浅草ロック座 2023年4月公演「ADVENTURES 1st season」
今回も公式ツイートで各景ネタのヒントが出ていますね。
ということで上記に即して考えた感想を。
1景は花井しおりさん。「アマゾンの奥地へと向かった……」って川■浩探検隊を意識しているのかどうかは知りませんが、カラフルな探検隊が活躍する演目。地図を入れているのがよく学会発表とかで使う図面ケースでかわいい。群舞はワクワク感があっていいですね。ワニに尻を噛まれる百瀬さん、花井隊長の過剰なワニ退治、そして橋下さんが百瀬さんのお尻に薬を塗ってあげるひとコマなど、ちょこちょこ出てくる小ネタも微笑ましい。
花井さんはベッド着になると急に現代的でさらにアクティブな姿に。去年の「夢幻」②景の現代翻案された若紫の姿を思い出した。こういうスポーティなベッド着や演目、何となく見覚えがあるような。今年の新春公演「跳!」③のマ●オとかが近いかな。リズム感抜群かつしなやかで、バリエーションも豊富なポーズ切りに、じわじわと引き込まれる演目です。
2景は浅草のチャン・ツィイーこと(?)沙羅さんがついにチャン・ツィイーの役を演じたという訳ですね。群舞の百瀬さんと須王さん、パッと見アオザイを着ているように見えて、一瞬東南アジアが題材かと思ったのですが、まぎれもなく中国。沙羅さんは袖の長〜い衣装を綺麗にひらひらさせていて美しい。群舞後半は剣舞も見せていてこちらもテクい。
ベッドショーに向かう途中、観客にもわかるように盲目の役を演じるのですが、ここのマイムがめちゃくちゃうまい。目の見えない人の視線の送りかたや、足場の確かめかたにリアリティを感じました。ベッドショーでもこの設定が生きていて、自分の身体を丁寧に触れて確かめる仕草が印象的だったと思います。
3景は藤川菜緒さん。くっきりしたアイメイクに真っ赤な唇。テーマどおりフランス人っぽさを感じるお顔に大変身。
ちゃめっ気あるヒゲをつけた小宮山せりなさんとの群舞は風船を使った演出がいい。とくに暗転→明けのシーンはオチもついててとくに好きでした。群舞後半の看板をひっくり返したところでネタばらし。前半は某コメディ映画をモチーフにしていたんですね。
ベッドショーでは白を基調に、ポイントポイントにトリコロールをあしらった衣装がかわいい。CAさんのユニフォームみたい。手袋と服と靴で3色になるのね。さすが藤川さん、ダンスやポーズ切りは安定のハイパフォーマンス。顔いっぱいに出た笑顔がくっきりしたメイクにとっても合っている。見ていてパァーっと明るくなれる、元気をもらえる景でした。
4景は橋下まこさん。鉄格子っぽい大きめの舞台装置が登場。1曲目からなんて中東っぽい曲なの……と思っていたら曲じたいは有名なかたが歌っているのでした(コーラスはイエメンの人なので、中東を感じたのは合ってる)。この曲をライブツアーで披露しているバージョンの舞台美術が似た感じ。あとは橋下さんのツイートによれば、旧約聖書のエピソードが下敷きなのだとか。と言いつつ、エキゾチックに振りすぎず現代的な雰囲気の振りにもなっていて、激しくて必死でカッコいいダンスに仕上がってました。
ソロパートは……魔法少女的なステッキ? が小道具。これも聖書の記述に合わせたものらしい。群舞が動とすれば、ベッドショーは静。さらに言えば、群舞の激しい動きの中にも動と静の緩急がついていて、コマ送りやスローモーションのような効果を人力で作り出していて、そこにまこさんの上手さがあるのかなと思いました。あと2021年「PEARL」④のルパンのときも思ったのだけど、パントマイムの技術が高いなーと感じます。物をつかんで引き上げる動作とか、手がブレずあたかも重みのあるものを持っているように見える。動きが美しいんですよね。
5景はネオ・アサクサ。メインは小宮山せりなさん。硬軟さまざまな役を演じ分けられる踊り子さんですが、今回もめちゃくちゃカッコいい。舞台美術としてはおもちゃのバイクだし、沙羅さん藤川さん須王さん花井さんが加わっての群舞は右手でスロットルを回す”ブンブン”的なかわいい振りも多い。だけどバック4人も小宮山さんもカッコよく演じきっていて、決まってるのはさすがだ。
メインが小宮山さんなので、ソロパートはエアリアルショーでした。曲の雰囲気とエアリアルのスピード感が合ってて最高。小宮山さんのベッド着のショッキングな赤や刺すような照明の光もエキサイティングですよね。テンポがよくて手拍子を合わせやすいし、間奏で手拍子が高まったあと、曲の大サビに合わせてリングを振って水平方向にも動きをつけたところがさらに高まる。
自分のなかで、長く浅草のエアリアルといえば武藤つぐみさんが最初に思いつく存在だったのだが、最近はソロ景や静かな演目、難しい踊りの景に起用されることも多くなってきたのかなと思っていて、そこでエアリアルを任せられる存在が小宮山さんなのではないか。ベッドショーがストリップのメインストリームだとしても、エアリアルだって無くてはならないもの。小宮山さんにはこれからも浅草の広い舞台で飛び回ってほしい。
6景は須王愛さんメインで、前半は沙羅さんとふたりのコンビダンスです。一瞬私の実家のある北のほうの話を思い浮かべたのですが、どうやら舞台はアイルランドのようです。前半は革っぽい素材のジレ? 的なやつにパンツを合わせている。ピタッとした革素材ってライトが当たるとボディラインがくっきり出てとってもエッチじゃないですか……。
須王さんのベッドショーはケモミミにロングヘア、毛皮小物をちょこちょこ身につけながらもほぼ全裸という……なんかこう、エロ絵の王道みたいな衣装だ。長い前髪の間からのぞくイノセントな須王さんの特徴的な表情が今回の景にとても合っていて、本当の小動物を思わせる部分がいっぱいあります。身体の使いかたにも動物の俊敏さを感じる瞬間があったし、かと思うと罠を取り払って伸びをする様子を見せたり。なんだかとっても須王さんに合った演目だと感じました。
7景は浅草でデビュー週の百瀬りこさん。ド●クエですか。中学の頃に友達の家で5を触らせてもらったっきりかも。11はキャラと職業の紐付きが固定なんですね。百瀬さんは当然主人公キャラだったのだと思うのだけど、小宮山さん橋下さん藤川さん花井さんのキャラクタもそれぞれ特徴的で楽しい。橋下さんのワイルドな武闘家キャラ、リーチ長くて強そう。藤川さんは職業……じゃなくてス●イムで登場。こういうかわいい藤川さんも見ておきたかったトコなんですよ。浅草ロック座、わかっている。百瀬さんの群舞はバックのメンバーと同じように踊れている印象でした。公演期間後半に見たのもあるかもですが、大勢の客前に出ることへの強い緊張は表には出ていなかったのですごい。
ベッドショーでは各動作に合わせて客席をきちっと見る、なんというか、律儀さが感じられる踊り子さんだと思いました。初めてのストリップだから、おそらくこちらの反応をドキドキしながらうかがっているのでは、とも感じました。最初からこちらの様子をうかがえる余裕があるのであれば、踊り子さんとしてはすごいんじゃないだろうか。安心して踊ってもらえるように、こちらも温かい視線を送って応援してあげたくなる、そんな踊り子さんでした。
ところで、ロビーに「もう一度見たいあのステージ リクエスト大募集」と書かれたアンケート用紙があるのは、おそらくここを見ているかたならすでにご存知でしょうか。2012年1月以降(前回公演まで)の演目のなかで、もう一度見たいステージを募集しているようです。6/11〜30公演はこの募集に基づいた人気演目だけで1公演するとのこと(ということは次々回5/21〜6/10はADVENTURESの3rdでしょうか)。
インスタ、メール(ツイッター参照)でも投票可能とのこと。キャストは引退した人もいるでしょうし新キャストで、また多数決とは書いていないので単純に人気ランキング上位が採用というわけでもなさそうかな? アンケには名前/ハンドルネーム欄があるのは、何か特別な理由があったりするのでしょうか。
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