見出し画像

大阪大学理論化学解説

お世話になります。岡山で理系に強い予備校・岡山進学研究塾です。今回は大阪大学の混合気体問題の解説です。岡山進学研究塾は岡山大学・神戸大学・大阪大学・京都大学への進学をメインとしています。志望者の方、ご覧ください。

校舎公式LINEへの友だち追加はお気軽にどうぞ
Instagramもご覧ください
Youtubeも逐次更新していきます
国立上位校合格へ
校舎HPを是非ご覧ください

状態変化を伴う混合気体問題

入試で割と多く見かけるタイプの出題です。
・片方は温度変化や圧力変化の影響で状態が変化する。
・もう片方は変化をせず常に気体である。

気体の状態方程式は気体のみ適応可。よって都度、それぞれの気体分子数や比率を意識して解くことが重要です(物質量の比と全圧から分圧が分かるからです)。
さて、問題は以下の通り

阪大でもオーソドックスなタイプの出題

この大問は難問ではありません。基本レベルの知識と最低限の演習量で完答可能です。

問1

メタノールの43°Cにおける蒸気圧は図2より0.4×10^5(Pa)(以下、圧力は10^5と単位を省略する)、メタノールとヘリウムは同じ物質量だけ封入されており、もしメタノールがすべて気体とすれば全圧は1.0であることから分圧は0.5である。よって、メタノールの一部は凝縮されて液体になっていることが分かる。
(重要ポイント:全て気体/一部液体 の判断)
よって、この状態でのメタノールの分圧は0.4、ヘリウムは0.6であることが分かる。
①の操作後:温度一定より、メタノールの分圧は一定てある。全圧が1.4であることから、ヘリウムの分圧が1.0に増加したことが分かる。よって、求める割合は
1.0/0.6 ≒ 1.7…答え

問2

①の操作後、メタノールの全物質量と気体のメタノールの物質量の比はヘリウムの全物質量と気体のメタノールの物質量の比、つまり両者の分圧の比に等しいので
0.4/1.0 = 0.4…答え

問3

Δt秒後、メタノールはすべて気体になっているので、気体のメタノールとヘリウムの物質量の比は1:1、つまり分圧比も1:1である。全圧は1.4なので、メタノールの分圧は0.7となり、図2より、その場合の温度は56°Cであるので、
4Δt = 56-13 = 13
↔︎Δt = 3.25(min)
答え:3(min)

問4

問3までの結果より、メタノールの分圧は自刻0からΔtまでの間に0.4から0.7まで増加する。逆にヘリウムの分圧は1.0から0.7.まで増加する。Δt以降は圧力一定のもとで実験が行われているため、両者の分圧に変化はない。これらを踏まえてグラフを書くと以下のようになる。

問5

メタノールが操作③の前にn(mol)全て気体で存在するとすれば、ヘリウムも同じn(mol)存在する。与えられた化学反応式より、③の後はヘリウムがn(mol)、メタノールが0.2n(mol)、ジメチルエーテルが0.8n×0.5=0.4n(mol)だけ存在する。よって、ジメチルエーテルの分圧は
(0.4n/(n+0.2n+0.4n))×1.4=0.35
→3.5×10^4(Pa)…答え

問6

ポイント:ボイル・シャルルの法則を用いれば良い。体積が分かっているのは①の操作後の7.0(l)である。ヘリウム以外は状態変化を伴うため、分圧を求めることを含め、ヘリウムの分圧を使用して式を立てるのが無難である(メタノールの分圧を使用しても構わないが、ヘリウムを使うという考え方の方が素直である)。
求める体積をV(l)とすると、ボイル・シャルルの法則より
(1.4×10^5)×(1.0/1.4)×7.0/(273+43)
=(1.4×10^5)×(1.0n/1.6n)×7.0/(273+201)
↔︎ V=12(l)…答え

まとめ

この問題はオーソドックスなタイプで混合気体問題の基本を理解していれば完答できます。大問1の理論も完答可能なレベルですので、阪大志望者の皆様、解ける問題を確実に解き切って合格に繋げください!
では、また。

岡山で理系に強い
岡山進学研究塾
〒700-0023
岡山市北区駅前町1丁目7-22 カタヤマビル5F
Tel 086-207-2450
E-mail study_support@okashinken.com