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コラム「ノンネイティブの流儀」

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英語のネイティブを手本としつつも、ノンネイティブとしての身のこなしがあるのではないか。ネイティブやバイリンガルにかなわないまでも、日本語のネイティブとしてのアプローチがあってしか…
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📚【ノンネイティブの流儀9】【あえて「組み立て」で書き切るということ】

【写真】東京・神田駿河台のニコライ堂(撮影・飯竹恒一) 英文ライティングのあるべき形をめぐる議論でよく耳にするのが、「短文を重ねる」という立場です。関係代名詞などを駆使して複雑な文構造にするのを嫌うもので、確かに一理あると思います。 同じ議論は日本語でもあって、駆け出し記者のころ、無理に長い一文で書いていたのを、デスクが手際よく分割して仕立てていったのを、よく覚えています。 では、いま私がどう考えているかというと、少なくとも英文ライティングに関しては、やや立場が違います

【ノンネイティブの流儀8】【文法と現実のはざまで】

【写真】スペイン・マラガにて(撮影・飯竹恒一) 文法は外国語のノンネイティブにとって頼りがいのある基礎資料です。しかし、文法からはずれた現実に遭遇した時は、かえって戸惑いの原因となります。最近出会った次の英文もその一例です。  In 1941, all of Europe was either occupied, neutral or allied with Nazi Germany. 歴史を振り返れば、文意は明快です。「1941年、欧州全土はナチス・ドイツに占領された