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ライブ配信での入出力音声の振分けとは?

こんにちわ。配信エンジニアのウメムラです。
急激に寒くなったのですが服の出し入れが追い付かずいまだにTシャツに薄手のパーカーで出社しております。

本日は弊社のスタジオミキサオーについてお話しさせていただければと思います。弊社は簡易的なミキサーとしてZOOM社のLiveTrak L8というものを導入しております。これを使うことによって音の振分けが簡単に出来るようになりました。
そもそも振分けとはどういうことでしょう?


Studio1の構成図(オプション付き)

こちら弊社スタジオの構成になっております。シンプルな構成ですがここでミキサーからの音のアウトが3本あるのに気づきましたか?これはなに?

これこそが音の振分けというものになります。

この楕円で囲んでいるものが音の行き先になります。

上にむかっているものがマスターアウト、右に出ている2本はオグジュアリー(AUX)と言います。ではこれらは何をしているのでしょうか?

マスターとはすべての音をフェーダーの操作で出力するので本線の映像にすべての音声を送って一つの映像にします。
しかし、このマスターをZOOMのリモート出演の方が聴いたらどうなるでしょうか?・・・自分の声をZOOMを介して出先に送っているのにちょっと遅れて戻ってくる。非常に出演者としてはやりにくい状況になりますのでここでマスターの音からZOOM出演者の音を抜いたもの(この場合だとスタジオ出演者の声)のみをAUXで送ります。この作業をn-1(エヌマイナスワン、略称:マイナスワン)と言います。同じくスピーカーはスタジオ出演者の声は要らないのでZOOM出演の方の声をマイナスワンで出力することになります。実を言うとみなさん、このことは物心ついた時から日々経験されているんです。電話がそうですね。電話のマイクからしゃべった声は自分の耳には聞こえませんね。これもマイナスワンみたいなものです。

ではこのLiveTrak L8ではどのような操作になるのでしょうか

LiveTrak L8です

まずは右下の項目は電源入れるとレコーダーになっていますのでこれをミキサーに変えます

こちら、RECORDERを
MIXERにすると上段の点灯が再生などのボタンからマスターなどのボタンに切り替わります。

マスターがメイン操作になります。MIX A/MIX B/MIX CはAUXとして扱うことができます。


Master MIX A MIX B MIX Cの4つのアウトを作ることができます。

出力先はこのようになっています

左からマスターアウト/モニタリング MIX A/MIX B/MIX C
下段のスイッチをMIX側にしないとマスターの音が行ってしまいます。
弊社は基本MIX側にしております。
またつまみはボリュームフェーダーの役割もするので・・・使うものはとりあえず12時から3時間くらいにしておきます

あとは先ほどの写真のボタンを押して操作します

マスターからMIX Aに変更しました。

するとメインパネルがマスターのコントロールからMIX A用のフェーダーコントロールに切り替わります。
MIX Aに送りたいフェーダーを上げます

クリーンな状態になりますのでフェーダーを上げてみます。
ch1のフェーダーを上げてみました。

ここで注意!送る音が決まったらマスターに戻します。でないと本線の音ではなく先方に送る音をいじることになり・・・マスターはまだチャンネルのフェーダーを触っていないのでZOOMには音が行くけど本線映像には音が行かないというトラブルになります。

でもマスターのフェーダーを上げ下げしたらどのメモリまでMIX Aのフェーダーを上げたかわからなくなる・・・と思いきやそこにはメモリー機能があるのでフェーダーを触っていなくてもここまで上げてますというのが一目でわかります。

1chを0まで上げているというのがヒストリーで残っていますので大丈夫!

このように音の送りを振り分けることによって安全かつ安心な配信を行っております!
このミキサーにはオーディオインターフェース機能があるじゃないか!と思われる方もいらっしゃると思います。このようなマイナスワンなどを作るのには若干煩雑な作業になってしまい、少しでも作業軽減したいという意向とそこに時間をとってしまうと配信がバタバタになるということで弊社ではシンプルにミキサーとオーディオインターフェースを分けた処理を行っております。

このミキサーとオーディオインターフェースがセットになっているStudio Kで一度配信をやってみませんか?