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ウニ師匠

私も含めた多くの人々がコロナに対してそんなに恐怖感がなかった3月のはじめ、お客さんとお昼にお寿司を食べながらミーティングしたときのおはなし。(※注:奢っていただいたことは本編とは関係ないため省きます。)

その方とは久しぶりのランチミーティングだったので、色々と積もる話をしつつ、寿司に舌鼓を打ちました。
口の中に雷神が、もしくはV系ドラマーが降臨したのかと思うほどに鼓を打ち尽くしました。

そんなお寿司を食べてたら生まれた他愛もないおはなしをひとつ。


〜起〜

そもそも、事の起こりは「タイ」でした。鯛。
周年いつでも取れるので魚編に周という漢字になったとされる鯛さんのことです。

そのタイの握りをいただくことに。

注文用タブレットでタイを探しているとスタンダードな握りに加えて、ウニ乗せバージョンを発見したのです。

味のMMAが起こりそう、との理由で結局ウニの乗らないタイを食べたのですが、気になったのは「ウニ」という存在について。

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ウニ(海胆、海栗、英: Sea urchin)は、ウニ綱に属する棘皮動物の総称。なお、「雲丹」の字をあてるときはウニを加工した食品について指す。
[ウニ - Wikipedia]より抜粋

よく見る「雲丹」の字は雲に牡丹の丹(タン)。赤いものという意味の字です。
昔は海(う)丹(に)だったそうですが、いつの頃からか海が雲に変わったようです。空島にでも行ったんでしょうね。上述した通りこの字は加工されたウニに用いられるようで、生きてるやつは「海胆」とか「海栗」とか書くようです。

話を戻しまして、ここで賢明なる読者の皆さんに問いかけをしてみようと思います。
ウニって何の仲間だと思います?
答えは数行後。

・・・

・・・

・・・

正解は「棘皮動物」だそうです。

・・・・・・・・・え?

なんて読むの?

えぇ、そう思ったことでしょう。
私もそうでした。調べたときにはみなさんと同じ気持ちでした。
読める人の気持ちは、、、知りません。

正解は「きょくひどうぶつ」だそうです。
そして、ここで新たな疑問が生まれます。

きょく、、、ひ?
とは?

生まれてはじめて見た「動物」でしたが、文字の力は偉大ですね。皮にトゲがある動物ということはなんとかわかりました。

そして話はゆるやかに、けれど着々と膨らみはじめました。

〜承〜

その存在を初めて知った私とお客さんは棘皮動物に興味しんしんです。
さながら冬から舞い降りる雪のようにそれはもうしんしんと。

当然のようにWikiで棘皮動物について調べます。

棘皮動物(きょくひどうぶつ)とは、棘皮動物門 (Echinodermata) に属する [動物]の総称である。 [ウニ] 、 [ヒトデ] 、 [クモヒトデ] 、 [ナマコ]、 [ウミユリ] などが棘皮動物に属する。
[棘皮動物 - Wikipedia]より抜粋

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調べる前に「ヒトデも似てね?」という話になってましたが、まさかナマコもそうだとは。

棘皮動物門に属する動物は我々の想像以上にたくさんいたのです。

この時点で我々の知識欲は寿司への情熱と同じくらい、いや、ともすればそれ以上に増していったです。
(※注:ちなみにこのお客さんは士業の方なので私と違って賢い。)

ヒトデ網、シャリンヒトデ網、ウミユリ網、etc…etc…
なんだか網が多いな。

動物界 > 棘皮動物門 > やつら

面白いなと思ったのは、ヒトデとシャリンヒトデ、クモヒトデに座ヒトデと、「網」が分けられているんです。
ヒトデ網の中に色々いるわけでなく、ヒトデと名がつく網が色々あったことが私の知識欲をちくちく刺激してきたわけです。さながらウニのトゲのように。

そしてタイやヒラメを口の中で舞い踊らせつつも更にWikiの海を潜り始めます。さながらそこは竜宮城のようでしたよ。いや知らんけど。

続いて我々は現生動物の系統について調べ始めます。

生物学において生物の系統群の一つ。
[動物 - Wikipedia]より抜粋

そもそも我々人間は「脊椎動物」に分類されます。

小難しい動物学をめちゃくちゃざっくりいうと、
真核生物 > 動物界 > 脊椎動物門 > 哺乳網 > 霊長目 > ヒト族 > ヒト属 > われら
こう↑だそうです。

学のない私でも脊椎動物の中の哺乳類である、くらいは知ってましたが、この「界」だの「門」だの「目」だのが理解しようという気持ちを阻害しますよね。さながらの外皮のように。

その難しい話について我々はとうとう踏み込むことになりました。
といっても、亜門だの上門だの細かいことを話し合ったわけではないのです。

〜転〜

とどまることを知らない我々が進んだのは「界と門」について。

私(以下わ):ということは「棘皮動物門」は「落語家さん」みたいなもんですね。
お客さん(以下お):は?

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私:いや、なんか、なんとなくですけど近いかなって。
お:おぉ、、まぁ、、、、んん〜?

私:「ハヤシヤ一門」とか「カツラ一門」とか、いっぱいあるから、
「動物界 > 棘皮動物門」が「芸人界 > 落語門」かなぁって。
お:ほな「ウニ網」は「林家」とかそういうことかいな?

私:ですです。


ここですかさずGoogleチェックに入りました。まずはWiki。
[落語家の亭号一覧 - Wikipedia]
え、めっちゃおる。ちがうよ、有名な○○一門がどのくらいあるか知りたいんやボクは。

ということで、さらにGoogle。
[【落語】知っておきたい!落語のはじまりから有名な人気落語家の名前の由来]
そうそうこういうの。

これを見て有名所は以下の8つではなかろうか、となったわけです。
すなわち、三遊亭・古今亭・柳家・春風亭・林家・立川・桂・笑福亭

うん、どれも聞いたことある。まさに網だわ。(謎)

ーそして、再び会話。

お:そしたらウニは師匠いうことやな。
私:そうです。ウニ師匠のとこのお弟子さんにウニ亭バフン丸だのウニ亭エゾ団治だのがおるわけです。

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店員さん:はい!あぶり三昧お待たせしました!

お&私:ありがとうございます。いただきましょう。そうしましょう。

〜結〜

ここから更に満腹になるまでの間、具体的には最後のチョコレートパフェを食べるまでの間、我々は落語家について、そして落語会について語りました。現在の落語会で誰が一番えらいんだろう、、、とか、各一門の真打は誰なんだろう、とか・・・

このお客さんは関西出身で、いろんな方面に詳しい方だったので、私の知らない落語の歴史や今の真打のみたいなものを教えていただきました。(2ヶ月くらい前のことなんでもはやココに書いたことくらいしか覚えてないのが残念ですが・・・)

海のものを食べながら、海のものについて熱い議論を交わす。
なんて贅沢なひとときときだったのでしょう。
思い出すだけでよだれが・・・

思い出すだけで知識が蘇りそうです。(蘇るとは言ってない)

今はウイルス感染を極力控えるため、多くの人がなるべく他人と会わない生活をしています。もちろん私も。

けれど、やはりこんな馬鹿げた話が面と向かってできないのは寂しいわけです。ひとりっ子なもんで、寂しがり屋なわけですよ。

はやくいろんなことが落ち着いて、またいろんな人と電子変換された映像や音じゃなくてアナログでバカな話や真面目な話や、いろんな話をしたいもんです。

そのためには、やっぱり今しばらくは極力ひとり大作戦やな!
そうに命じたわけです。

おあとがよろしいようで。
ちゃんちゃん♪

寂々亭アナ太郎(前座見習い)


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