見出し画像

フランスのヤケクソケーキこと

ガトーヤウーです。
Gâteau au yaourt と書いて、直訳してヨーグルトケーキなのです。

計量器も要らねえというケーキであり、ほんとにヤケクソでつくる、子供でもつくれる、なんなら日本で子供が初めてつくる料理がカレーライスのごとく、ケーキ大国フランスではこのガトーヤウーが子供の初めてのケーキ作りだったりする。

で、そのヤケクソケーキですが、子供にやらせると楽しいです。その辺のスーパーで買ってくるヨーグルトのちっさいカップからヨーグルトをどばーっと流し、空になったカップで小麦粉やら油やらを測るわけです。
子供はまさに泥遊びのごとく目を輝かせてケーキ作りに親しみます。
もちろん手はベタベタ、粉だらけ。

大人になると、糞腹減って、やることもやりたくない、めんどくさい、冷蔵庫に最低限しかない…めんど…みたいなときに作ります。
あ、人によります。まあ、要するに日本のホットケーキです。
大人になったら、ほぼつくらないやつ。でもごくたまになんか食べたいやつ。

私もほんとに若かりし頃にフランスでガトーつくろー?とフランス人に言われて、「え、できない。ケーキとかまともにつくったことないよ」と、焦っていたら

「大丈夫大丈夫、ガトーヤウーだから。ヨーグルトのカップでできるやつ。ていうか、ケーキなんて適当だろ〜!」

といわれつつ、作ったものです。
「ケーキなんて適当だろ!」
と突っ込んでくれたフランスの友達にはいまでも感謝です。なぜならいまでも適当にケーキ焼いて食べれるからです。

オペラ鑑賞でも思ったことですが、日本では、ヨーロッパ文化や食文化に変に格式高いことばかり望む傾向があってやけに仰々しかったり、やけに厳格だったり、異常にプライドを高めないといけない、こうでなければ本当ではないみたいな変な風潮がある気がします。逆に怖い、みたいな。なんでもかんでも失敗に厳しすぎるでしょ、みたいな。

でも、実際はそうでもないと、思うんですよね私は。
私は、です。

それぞれが面白ければ、いいじゃんみたいなそのノリで入って、トライ・アンド・エラーで自分なりに馴染んでいくのが一番穏やかで中身が充実してると、思います。

それにしてもです。今回はあまりに適当すぎました。
なんてったって、ベーキングパウダーの賞味期限がが3年前だったから!
半年経ったものでさえもあまりよくないというのに3年笑 しかも、開封はもっと昔のはずだから、4年近い。
毎回ちょこちょこ使って、
「よし、大丈夫」
「まだ、いける」
を繰り返していたら3、4年経ってしまいました。
ここ1年くらいは全くケーキなるものをつくっていなかったと思うのでさらに時を隔ててしまったのです。

それで、久しぶりに持病で体調も思わしくなく、デスクに座っているのも辛く寝込んでいたので。ヤケクソな気持ちだったためにガトーヤウーを作りました。
本当に、気分の晴れるヤケクソケーキです。

でもなんかやばい

でもみてください、やっぱりほぼ膨らみませんでした笑
お世辞程度に周囲だけ膨らんだだけでもほっとしました。
中の生地はべったりとはしていないものの、なんか、表面が絶対に違う感じの膨らみ方をしている。なんだこれは。


生焼けかってくらい、いやむしろ生焼けなのか?

てことで、生焼けの可能性もあると思い、20分以上は追加で焼いてみたのですが、変わらず。うーん、こんなに生焼けになることある?とプライド0からの氷点下。あの、一応子供が作るケーキなんですけど・・と。
でも、やっぱりこれはベーキングパウダーが天命を全うしたという証ですね。
4年前のベーキングパウダーは、ヤケクソにもほどがありました。

ヤケクソ中のヤケクソなガトーヤウーができてしまいました。笑

ま、いいのです。気分転換になるほうが一番大事なので。
そして食べて、美味しいならOKです。ちょっともちっとしすぎてるけど、まあOKです。なんか、さつまいもの饅頭みたいんだけど、まあOKです。
だって1年以上ケーキから離れていたのだもの!

てことで。何事もトライアンドエラーです。民訴に戻ります。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?