきも完璧。
ベッドはオーソドックスに、群舞の打掛と同系統の赤い襦袢に赤い腰巻き。プレーンな演出のものほど演者自身に目がいく。今回の赤西さんも、身体だけをじっくり見ていてもいつまでも飽きることがない。少し恥じらうような伏し目ややさしい微笑みの表情もいい。ラストは歌詞どおりにバラを持って終わり。柳にはじまり、バラで終わる。なんかちょっと不思議にも思える演出が余韻をつくっているのも面白い。

3景はなるほど、そうきたか〜と。メインは須王愛さん。こういう須王さんはアリだ!
背が高くて、コステロ(かな? あの羽根飾りのやつ)を背負っても見映えバツグン。
それに浅草では前回が昨年秋の「夢幻」③景の夕顔のようなイメージどおりのおしとやかな景から、その前の21年「Re」②チョコレート擬人化の甘口キュートめ景のようなかわいさに振ったものまで、けっこう幅広いキャラを演じてくれるのがうれしい。今回は後者で、これまでにないひょうきん者な感じの須王さんが見られた。1stの宮野さんは結構しっかり黒いグラサンをしてた気がするのだけど、今回はグラデになっていてちょっと目もとを確認しやすくなってません? その通りなら細かな工夫なのかな。群舞バックのふたり(藤咲茉莉花さん、南まゆさん)は相変わらず無表情芸(?)で、そのまま踊っているだけで面白い。
須王さんのベッド着はオープンカップの紐っぽいブラに超ホットパンツで、恵まれた身体をめいっぱいエロく見せてくれる。衣装を光らせた瞬間に一瞬、須王さんが目を思い切り見開いて前を向いたのが印象的だった。気合い入れたのかな。”何かを客席に伝えようとする瞬間”を見ることができた。
1stではシュールさが先に来た(初見だったし……)のだけど、今回は須王さんがとてもクールでもあって、演目全体の雰囲気と調和しているようで、見やすかった。

4景は沙羅さん。3rdの予告にも出ていたので、60日連投ですか。本当にすごい。なにとぞお身体にはお気をつけて。
全体通してカッコいい沙羅さんのイメージの景で、群舞の振り付けはやや激しめ。カッコいい演目とは言いつつ、客席のほうを向くときの沙羅さんはいつも少し笑みを浮かべている。それも優しいやつではなく、誘うというか……試す(?)というのか。それがSっ気があるように見せている要因なのだろうか。
ベッド着は群舞の黒とは対照的な白ドレス。今度は静かな中に激しさを秘めた感じ。いちどフードを被ったなかでベッド着を脱いでいくのがミステリアス。もちろん立ち上がり曲でフードを脱いで、再びポーズを切っていきます。
なんだかやっぱり今回の景全体に漂う余裕と偉大さ。身体は華奢なのに、神々しい景に出てくる沙羅さんはなぜ毎度あんなにも威厳があるのだろう。

踊り子全員集合の5景は前回同様、浅草爆走族#2。バックのメンバーはメンバーカラーのメッシュを髪に入れているっぽい。ちょっとワルみが増してる。茉莉花さんはきっと怒らせたらいちばんコワい裏番長だと思う。須王さんは3景でのハネっぷりから一転というのか、族の中ではおしとやかキャラになっていました。そんなところもいい。原美織さんは相変わらず族の中でも元気印っぽい。ケンカでは前線に立つ(そしてちょっぴり無茶する)タイプか。沙羅さんは前回爆走族も含めていちばん”族歴”が長いはず。もはやいると安心すら覚える。赤西さんはこの雰囲気を容易に想像できるし、ちゃんと似合っている。エロ絵師が描いたやつのリツイートが回ってくるヤンキーお色気お姉さんのイラストじゃないか! 「行くぜ!」と威勢よくバイクで飛び出してくる南まゆさんがいちばんしっかり者だったりして。
そしてメインの鈴香音色さんですよ。その辺の黒ギャルとは年季も纏ったオーラも違う。皆さん言っているようですが完全に『egg』なんですよ。そんなほぼエグモのガチギャルピが見られるなんて。スタジャン姿で勢いよくポーズ切る瞬間が見られるなんて。最高だ。立ち上がり曲で鬼アゲ間違いなし。

前回に続いて今回も衝撃の6景。メインは藤咲茉莉花さんで、群舞は沙羅さんとのコンビダンス。茉莉花さんすごい! 見事にエロオヤジになってる! 1stで矢沢ようこさんが私に軽い共感性羞恥を感じさせるほどドギツいエロ親父だったのに対し、2ndの茉莉花さんはちょっとドギツさが減り、振り付けも少し洗練されたような気がします。ちょっとマイルドな演出になったからか、沙羅さんとのコンビダンス、いやコンビプレイ、正直捗る……。
茉莉花さんのベッド着はカルバンクライン。ここも少しアクが抜けて正視しやすくなったかも。メガネを舐めたりする仕草は男女問わず普遍的なエロスだ。
不思議なもので、マイルドだからこそ心から楽しめる。このくらい男性性そのものと距離をとっているからこそキャーキャー黄色い声を出していられるんだよな。人間ってムズカしいね。

7景は天守物語がモチーフだったのですね。本舞台後方は橋の欄干だと思っていたのですが、城の天守だったということか。群舞ではその欄干の前後に加えて前盆までの花道も使った奥行きのある動きで面白かった。メインは南まゆさんで、バックにダンサー陣と鈴香さん、赤西さん、原さんがそれぞれ異形の者たちとして妖しく脇を固める。
南さんのベッド着は細かくラメの入ったもので、着替え後の登場時にうしろからライトで照らされての登場シーンがとてもきれい。南さん、身体こそ大きくないけれど、胸から背中、腰、そしてお尻でいくつもの曲線を作りだすのがとても美しい。今回もベッド着をひらりとはだけさせて見せるお尻のまん丸がエロい。ポーズ切りでは伸びやかな動きが多いし、曲線的なものと直線的なものとのコントラストが楽しめる。

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