女は男が気付かぬうちに着々と別れる準備を進めている

交際中の男と女。男の方は女にまだ熱情を向けているが、女の方は「我慢」を抱いている。女の我慢には大抵の場合男は気づいていないだろう。気づいていたとしたら、コミュニケーションを介してより仲が深まっているはずである。女はそういう我慢を諦めと常に結束させ、男には悟られないように隠し持つ。なぜなら、それを男にぶつけることによるトラブルにはもううんざりだから。そういうわけで女は男に一つ隠し事を作る。一つ隠し事を作ると、次々に隠し事が連鎖していくのがセオリーである。まずその不満を友人に話す。大抵その友人は、女の方の肩を持つだろう。そうなるとますます男への信頼度が薄れていく。もちろんこの会話の内容も男に話すはずがない。また一つ、隠し事が増えた。そんな折、女は別の男と連絡を取ったり接触することへの積極性を強めていく。お分かりの通り、最終的に彼氏には隠してその男と会うことになる。また隠し事が連鎖する。この時点で恋愛は「終わっている」と言っても過言ではないだろう。この段階では女はとにかくきっかけを探している。別れを切り出すきっかけである。そのような別れる準備を女が着々と進めていることに男が気づき始めるのは時間の問題。気づき始めた男は女を責めてみたくなるものだが、大抵の場合その状況は根本的に自分が引き起こした状況であるということには全く気付かない。そうこうしてる内に、女は別れた後の自分のライフスタイルのプランニングが完了する。「別れる準備」完了である。あとはきっかけが見つかり次第別れるだけである。

ではここで、別れる前に女が会っていた「別の男」に対して恋愛感情を持ち始め、次の彼氏にした場合、起こることについて考えてみる。いわゆる「乗り換え」である。彼女にフラれ、その女に新しい彼氏がいることを知った男は、こう思うかもしれない。「裏切られた」と。男からすれば、自分との交際中に他の男との情事を進められていたと思うと、自分に嘘をつかれていたと感じるのは当然である。「その男のせいで、自分が捨てられた」「その男がいなければ、まだ彼女との交際は続いていた」男はそう思うことだろう。しかし、それは全くの思い上がりである。男が女の我慢に気づき、愛想を尽かされていなければ、そもそも女は隠し事をすることもない。女に嘘をつかせていたのは「別の男」ではなく、フラれた自分自身なのである。男が「裏切られた」と感じるのだとすれば、それは過去の自分から、と言った方が良い。女が感じていた自分自身と、自分で認識している自分自身の間に乖離が生じているために、「裏切り」の被害者意識を感じているのである。そしてその乖離を生じさせたのは、女の隠し事である。「じゃあなぜ本当のことを言ってくれなかったんだ」と女を責めたくなる男。それはそこに「諦め」があったからである。「言ったらまためんどくさくなるから言わないでおこう」その諦めとはつまり男との恋愛関係への諦めと同値なのである。諦められた時点で恋は終わっていたのである。


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