側弯症 手術へ

当然、治るといっても元通りになるわけではなく、大きな傷も残るし、背骨を支えるためにチタン製の棒も入れられるわけで、元通りなわけがないのですが、夢にあふれた高校生は、すべてをポジティブにとらえ日々を送っていたのでした。

高校3年生になり、だんだんと成長も落ち着いてきて、手術のタイミングをどうするかという話になっていきました。その頃の私の背骨の曲がり角はおよそ50度。特に健康上不具合がなければ、まだしなくてもいいではないかという話にはなりましたが、早く治してしまいたいという気持ちがありました。

私は、中高一貫の大学付属校に通っていたため、内部推薦のテストが11月にあり、進路がそこで決まる。なので高校3年生の冬休みに手術をしようということになりました。内部推薦のテストで、大学に受かる前提で書いておりますが、勉強は全くしておりませんでしたので、内部推薦で大学入れる可能性はほぼありません。万が一受かるかもしれないと思っておりましたが、やはり万が一は、起きず。とりあえず進路は術後に考えればいいや、と軽い気持ちで12月の手術に向かうことになりました。

手術前に、術後の自己血での輸血の為、事前に何回か採血したり、MRIで体の隅々までチェックされ、だんだんと手術に近づいているという実感を秋ごろから感じるようになりました。余談ですが、MRIにズボンに財布を入れたまま入ったら、持っていた定期券やテレカ(時代を感じる)がやられてしまいました。皆様も気を付けてくださいってそんな奴はいないと思いますが。

12月になり手術前に一週間入院し、ここでもいろいろとチェックされ、いよいよ手術の日。怖いという感覚は、あまりなく、どちらかといえば希望の方が大きかった。これで治るんだと確信していたからだと思います。ストレッチャーで病室から運ばれる感じは、まさにドラマの主人公になったかのような気分。手術室にはフル装備のお医者さんや看護婦さんがわらわらと。そのうちの医者の一人が近寄ってきて、『これから、麻酔入れますので、数を数えながらゆっくり深呼吸してください』と言われました。いよいよ始まるんだなと、あほな私は、麻酔にたいして、どこまで粘れるか試そうと、目を見開き、心の中で数を数え始めました。1 2 3 4 5 。。。。



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