よかった作品 ~漣の10月編~
今年の初めに毎月noteを書こうと決めてはや10ヶ月なんだかんだやっている自分がめちゃくちゃ偉いのでもう遅れとかそういう話は許していこうかと思います。
欠陥を許せ。
学生の頃は大人になったらもっと難しい話とか仕事の話とかするのかと思ってたのにずっとベイブレードとかボカロとかイナズマイレブンとかトリコとかダンボール戦機とかの話してて中学生の頃から何も成長していない。
1:星宮とと「Tarinai」
先日公開された星宮ととさんのMV
少し前にナイスなワークスをする自分の友人が言っていたけれど最近は美麗3DCGによって構成されるMVがデフォルトになり、MVなど映像でいかにリアルなルックをCGで作るか、いかに綺麗な映像を撮影するかが頭打ちになってきているなと考えていた時にちょうど出た作品。綺麗な映像、現実に近い映像ももちろん素晴らしいとは思うけれどあくまでも無数にある一つの解であって、本質として求めるべきはいかに見た人の心に残るような良い映像であるかだと思うのでTarinaiのようなクセがありつつも何度も観てしまうような制作者の好みを前面に押し出したようなMVはやっぱりいいなと思って紹介しました。
日常世界の中に入り込むUIハック的な遊び心が見ていてとても楽しく、自分がAnalystでやりたかったことと同じベクトルの数段先を見せてもらったような最高MV。
もちろん3DCGを用いた作品は見飽きたからもう良いというわけでもない(最高なMVは常に公開され続けている)し、Tarinaiもメイキングを見るとめちゃくちゃ手が込んでいる作品なので工数かかってないわけでもなく、最近のゲームで神画質という高評価を見なくなったように画面の綺麗さは割と頭打ちになってきた現在でそれとは別の評価軸も重視されるようになってきたのって素敵だよねという話です。
2:THE PIXEL STREET
浅草橋で開催されていたピクセルアート(ドット絵)作家だけの即売会イベント。
アイコンをシブチャさんというピクセルアート作家の方に描いてもらうくらいにはドット絵が好きだったので同じくアイコンがドット絵のくらしまさんという友人と行った。
シブチャさんも出展していて嬉しい。
コミケやコミティア、デザフェスなどのイベントには行ったことがあったけれど所謂オンリーイベント的なものには行ったことがなく初めてのオンリーイベントでしたが、今回でいう「ピクセルアート」という特定のジャンルを好きな人しかいない空間というのは他のイベントにはないクローズド感があり、出展者同士や出展者と来場者の距離の近い雰囲気がとても楽しかったです。
正方形の小さなドットとして絶対的な最小単位が存在するという他のコンテンツにはない特色がある上でドットを敷き詰める数、ドットの色によってオリジナリティが生まれるというピクセルアートの面白さ、奥深さを改めて感じさせてくれるイベントでした。
第二回もお願いします。
3:葉加瀬冬雪「リトルハミング」
にじさんじの葉加瀬冬雪さんのオリジナル楽曲
Youtubeを自動再生にしていたらたまたま流れた楽曲でMVがないverで聴いていたのですが楽曲としてめちゃくちゃ好きな曲だったので載せました。
小走りで前を駆けていくような軽快な曲調と歌詞から感じるノスタルジーさや真っ直ぐさが素敵なので皆さんも聴いてください。
なぜかこの曲を聴いた後はめちゃくちゃ3月のパンタシアを聴きたくなる。
Vtuber自体はtwitter経由だったり職業柄である程度知っていても生配信はあまり観ていない人間なので葉加瀬さんの人柄自体はわからないけれどこの曲を聴いただけで実直な人柄が伝わってきてめちゃくちゃええやん…となってしまったので葉加瀬さんを推している人はこの曲を聴いた時もうすごい感情になっていたのではなかろうか。いかがでしょう。
4:grounds MOOPIE SCRATCH
好きなブランドが最近出していた新作のスニーカー。
ソールの黄色と紫の部分は使用を重ねることで剥げていくような作りになっているらしく、高いスニーカーは汚れが気になりなかなか踏み出せないけど汚れがむしろプラスに働くということでとても気になっている。
このnoteを書いている時点ではまだ買っていないというつもりがnote書いてなさすぎて購入してました。案の定めちゃくちゃ可愛かったです。
履けば履くほどソールのコーティングが剥げて色が出てくるこの靴のように、生産者だけで収束させずに手にした消費者の行動によって可能性が拡散していくものというのはプロダクト的なフィジカルなものやインターネットコンテンツのようなフィジカルでないものに関わらずワクワクして楽しいので自分も何かしらの創作に活かしたい。
5:最近のお仕事1
10月14日から2日間原宿で開催されていたadidasとatmosのイベント「adidas con by atmos」で理芽×Adidas Originalsの企画ということで制作したアートワーク。
声をかけてくださった方は自分がなんとなく制作した上ツイートの方向性が気に入ってくれたらしく、こういう方向性で後は自由で!と自分の好きなものを作っていい仕事だったのでプレッシャーはめちゃくちゃありながらもとても楽しい仕事でした。
Adidasのスニーカー自体や会場の原宿という場所がストリートカルチャーに根差したもの、場所であるということからストリートカルチャーと理芽という所謂サブカルチャーとの境界線や共通項、自分が街中のステッカーの何が好きなのかというあたりから着想を広げ、最終的な形になっています。
・街中に貼られているステッカーはどこの誰かもわからない他人が意図的に貼ったものであるにもかかわらず自分がそのステッカーを観測するときは貼った人間の気配を感じることのない風景の一部になっていて、それでいてたまにこのステッカー好きだなと写真を撮ることがある、という現象がネット上で誰が作ったかわからなくてもこの映像いいな、このデザインいいなと思うことのできる不特定多数から生まれる昨今のコンテンツの接し方と似通う部分がある。温かみのない温かさのような感じ
・貼った時の全能感、世界に対してのしてやった感とその実同じようなことをしている人は何百人何万人と世界中にいて、誰かがその「やってやった」痕跡を見るときにはただの風景の一部でしかないという作り手と受け手のギャップが自分はとても好き
的なことや、他二人がどんなものを作りそうでそこからどう自分は差別化するか、自分の長所を引き出せる手法は何か、などりたおさんとこむぎこ2000さんという誰がどう観ても明らかに数段上の方達とアートワークを並べても恥ずかしい作品にならないようにするために色々と考えた作品。
最終的には理芽の紹介文としても不思議な眼をした女の子とあるのでそこの文脈を拾いつつ、様々なカルチャーがある昨今でひとつの好きなコンテンツに出会ったときの一目惚れのような刺激と不特定多数と自分をつなぐ架け橋をイメージして乱雑に置かれたさまざまなステッカーやシューズボックスの中、理芽の眼が描写されたステッカーが中央に置かれることでアートワークを観た人と理芽の眼があうような作品になりました。
散漫と色々な思考を巡らせながら作ったのでかなり読みづらくなってしまいましたが、こんな感じでtwitterでも想像よりも多くの人に喜んでもらえたようでとても嬉しかったです。あと世の中表にわかりやすく名前の出るアーティストとは他に、関係者しか知らないような箇所で色々やってくれている人がいて、その人たちのおかげで自分は仕事ができているというのを改めて感じた案件でした。そういった全ての人への敬意は忘れずに今後も頑張ろうという月並みな感想ではあるけれど大事な再確認。
あとアーティスト名は英表記じゃなくてひらがなのすとろぼでいいかと聞かれてすとろぼ2000にしますか?って冗談言ったらそれはやめようってやんわり断られた。
10月編とはという感じですが残り二ヶ月もがんばります。
🌊🌊🦭🌊🌊🌊
波に擬態するアザラシ