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仏教とお釈迦さまの教え

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2023年7月の記事一覧

仏教⑥”般若心経”(はんにゃしんぎょう)と”空”(くう)

「まことでないものをまことであると見なし、まことであるものをまことではないとみなす人々は、あやまった思いにとらわれて、ついに真実に達しない。」byブッダ 皆さんは「般若心経」というお経を聞いたことがありますか?日本でもいくつかの宗派にまたがって読まれるので、耳にしたことがある方もいらっしゃると思います。今回は、「般若心経」と、その中心になる考え方の「空」についてなるべくシンプルにお話しします。 まず、以前の記事で、お経というのはお釈迦さまの教えを後に弟子たちによって形にし

仏教⑦日本人と仏教

「たとえためになることを数多く語るにしても、それを実行しないならばその人は怠っているのである。」 byブッダ インド、ネパールで生まれた仏教は、中国、朝鮮半島と大陸の北ルートを経て日本へ伝わります。南ルートもあるのですが、日本に伝わったものとは少し違います。6世紀半ば、飛鳥時代の欽明天皇(きんめいてんのう)の時に百済(くだら)の王様から、仏像や経典がもたらされました。 それまでの日本人の信仰は山や太陽などの自然であったところに、キラキラの仏像などの登場はセンセーショナルだ

仏教⑧修行

「善をなすのを急げ。悪から心を退けよ。善をなすのにのろのろしたら、心は悪事を楽しむ。」byブッダ 仏教の修行とはなんでしょう。仏教辞典などには、”真実の自己を実現するための行い”とあります。僧侶は出家する際に各宗派の特定の寺院で一定期間の修行をすることになっています。ただ、仏教の教えを学んでいる限り、修行は僧侶だけのものではなく、私たち誰もが行えることなのです。 修行の目的は”さとりを開くこと”です。お釈迦さまの記事でもお話ししましたが、形式上肉体的に苦しいだけが修行なの

仏教⑨お寺の行事&用語

「挨拶」(あいさつ)という言葉は”相手に迫る”というような意味で、もともと禅宗の師匠が弟子に声をかけ質問し、弟子の返答によって修行の深さを見る禅語からきている。 「お盆」 毎年お盆には、お墓参りをしたり提灯に灯りを灯すなど、ご先祖様をお迎えして供養する恒例行事になっています。その由来には、仏教のこんなお話しがあります。 この仏教の「盂蘭盆会」(うらぼんえ)という教えと日本古来の風習が混ざり合って現在のお盆として定着しました。 「お彼岸」 春分、秋分の日にもお彼岸とし