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K-ACTINGとは何か

K-ACTING(韓国式演技)とは何か?              
 
まだ実体のない曖昧な概念である。ただ、来日してから4年間ワークやレッスンを通して明らかにわかったのは、日本俳優の演技とは異なる特徴が韓国の演技に存在すること。これを概念化する作業は、韓国人と日本人の間に、共通点と相違点を究明することでもあった。

伝統的な日本の「弁当」は、料理の形と本来の味を守るために区分され、順序を守って吟味してこそ味の真髄に到達する。それに対して韓国の「ビビンバ」は、大根キムチでも酸っぱいキムチでも構わない。パサパサしたらごま油を回し入れ、味が薄いとコチュジャンを増やす。様々な味の入り混じて新たな味が出る。このように線を引いて形を目指す日本と違って、韓国は線を越えて形を誕生させる。その過程で一連の方法と性格が現れている。

韓国式の方法による韓国的演技。これを「K-ACTING」と呼ぶようにしよう。「K-ACTING」は日本という概念があるからこそ生まれた。つまり「K-ACTING」は相対的な概念である。なので、昨今の日本俳優、日本演技を映してくれる鏡という役割をしている。「K-ACTING」は日本俳優が空気のように当然だと思われた全てに質問を投げる。なぜならその質問に対する答えを持たないと「K-ACTING」が成立しないからだ。なので、「K-ACTING」を誰でも学ばれる即効性がある「演技メソッド」だと思ったら誤解が生じるだろう。

では、「K-ACTING」について日本人にどう説明すればいいだろう。
現時点では、吉川大志郎さんが提案した定義が気に入る。

型を重視する日本式演技が韓国式演技と出逢うことによって日本人俳優の中に生まれる相対的概念。

吉川大志郎

でも、自分のアイデンティティーは自分が決めることではないように、
上の概念を私が主張することはできない。演技を主張することができないように。
いつか日本人俳優が自分なりの概念を自ずと持つように、私はそれに導く方法論を模索するべきだ。

-CHE

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