入社一年目の新卒コンサルタントが感じた、採用担当のすごいところ

この記事はベンチャー採用アドベントカレンダーの16日目の記事になります。

(公開後いくつか指摘をいただいたため、文章全体に少し修正を加えています)

簡単な自己紹介です。採用管理システムの開発提供とWeb系企業向けの採用コンサルティング・アウトソーシング事業を展開するHERPにいます、宮田と申します。創業のタイミングからインターンとして参画し(当時大学4年)、今年の 4月に新卒として入社しました。エウレカでインターンをさせていただいていたときに、HERP代表の庄田が上司だったことが縁です。今はBizDev的な立ち位置でコンサル/セールス/要件定義/CSなどあくせく動き回っています。

特段Web業界に詳しいわけでもなく先輩方を圧倒するような採用知識・経験もない自分が今回どんなテーマなら読み物として成り立つか考えたところ、「新卒 × 採用コンサルタント」という視点であれば他の方と被りなく、かつ多少はオリジナリティある記事が書けそうだと思いました。

新卒としてのフラットな目線かつ採用コンサルタントとして累計30社ほど支援し、たくさんの人事の方とお仕事をさせていただいたこと。この2つの掛け合わせから、「採用担当でこういう姿勢は素敵だな…」とか「こんなとこまで考えているのか!」と感激したことを書きたいと思っています。

①事業戦略を把握している

弊社支援先の9割方が自社プロダクトの開発提供をされているのですが、採用担当が自社事業の概況や戦略まで精通しているケース。

現在の導入社数、次に開拓する顧客群、●年後の売上目標、プロダクトの現状課題、向こう一年間の注力テーマ、自社の勝ち筋(競合との差別化ポイント)などなど、挙げればキリがありません。

少なくとも以下2つの観点から、採用担当は自社の事業戦略について深く理解できている状態が理想だと感じています。①採用計画は事業戦略から落ちてくる ②事業戦略を魅力的に話す必要がある です。

①採用計画は事業戦略から落ちてくる について。採用計画はボトムアップ(現状の不足状況・課題感から埋める)とトップダウン(理想の組織状態から逆算して採用する)という2パターンがあると思うのですが、いずれにせよ自社事業に対する深い理解が必要だと思います。現状を正確に把握し未来をどう描くのか。ここを突き詰めて考えなければ「どんなメンバーが本当に必要なのか?」という問いに答えることができない気がしています。

②事業戦略を魅力的に話す必要がある については、当然のことかと思います。採用担当は自社内において候補者と接する回数が最も多いため、自社について魅力的に語ることができる能力はすごく強みになるはずです。そのためには繰り返しになりますが、現状把握・未来想像(もう一歩、過去の経緯)について魅力的な言葉で表現する必要があると思っています。

②組織戦略も見据えた採用をしている

①と被る部分もありますが、自社をどういう組織にしていきたいのか?という一歩深いところまで思考できている方はすごいと感じます。経営陣から降りてきた採用計画を愚直に追い続ける。採用が激化している昨今においてこれはこれで非常に難しいことですが、理想を語れば採用担当はその先まで見えている必要があると思います。

どうしてその採用計画になったのか?採用予算はこれで適正なのか?高い人材要件が設定されているが本当にそのラインは適切なのか?など、採用施策を実行する前に採用計画の背景を整理することが必須だと思います。

「採用する」という意思決定は、企業内における様々な意思決定の内の1つでしかないと思います。事業戦略を鑑みて本当にこの人員計画で事業がドライブするのか?マーケ予算、オフィス移転費用、資金調達・借り入れなど全てのお金の出し入れを鑑みた上で、その採用予算は本当に適切なのか、もしかするともっと予算を割くべきではないのか?将来作りたい組織体制、会社カルチャーを鑑みたときに、そんなハイスペックなリーダークラスは必要なのか、ジュニアなメンバーを入れて育てるという選択肢はないのか、など。

~~ポジションで●●人ほしいという計画は、上記のように様々な意思決定を経て決まっているものだと思います。それら意思決定に噛み込むためには経営陣と同レベルで自社について思考する必要があるため、逆に言えばここをどれだけ思考できるかが採用担当の価値を押し上げるものだと思います。

③社員一人ひとりの業務内容も把握している

組織が急拡大した際に多く見られがちなのが、誰が何をしているのか採用担当が把握していないケースです。もっと最悪なのは採用するときに名前は見たことがあるけど顔と名前が一致しない…という場合です。確かに人数が増えると一人ひとりとコミュニケーションを取る時間を確保することが難しくなりますが、その状況でも全社員と通じあっている採用担当の方はスーパーマンか…?と思ってしまいます。

「この部署のメンバークラスを取りたい」となったときに、そもそもそこの部署にいる人の業務内容も知らずに本当に適切な人を採用できるか、その部署の人と話したこともないのにその採用に全力を注げるのか、その部署のメンバーから協力を仰げるのか、などなど。もちろん「全員とコミュニケーションを取るなんて無理!」という忙しい採用担当の事情もあると思いますが、上記を鑑みると社員との接触を断つことで逆に採用の難易度が上がってしまうように感じます。

④採用は出会い、再現性がないと言われるけど、しっかりデータも見ています

結局良い人に一人会えたら終わりなんだから、数字を追ったって意味がない!という意見も聞いたことがありますが、採用においてデータをしっかりと活用されている採用担当は強いと思います。

弊社でも採用支援をする場合には必ず正確な数字を取ります。職種別にどの経路から何名応募があったのか、その内何名が面接に進んだのか、内定は何名出たのか…など、正確なデータ把握に努めます。

不確実性の高い採用ですが、できるだけその不確実性を小さくしていく努力はあって然るべきだと思います。例えば、データを取ってみたらインフラエンジニアに3ヶ月間で1名にしか会えていなかった(そもそも偶然の一人に会える可能性が低い)、デザイナーで内定後辞退が3名続いた(次内定を出してもまた断られるかも、訴求や待遇に何かしらの改善が必要)など、データを取ることで見えてくる課題もあると思います。

媒体・エージェント・社員紹介など多くのチャネルを抱えており、かつ日程調整やら求人更新やらと日常業務に忙殺されがちな採用担当は、ややもすると正確なデータ収集を後回しにしがちだと思います(この気持はすごくわかります)。ただ刻一刻と状況が変化する採用現場において、「後でまとめてデータきれいにしよ~っと」は実現不可能だと思います。面倒臭がらず正確な事実把握を元に施策改善を重ねれる採用担当が求められているのでは、と思います。

終わりに

生意気に色々と書かせていただきましたが、一年半を通じて多くの人事の方とお会いさせていただき、ここまで考えているのか…と感激した内容をいくつか書きました。自分自身採用担当になる機会があれば、上記を理想にしたいと思っています。

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