小林賢太郎演劇作品『TAKE OFF』〜ライト三兄弟〜

『小林賢太郎って危ない人なんでしょ?』
小林賢太郎について世間の人に聴いてみるとそんな声が聞こえて来るだろう
東京2020夏季オリンピックの演出を巡るディレクター降板騒動でダークなイメージを持った人も多いはずだ
そもそも小林賢太郎って誰?
小林賢太郎って何をしてた人?という人にこそ小林賢太郎の作品に触れてもらいたい
その最初の一歩に最適なのが「TAKEOFF 〜ライト三兄弟〜」だ

舞台に全力で挑むスペシャリストとしての小林賢太郎を見られるからだ
初心者にとっては入門編、あの頃ラーメンズを知っていた人には懐かしさを感じる作品だ
かつてラーメンズを追いかけていた人には「あの頃のラーメンズ」の記憶が蘇る作品である

2020年代に活躍するダウ90000や男性ブランコなど人気芸人にも影響を与えた存在が小林賢太郎だ
小林賢太郎は2020年に芸能界を引退、現在は舞台演出を中心に活動している
今や売れっ子TVタレントとなった片桐仁と共にお笑いユニット「ラーメンズ」として活動していた
引退に伴いラーメンズも2020年に活動を終了してしまい、もうラーメンズの活動をリアルタイムで見ること

本作「TAKEOFF 〜ライト三兄弟〜」は2006年と2007年に全国縦断で公演された演劇作品である
自転車で日本一周の旅をしている青年アビル(オレンヂ)と、木で何でも作れると思い込んでいる大工オリベ(久ヶ沢徹)と飛行機マニアのシノダ(小林賢太郎)の会話劇である
ライト三兄弟の幻の飛行機かもしれない設計図を入手した3人は自分たちの手で飛行機を完成させようとする

「TAKEOFF 〜ライト三兄弟〜」はオリベの倉庫で飛行機作品が進む
倉庫の扉を開け閉めする仕草に小林賢太郎得意のパントマイムが用いられている
小林賢太郎の芸の細かさを感じてほしい

劇中にはMacのCMにラーメンズとして出演していた「Macは写真やMovieが楽しめるんだ」というが名セリフ登場する
「簡単にMovieやPhotoを楽しめるんだ」というオマージュに満ちたセリフがあり「それそれ!」となる
こういった細かい芸風も小林賢太郎の魅力の一つだ

Get a Mac

「TAKEOFF 〜ライト三兄弟〜」はコミカルなお笑いベースの舞台である
しかし終盤、飛行機の完成が近づきシノダのある秘密が明かされる
その瞬間からと3人の関係は緊迫し白熱する
小林賢太郎はここでメガネが曇るくらい感情を表現する
ここに小林賢太郎の本気が現れている
小林の舞台に対する本気の演技が見られるのだ

「TAKEOFF 〜ライト三兄弟〜」を見れば小林賢太郎に対する先入観は取り除かれるはずだ
舞台をという手法を通じて小林賢太郎の脳内を垣間見られるのだ



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?