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【ChatGPT】昭和の文豪に桃太郎をリメイクさせたらかなり良い作品ができた

※今回の結論:ChatGPTは面白いからオモチャ感覚で使うのがいいと思う。

ChatGPTが現れてから1年ちょっとが経過した。現在、ネット上ではChatGPTの使い方に関するTipsが数多く見受けられる。
さまざまな企業がChatGPTを業務改善に利用したり、ChatGPTを活用した新しいサービスの開発に熱心に取り組んでいるのが現状である。

もちろん、個人としてもChatGPTを使って面白いコンテンツを作る人々が増えている。
そんな中、今回はChatGPTを活用して、少し興味深い取り組みを試みたいと思っている。

何をやろうとしているかと言うと、ChatGPTに昭和の文豪をトレースしてもらい、新しく物語を書いてもらうというものだ。

今回選んだ昭和の文豪は太宰治だ。僕は昭和の文豪の作品を読んだことが全くないが、太宰治に関してはキャラがそのまま文体に現れているような感じなので、なんとなくわかる気がする。

そこで、ChatGPTがトレースする太宰治が、誰もが知る昔話「桃太郎」を書いたとしたら、どのような感じになるのかを試してみたいと思う。

実際に指示をしてみた

そもそも、ChatGPTが太宰治をどれくらい理解しているのかを確認する必要がある。まずはChatGPTに太宰治の文体について聞いてみた。

ys:太宰治の文体を説明できる?
GPT:太宰治(Dazai Osamu)の文体は、その独特な感受性と内面的な深さで多くの読者を魅了しています。彼の文体の特徴について説明します。

内面的な葛藤と自己分析
太宰治の作品は、自己分析や内面的な葛藤が多く描かれています。主人公の心の中で繰り広げられる複雑な感情や、自己嫌悪、自尊心の欠如、孤独感などが詳細に描かれています。これにより、読者は登場人物の心理に深く共感することができます。

叙情的な描写
彼の作品には、詩的で叙情的な描写が多く見られます。自然や風景、人々の表情などが美しく描かれ、感情の変化を視覚的に表現しています。これにより、物語の情緒が豊かになり、読者の想像力を刺激します。

会話の自然さ
太宰の作品に登場する会話は非常に自然であり、日常の一コマを切り取ったかのようなリアリティがあります。これにより、キャラクターが生き生きと描かれ、読者はまるでその場にいるかのような臨場感を味わえます。

ユーモアと皮肉
太宰治はユーモアや皮肉を巧みに使い、重いテーマや暗い物語に軽妙さを加えています。このユーモアと皮肉は、彼の特有の世界観を形成し、読者に深い印象を与えます。

自伝的要素
彼の作品には、太宰自身の人生経験や心情が反映されていることが多く、自伝的要素が強いです。これは、彼の作品が非常に個人的であり、読者に対して強い親近感を与える一因となっています。

独白的スタイル
多くの作品で、主人公が独白する形で物語が進行します。この独白的スタイルは、主人公の内面を深く掘り下げる手法として効果的に使われています。

おお、なんかちゃんと分かってる風だ。これならいけそう。

では本題、ChatGPTに太宰治風の桃太郎を書かせてみる。

ys:桃太郎って昔話があるじゃん。あれを太宰治風に書くことってできる?まずは桃太郎が鬼退治に向かうために家を出るシーンから。
GPT:もちろんです。太宰治風に「桃太郎」の一部を書いてみます。以下は、桃太郎が鬼退治に向かうために家を出るシーンを、太宰治の文体で表現したものです。


 僕は一度も、生きることがこんなに辛いものだとは思わなかった。桃の中から生まれた僕は、村の人々から奇跡と呼ばれ、そして同時に恐れられた。母さんも父さんも、僕を特別扱いするのが当たり前だった。そんな彼らの愛情が、どれほど重たく、どれほど苦しいものかを、僕は言葉にすることができなかった。

 朝の光が差し込む台所で、母さんは黙々と団子を作っていた。その手元を見つめながら、僕は何度も言葉を飲み込んだ。「母さん、僕、行くよ」。ようやく口から出たその一言が、まるで終わりのない暗闇の中で響くように感じた。

 「そうかい、桃太郎。気をつけてお行き。」母さんは微笑んだ。その笑顔があまりにも優しくて、僕は思わず涙が出そうになった。でも、泣くわけにはいかない。僕は、鬼を退治しに行くのだから。

 玄関先に立つと、父さんが僕に声をかけた。「お前なら、きっとできる。桃太郎、お前は強い子だ」。その言葉に、僕は何とも言えない違和感を覚えた。強い子?本当にそうなのだろうか。僕はただ、みんなの期待に応えようとしているだけじゃないか。自分が何をしたいのか、本当は分からないまま、ただ流されているだけじゃないか。

 でも、もう後戻りはできない。僕は大きな深呼吸をして、一歩を踏み出した。外の世界は広く、そして冷たかった。僕の胸の中には、恐怖と不安、そして少しの期待が入り混じっていた。

 「さあ、行こう」。そう呟いて、僕は家を後にした。背後で母さんの作った団子が入った袋が重たく揺れる。その重さが、まるで僕の心の重さを表しているようで、少し笑ってしまった。僕は本当に、これで良いのだろうか。鬼退治なんて、本当にできるのだろうか。そんな思いを抱えながら、僕は一歩ずつ、未来へと歩み始めた。


おおお!なんか太宰っぽい!ダウナー桃太郎だ!話も面白いぞ!

まず文章がクッソ上手い!!

いままでいい文章を書かせようと色んなプロンプトを試したけど、実在した人物の文体で書くように指示するとこんなにも上手くなるのか。ヤベーなChatGPT。(こういう使い方がいいかはさておき……)

続けて、犬と猿と雉を仲間にするシーンを書いてもらう。

ys:次は犬と猿と雉を仲間にするシーンを書いて
GPT:もちろんです。では、太宰治風に犬、猿、雉を仲間にするシーンを書いてみます。


 鬼退治の旅は思った以上に孤独で、心の中に重くのしかかる不安と恐怖は日増しに大きくなっていった。道中、僕は様々な考えに取り憑かれた。自分の存在意義、果たして鬼を倒すことにどれだけの意味があるのか、そんな問いが頭を離れない。

 そんなある日、僕は道端で一匹の犬に出会った。痩せ細り、疲れ果てたその姿は、まるで僕自身の心の鏡のようだった。「おい、犬。お前も鬼退治に行きたいか?」と声をかけると、犬は僕の目をじっと見つめ、そして静かに頷いた。

 「わかるよ、お前の気持ち。僕も同じだ。ただ流されているだけで、何を求めているのか分からない。でも、何かを求めずにはいられないんだ」。犬の目には、どこか哀愁が漂っていた。こうして、僕たちは一緒に旅を続けることになった。

 次に出会ったのは猿だった。高い木の上から、こちらをじっと見下ろしていた。猿は、まるで人間のような知恵を持っているかのようだった。「猿、お前も仲間に加わらないか?」と尋ねると、猿は少し考えた後、木から降りてきた。

 「お前も何かを探しているのか?」と僕が聞くと、猿はただ無言で僕の横に立った。その姿には、不安と決意が入り混じっていた。「僕たちは同じだな。目的があるようで、本当は何もない。ただ、進むしかないんだ」。猿は黙って頷き、そして再び歩き始めた。

 最後に出会ったのは雉だった。美しい羽根を広げ、空高く舞うその姿は、僕たちの心に希望を与えてくれた。「雉、僕たちと一緒に来てくれないか?」と声をかけると、雉は一瞬空を見上げ、それから静かに舞い降りた。

 「空を飛ぶって、どんな感じなんだろう?」僕の問いに、雉は答えなかった。ただ、その瞳には強い意志が宿っていた。「僕たちは、地上でしか生きられない。でも、お前がいれば、少しだけ高く飛べる気がするんだ」。雉は羽ばたき、僕たちの前に立った。

 こうして、犬、猿、雉が僕の仲間になった。それぞれが持つ心の傷や孤独を抱えながらも、僕たちは一緒に進むことを選んだ。鬼退治という大義のために、僕たちは何を犠牲にするのか。未来に何が待っているのか、それは誰にも分からない。ただ一つ確かなのは、僕たちは今、この瞬間を生きているということだ。


ふつうに上手いな……

いやまあ、きび団子はやらんのかいとかツッコミどころはあるし、似た表現を繰り返してる部分もあるからちょっとどうだろうとは思うけど。
でも文章はうまい。読みやすいくせにちゃんと刺さる文章だ。
やっぱり上手い人が書く文章っていいなぁ。

続けて鬼ヶ島で鬼と戦う場面も書かせてみよう。

ys:次は鬼ヶ島に乗り込んで鬼を倒すシーンを書いて
GPT:もちろんです。では、太宰治風に「鬼ヶ島に乗り込んで鬼を倒すシーン」を書いてみます。


 夜が深まり、鬼ヶ島は闇に包まれていた。月の光が海面に反射し、静かな波音だけが耳に響く。僕たちはその闇の中に立ち、目の前に広がる鬼の城を見つめていた。その壮大で恐ろしい姿に、一瞬のためらいを覚えたが、もう引き返すことはできなかった。

 「行こう」と僕は静かに呟いた。犬は低く唸り、猿は木の陰から鋭い眼差しで周囲を警戒し、雉は空から敵の動きを見守っていた。僕たちは息を潜め、城の門をくぐり抜けた。

 中に入ると、鬼たちの咆哮と笑い声が響き渡った。巨大な影が揺れ動き、その存在感に圧倒されそうになったが、僕は足を止めなかった。進むべき道は一つ、ただ前へ。

 「見ろ、人間の子供が来たぞ!」一匹の鬼が叫び、他の鬼たちがこちらに目を向けた。その瞬間、僕の心臓は激しく鼓動し、手に汗が滲んだ。

 「覚悟はできている」と自分に言い聞かせ、僕は刀を抜いた。犬は吠え、猿は素早く動き、雉は空から急降下して鬼たちに襲いかかった。戦いが始まった。

 鬼の一撃は強烈だった。僕は何度も地面に叩きつけられ、そのたびに立ち上がる気力が試された。しかし、僕の中には仲間の存在があった。犬の忠誠心、猿の機知、雉の勇気。それが僕を支えてくれた。

 「桃太郎、負けるな!」犬が叫んだ。その声が僕の心に響き、力が湧いてきた。「僕たちは一緒だ。この戦いに勝つために、ここにいるんだ」。自分に言い聞かせるように、僕は再び立ち上がり、鬼に向かって突進した。

 時間がどれだけ経ったのか分からなかった。戦いは激しさを増し、僕たちは何度も倒れ、何度も立ち上がった。そしてついに、鬼の首領が目の前に現れた。その巨大な体と恐ろしい顔が、僕を圧倒しようとしたが、僕は一歩も引かなかった。

 「終わりにしよう」と僕は呟き、全力で刀を振るった。鬼の首領は驚きの表情を浮かべ、一瞬の隙を見せた。その瞬間を逃さず、僕は刀を深く突き刺した。

 「これで、終わりだ」。鬼の首領は倒れ、その巨大な体が地面に沈んだ。僕たちは静かに立ち尽くし、勝利の余韻に浸った。

 戦いが終わり、鬼ヶ島は静寂に包まれた。僕たちは傷つき、疲れ果てていたが、心には確かな達成感があった。しかし、その達成感と同時に、僕は一抹の虚しさを感じた。鬼を倒したところで、本当にこれで全てが解決するのだろうか。僕たちの内なる鬼は、本当に倒せたのだろうか。

 「帰ろう」と僕は仲間たちに言った。犬は微笑み、猿は頷き、雉は翼を広げた。僕たちは再び歩き始めた。未来がどうなるかは分からない。ただ、僕たちは共に歩むことで、この先も何かを見つけていくのだろう。そう信じて、僕たちは家へと帰路に着いた。


桃太郎ーーーー!!!
おまっ!そんなっっ!!もっと気持ちよく勝てよ!せっかくなんだし!

内なる鬼ってなんやねんw
そんな前フリ無かったやろw

とはいえ文章が上手いからスンナリ読み進めてしまう。すげぇな太宰。

そして最後は宝を持って村に帰るシーン。

ys:次は鬼ヶ島の宝物をもって村に凱旋するシーンを書いて
GPT:もちろんです。では、太宰治風に「鬼ヶ島の宝物を持って村に凱旋するシーン」を書いてみます。


 僕たちが鬼ヶ島を後にする頃、空は淡い朝焼けに染まっていた。傷だらけの体を引きずりながら、僕たちは宝物を携えて村へと帰る道を進んだ。波の音が静かに耳に残り、そのリズムが心の中で響いていた。

 犬、猿、雉と共に歩むこの道のりは、長く苦しいものだった。しかし、僕たちはお互いの存在に支えられ、再び村の風景が見えてきたとき、胸の奥にほんの少しの安堵感を覚えた。

 村に近づくと、人々の歓声が遠くから聞こえてきた。「桃太郎が帰ってきたぞ!」「鬼を倒して宝を持ち帰った!」その声は、まるで祝福の歌のように響いた。しかし、僕の心の中には奇妙な静寂が広がっていた。

 村の入口に立つと、人々が集まってきた。彼らの顔には喜びと驚きが交錯し、その目には僕たちに対する尊敬と期待が込められていた。母さんが涙を浮かべながら僕を抱きしめ、「無事でよかった」と呟いた。その瞬間、僕の心に温かい何かが流れ込んだが、それでもどこか遠くに感じた。

 村長が前に出てきて、僕たちに感謝の言葉を述べた。「桃太郎、よくやってくれた。これで村は再び平和になるだろう」。その言葉を聞きながら、僕は宝物の重さを改めて感じた。鬼ヶ島から持ち帰った金銀財宝は、確かに村を豊かにするだろう。しかし、その輝きの中に、僕たちの苦悩や犠牲が隠れていることを、誰も気づいていない。

 「ありがとうございます。でも、本当に大切なのは、この宝ではありません」と僕は静かに言った。その言葉に、人々は一瞬驚いたような表情を見せた。「僕たちが学んだのは、仲間と共に戦うことの大切さです。この宝物はその証です。どうか、この絆を忘れないでください」。

 犬が僕の足元に座り、猿は肩に登り、雉は空高く舞い上がった。彼らの存在が、僕にとっての本当の宝だった。僕たちはただの冒険者ではなく、お互いを支え合う仲間だった。

 村人たちはその言葉に耳を傾け、やがて静かに頷いた。彼らの中に何かが変わったように感じた。その瞬間、僕は初めて心の底からの安堵を感じた。

 「さあ、みんなでこの宝を分け合いましょう。そして、新しい未来を築いていきましょう」。僕の言葉に、村人たちは歓声を上げ、宝物を分け始めた。その光景を見ながら、僕は静かに微笑んだ。

 僕たちの冒険は終わった。しかし、心の中に残った傷跡は、決して消えることはないだろう。それでも、僕は前を向いて歩いていく。仲間と共に過ごした日々、戦いの中で得た絆、それが僕にとっての本当の宝だからだ。

 村は再び平和を取り戻し、僕たちはその中で新しい日々を迎えた。鬼退治の物語は、村人たちの間で語り継がれるだろう。しかし、その背後にある真実を知っているのは、僕たちだけだ。

 「ありがとう、みんな」と心の中で呟きながら、僕は犬、猿、雉と共に新しい一歩を踏み出した。未来がどうなるかは分からないが、僕たちは共に歩むことを選んだ。それが、僕たちにとっての最も大切な宝物だから。


なるほどねー!いや面白い。

ちょっとだけ惜しいのは、鬼ヶ島で何かしら葛藤を覚えるような出来事があった感じがあるのに、それが全く描写されてない点かなぁ。

たぶん、鬼サイドにも穏やかな日常があって、自分たちがそれを脅かしてしまった的な思いを抱えてしまったんじゃないかな。

最初がかなりダウナーだったから、エンディングももう少し暗いテイストでもよかったなぁ。
たぶん、微調整すれば普通に書いてくれそうだけど、一旦はこれでいいや。
なんにしても普通に面白かった。

ChatGPTは新しいオモチャ

前職の尊敬する先輩から聞いた話。ITツールや新技術が導入された際に、その受け入れ方についてだ。

先輩は、「新しいおもちゃが手に入ったと思ったらいい」、と言っていた。この言葉を今も覚えている。実際に、おもちゃで遊ぶようにITツールを使い倒すことが極めて重要だと思うのだ。

AIが人間の仕事を奪うのではないかという論調がある。

例えば僕が頑張っても、太宰治が書く桃太郎より面白い話は書けないかもしれない。

でも一方で、ChatGPTを使ったから、僕は面白い桃太郎を作る事ができたとも言える。

確かに、最終的には人間の仕事がすべてAIに置き換わる未来も考えられないことではない。

しかし、少なくとも今後10年程度の間は、むしろAIを使いこなせる人間が優位に立つ可能性があると感じている。
例えば、Googleが登場した時に、Google検索をうまく利用できる人とできない人の間には情報格差が生じたことを覚えている。

今回の場合、よりスケールの大きな話になるかもしれないが。
AIを使いこなせる人々は、職種に関わらず、しばらくはむしろボーナスタイム入るのではないか。

ただ、その先の時代については分からないので、そうした未来に備えることは重要だと思う。

なんにせよ、遊び半分で色々なことを試してみると、それが以外なところで仕事の効率化にも繋がるんじゃないだろうか。そんな風に感じている。


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