浅草ロック座2020 7・8月公演 「PEACE LOVE ROCK Vol.1」が、きっとおまえをRockする

 タイトルは「We Will Rock You」的なテンションでつけた。Google翻訳っぽさが出ている。深い意味はない。

 ここのところはポラ館でも浅草でも、休日や晩に仕事を済ませて、混雑を避けて平日の昼に観に行くことが多い。場内いっぱいの拍手が聞けないのは少し惜しいが、人のいない劇場は何より気楽だし、それはそれで面白いものだ。サンキューテレワーク。去年の今頃、浅草ロック座は「百物語」をやっていた。あれからもう一年たったというのは驚きだが、まあそんなことはどうでもいい。こんな夏でも浅草に行けばきちんと興行が行われている。
 「PEACE LOVE ROCK」、aikoのライブのタイトルとよく間違えそうになるが、これから3公演連続でこの「PEACE LOVE ROCK」公演が続く。しめて2ヶ月。どういう趣向になるのだろうか。

 Vol.1はヴィジュアル系の演目で始まる。洋楽を使っているが、雰囲気は80〜90年代のV系バンドっぽいような気がするし、1曲目のバンドの雰囲気もこんな感じなので、その辺をモチーフにしているのかも。メイン演者は大見はるかさん。ツインテールのロリ感ある雰囲気にもともとのロリータフェイスとヴィジュアル系の異形の者っぽい感じのギャップがよかった。
 2景は須王愛さんで日本語ロックの演目。道具や衣装がいろいろ出てくる演出で、今回の公演中いちばん挑戦的な演目という気がした。振り付けもコンテンポラリー みたいな感じ。使用曲が有名で、須王さんがそれに合わせていかにもエモく踊っているのがハイライトだった。
 3景は星崎琴音さん。コレは個人的に一番アガった瞬間なのだが、グループダンス時の革っぽいマントとベッド時のストール(でいいのか、肩掛け的なやつ)、どっちも光が当たった時の質感が超エロい。衣装と肌の照り返しかたの違いみたいなことに気づくともうメチャクチャエロい。わかり始めたマイレボリューション状態。あとポーズ切る前後の動作がカッコいい。でもそんなカッコいい身体からすらっと伸びた手が小さかったりして、かわいい。そのギャップ。
 4景はおなじみ沙羅さん。音楽は和モノっぽい洋モノ。演歌ロック的なやつ。それに和装。3月の「Muse」のときのようなシンプルな洋装もいいけど、日本髪に和装も似合う。落ち着いた雰囲気や目線の動かし方のしっとり感がいつもながら美しい。浅草3連投ということで、このあと2公演はどうなるのか楽しみ。浅草で3連投、ポラ館換算で6連投はすごい。衣笠かよ。

 中休憩はこの公演から20分に伸びた……らしいが、実際そんなに長かったっけ、という感じ。5景は休憩に入れてないんですよね? 普段のように今後の公演の演者紹介と、今回は流行りのテレビドラマオマージュの映像だった。高崎さんの怪演が光る。

 6景は高崎美佳さん。この景のグループダンスは個人的に一番好き。踊り子総出演で、普通の人が普通に着ていれば激ダサな服装で同じ振り付けを踊る。服装にも振り付けにも、細かくそれぞれの違いが出るのが面白い。あの服装が全員サマになっているのは、さすが踊り子だと思う。演目も、ともすればダサかったりしらけたりしそうなところを、ちゃんと形にしているのはロック座の演出と踊り子さんの魅力のなせる技。あと何より高崎さんのクールで綺麗な顔面。人生に「つよくてニューゲーム」があったら高崎さんで生まれてくることに決めている。
 7景はリングもシルクも楽しめる、おトクなエアリアル演目。宙を舞う武藤つぐみさんと高いところから当たる光の美しさ。地面と垂直に吊られたシルクとそれに絡まるつぐみさんが形づくる幾何学模様の影。今年の浅草でのつぐみさんは神がかっている。あの小さな身体すべてを使ってシルクを絡めたり輪にぶら下がったりすることに感動を覚える。
 8景は南まゆさんで和装。南さん、ベッドショーに入ったときの表情がめちゃくちゃいい。あんなに淫らに楽しそうに服を脱いだり身体を触ったりする人をあなたは見たことがあるだろうか。自分はない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?