浅草ロック座 2023年1月公演「跳!」

「跳!」……「ちょう!」と読むみたいですね。

テーマは少し前にすでに大本営発表があったので、

ツイを横目で見ながら、「イメージに合いそうだな」「コレは連想できない……」とか妄想しながら劇場に行く日を待っておりました。

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白鳥すわんさん、花井しずくさん、永澤ゆきのさんの三番叟で開幕。
1景は白鳥すわんさんメインで、鴉がモチーフ。
”跳ぶ”ってか”飛ぶ”じゃね? という疑問はさておき、個人的には21年「秘すれば花」②景でダークな色合いの演目として扱われていた「鵺」がよぎったんですよね。鵺はひたすら暗い、余韻まで暗い(しかしアレがすごいよかった)演目でしたけど、鴉はパワーあふれる明るい演目でした。すわんさんは浅草2回目とキャリアこそ浅いですが、踊りはめちゃくちゃいいですね。開脚も高くてキレイだし、身体が柔らかいんでしょうね、動きが滑らか。こういう陽気なノリも合う踊り子さんです。

2景はシャボンの泡のような球がいくつも浮かんだようなセットが印象的。ライトの光を受けて七色に輝くのが鉱物みたいでキレイ。メインは沙羅さん。群舞では花井しずくさんとのコンビダンスです。たぶん花井さんの持っていた小道具(羽団扇みたいなやつ?)からシャボン玉を出したシーンがあったと思うのですが。
(消去法的推理で)神モチーフということだそうですが、やや抽象的なのかな。まあ確かに沙羅さんの純白衣装をはじめセットといいライトといい、神々しいことこの上ない演出ではある。ベッド着の腰巻も沙羅さん出演景では頻繁に見る印象だけど、改めて見ると神秘的って感じもする。しかし、”跳”からのどういう連想なのだろう……解読できなかった。気になる。

3景は新春女子会@花井邸。メインの花井しずくさんの家に、白鳥さん永澤さんが遊びに来た設定。今回公演はこの3人=カミセン(5景参照)組キャスティングが多いですね。3人のゲームの時間、持ち出してきたのはスーファミですが、画面に出てきたのは「Superstar Saga=マリルイRPG」(GBA)というのはニンテンドーマニアとしてはツッコんでおきたい。
それはともかく、個人的嗜好も込みで今回はこの景にいちばんグッと来たかも。なんてったって楽しい! 華やか! 3人の魅力がすごく出ている気がする! 永澤マリオ、白鳥ルイージ、花井ピーチの飛んで跳ねて潜って回って、客席通路も使っての大立ち回り、いい! まさに「並のプレイじゃびくともしない」だ。

並のプレイじゃびくともしない



ベッドショーでは花井さんがピーチからエロマリオ(≠エロ親父。エロい服装のマリオのこと)に変身。エナメル地っぽいベストとホットパンツ、マリオ感を上手に残して露出も多くなっている。客席とのコンタクトの取り方がすごいぞ花井さん。客をオトしにかかっている。動きも激しくてアクロバティック要素もある。スマブラで3Dスティックバチバチ弾いてたあの頃を思い出す。

4景は原美織さん。おお、人形浄瑠璃の世界だ。客に顔を見せている間は絶対に瞬きしない原さんのプロ根性。完全に人形になりきっている。人形遣い役の南まゆさんのキリッとした雰囲気(目もとのメイクが普段と違うのかな)がすごく似合っていることにも改めて気づく。黒紋付がとても似合う。
人形に魂が入って、人形遣いの手から離れて自律した瞬間(=跳ぶ、ということだと解釈した)の関係性の逆転がなんと言っても見どころだと思う。人形遣い→人形、という能動→受動の関係だったのが、人形に命が吹き込まれて能動的になった途端に人形遣いのほうが反発してしまうというか、戸惑っているのか、人形の思いに応えられなくなる。短いながらも充実したドラマだ。
アイドル歌謡を使った選曲も、サビの歌詞と状況がうまくシンクロしていて気持ちが乗ってよかった。

幕間映像は「長屋の花見」。今回は踊り子衆の再現映像だけではわかりづらい事物にインサート画像が入っていて昨年から改善が図られてました。まさか幕間映像にアプデが……芸が細かい。

5景! 浅草ファンがいちばん盛り上がってるのはおそらくこの景なんでしょう。跳→バレーボール→V6という連想で完成したのが”V6が3vs3に別れてバレーをする”というモチーフなのですね。去年の「夢幻」⑤(光●ENJIモチーフの景)に味を占めたが楽しくておかわりシチュエーションを作った感じも……いや、楽しいからいいんですよ?
鈴木さん原さん南さんがトニセン、白鳥さん花井さん永澤さんがカミセン、沙羅さんは……あのいで立ちはジャニーさんなのでしょうか。群舞は6人で正調のV6を踊って、その後バレー対決。ベッドショー前からはトニセン3人が少年隊に役を変え、やがてメインの鈴木ミントさんのソロへ。ミントさんの立ち上がり曲も少年隊ではあるのですが、個人的にはベッドショーでのミントさんは、ジャニーズの誰かというより、”アイドルそのもの“とか、”アイドルの概念”的な存在を体現していたのかなと思って見ていました。
SNSのオフショットでもカミセンが仲のよさを前面に出していたり、バレーの勝敗を決めておく対決企画で盛り上がっていたり、なにより踊り子さんが楽しそうなところが感じられていい。

6景は永澤ゆきのさん仇討ちする剣士の物語。刀剣●舞に詳しくないのでよくわからないが、若干とうらぶへの連想もあるのか。日本刀と短刀を帯びての登場で、アクションももちろんあったのですが、剣を持った身のこなしもスピード感があってカッコよかったです。群舞でも、ベッドショーでも、亡き相手を思う表情に永澤さんの真摯さが出ていていいなと思いました。
ベッドショーでは前のお盆でのポーズ切りもいいのですが、迎えに来た移動盆に乗ってからの立ちポーズに何より迫力を感じました。脚やお腹まわり、肩まわりなどの程よく鍛えられた肉付きが美しい。

7景はエロエロ小悪魔系和装バニー。”跳”のテーマ的にも、干支モチーフ演目としても、こういうストレートな演目もひとつくらいあって欲しい。鈴木ミントさんがブルー、沙羅さんがピンクのバニーで、メインの南まゆさんが赤基調に白のアクセントが入ったバニーでおめでたエロい
しかしベッド着はもっとエロい。最初は白基調で赤がちらちら見える群舞のときとは反対のスタイルで、白の衣装を脱いでいくとビジューや下着の赤があらわになる。
今年の新春公演は場内の入りがとてもいいとツイートなどでも見ていたのですが、まゆさんが場内の手拍子に合わせてノっていく感じが微笑ましく、本当に楽しそうに踊っているのがよかった。

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