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生まれ変わるなら

この字面を見て「私は貝になりたい」が頭に浮かんだ。
同名の映画を視聴したことはないのでストーリーはしらないが、兎にも角にも浮かんだのは「私は貝になりたい」だった。

私自身は貝になりたいわけではないのに、だ。

とはいえ、せっかく浮かんだ考えを捨てるのもアレなので、少し考えてみることにする。

逆に考えてみる

貝は私になりたいだろうか?
いや、おそらく貝は貝のままがいいだろう。

まずひとつ目に、
私になってしまったら、水の中で息ができなくなる。
もちろん陸上で生きている貝もいるが、基本水の中のイメージだ。
だからこれは貝にとってはつらいことになるだろう。

次に、
私になってしまったら、動かなくてはいけなくなる。
貝はほぼその場にいて、砂にもぐったり、なにかを食べたりするそうだが、
私は、砂に潜ることやなにかを食べることはできても、その場に留まることはできない。

これはなにもメンタル的なことだけではない。
物理的にその場を動かずに生きようと思ったらば、それはもう一般社会で何かしらの活動をしているものにとっては中々に難しいことだろう。
殻にこもるには、いささかばかり歳を重ねすぎた。貝だけに。

最後に、
私になってしまったら、おいしくはなくなる。
アミノ酸よりも多く脂肪と水分を含んでいる私はそんなにおいしくないはずだ。すると、人に食べられなくなる。

あれ?ではいいのだろうか?
いや貝は貝とて、きっと採られた後は美味しく食べていただきたいだろう。

以上のようなことを考えてみたが、これはあくまで人間である「私」の視点から一方的に考えた結果だ。
実際に貝は「貝である生活」以外を知らないから、私になりたいともなりたくないとも考えていないだろう。
貝は貝のまま以外の選択肢を持ち得ないはずだ。

そしてふたたび主題に戻る

生まれ変わるなら?

私は今の私のままでいい。特に生まれ変わるならと想像することもない。
なぜならば今の生活以外を知らないからだ。

もちろん貝にもなりたくはない。

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