賑々しく、騒々しく 浅草ロック座2020新春公演「騒 Roaring」

・入ると早々に振る舞い酒のおもてなしが。こりゃおめでたいと一杯いただくことに。サーバーの中身が少なくて、「コレ残ってるかな……」とぐいっと傾けるとドバァっと小サイズ紙コップナミナミに日本酒が。紙コップを中に持ち込むのもどうかとしばし逡巡し、三口半で飲み干す。

●口上・三番叟
・ずらりと踊り子さんが並んでの新春のご挨拶。そこから三番叟。
・渋谷道頓堀さんの三番叟も観たかったのだけど、朝が弱い自分には難しいのでした……また来年。
・それはそうと、とにかくこれでお正月成分を補給。めでたい。

●1景 橋下まこ
・顔いっぱいの笑み、きっと自然に出てくるんだと思います。昨夏の横浜で観たときもまこさんはニッコニコでした。お人柄が出るのでしょう。なかなか自分の中での理想型にはたどり着いていないらしいのですが、正直、十分に心を打つ演目だと思います。
・ベッドショー時の「腰くねくね」が色っぽくてたまらない。あとニコニコしながら誘惑してくる視線がエロい。結構前のほうで観た回があったのですが、こっちが照れてしまう……。
・演目は「初をどり」とのことで、新年初回の1景にふさわしい、踊り子全員参加の賑々しい演目。ソロパートは和装+和楽器を使ったアップテンポの曲でなんというか、テクノゲイシャ感(?)がある。もう、正月休みの訪日外国人はコレを見たらいいんじゃないか。ゲイシャテンプラフジヤマ的な「見たかったニホン」って意外とこういうことな気がする。マナーを守ってどうぞ劇場へ。

●2景 武藤つぐみ
・エアリアル狂いの自分としては、本公演中イチオシの演目。序盤のコミカル殺陣ダンスは最高。鼠小僧つぐみvs瞳さん演じる同心たち一団との丁々発止のやりとり。ムードをいっそう引き立てる曲。
・とあるギミックを使ったエアリアルも、空中での工夫も上手い。(どうしてエアリアルを演じる踊り子さんはあんなに美しいんだろう。片手を広げながらくるくると回る姿は空飛ぶホウキに乗った魔女にも似ている。輪っかの中で身体を丸める姿は三日月に腰かけているように見える。)浅草のステージはタッパがあるから、エアリアルの見映えも格別です。
・そしてそして武藤さん、観るたびに筋肉が増えてる気がするし観るたびにカッコ良さが増してる。

●3景:西園寺瞳
・お茶屋の看板娘というぴったりの役。明るめの色みにポップな模様のお着物。もうこの役は瞳さんしかいません。とにかくかわいい。かわいい。
・あまり個人ではやらない雰囲気の演目のようですが、浅草ではこういう儚げで可憐な演目が多いような。


●4景:沙羅
・沙羅さんから漂うのは並々ならぬ神聖さ。キレイ系の雰囲気ではあるものの、邪気の無さを感じるんですよね。どう生きていたら出るんでしょうか。ちょっと分けてほしい。
・ヒュゥゥゥという寒そうな風の音、白くて長いつけ爪、ミラーボールくるくる演出……まさかの雪女(=百物語,2019)再来かと思いました。

●5景:みおり舞
・あんまり正月って感じではなさそうな演目ではあるが、「騒〜Roaring」というタイトルにはいちばん合っている。とにかく踊りが激しい。さすがはバレエダンサー。ダンスのキレはメンバー中ピカイチだと思います。
・本人いわく、ダンスは音の鳴るままに(振りをしっかりとは決めずに)踊っているとのこと。それでいて凄まじいクオリティなので、ぜひ一回は観て欲しい。感情を全部ダンスにして表出できる才能を感じてほしい。

●6景:須王愛
・完全ソロ演目。和装(それもちょっと特別な和装なのですが……)ゆえに、着ているものを脱いでいくだけでも十分ストリップの演目として成り立っていくんだなと新鮮な感覚だった。
・須王さんのみメンバー中唯一の初見だったのですが、身長が高くて身体もキレイ、肩まわりの筋肉がしっかりしていて、見映えのする踊り子さんだと思いました。

●7景:南まゆ
・矢絣柄のお着物、そしてベッド着にも矢絣柄がアクセントとして入っているのがかわいい。演目は活発な子を演じつつベッドではしっとりしていて硬軟こなす安定感。やはりまゆさんがトリだと締まるなあという印象。
・そして男装する沙羅さん(似合い過ぎてヤバいです)との名コンビ(=百物語の「ゴースト」景)の再現にめちゃんこ興奮しました。最高だ……。
・フィナーレではMCつぐみさんの「みおりー舞っ!」の演者紹介アナウンスがかわいかったです。舞さんとの息ピッタリのコンビネーションに注目です。

 以上です(敬称略)。新春で浮かれて長くなってしまいました。もう一度絶対観に行こうと思ってます。

※話を面白くしようとするあまり盛ってしまった表現があります。ストリップは法律を遵守する風俗です

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