マーマッ!!! アブアブアブアブ~、キャッキャッ

 2021年は、コロナを前提とする生活が全くの日常になった1年でした。遠出しないことも、外食を避けることも、人混みを避けることも、そしてマスクを着けることも当たり前になりました。

 さて、マスクを着けること以外は『~~しない』ばかりな私ですが、今年は久々に『読書する』ことが増えました。実は随分前から、Twitterで刹那的に(そして極めて非理性的に)奇声を発するようになり、そのせいでここ数年は、本を読むことが大変難しくなっていたのです。両者の因果関係はまるで不明ですが、そうに違いないという確かな感触はありました。

 それがどうしたことか、よく本を読むようになりました。最も、趣味は読書なんて言えるほどではありません。ジャンルも偏るし、数行読むたびに中断して、Twitterに現れては奇声を発して他の方に襲いかかることも多かったです。いまだによくわかりませんが、何にせよ読書をするようになり、僅かながらもコロナ禍の日常が豊かになりました。

 さて、くだらない前置きから始めてしまいましたが、今年読んで面白かった本を下記にて少しずつご紹介します。


1)秘匿捜査 警視庁公安部スパイハンターの真実 (講談社文庫) https://www.amazon.co.jp/dp/B01DLYGVMC/ref=cm_sw_r_apan_glt_ZNAP5GYXHV189AJ79XWS

 ノンフィクションです。ロシアの諜報員が、内閣情報調査室や防衛省の職員をろう絡してゆく様と、それに対抗する警視庁外事課の刑事たちの暗闘を描いています。超絶に地味な攻防が見物です。

 あまりにも詳しく書きすぎたので、著者は警視庁から出禁にされたとか。


2)女子的生活(新潮文庫) https://www.amazon.co.jp/dp/B07Q3BC596/ref=cm_sw_r_apan_glt_J7Q6E7G0442SA1KB9KJE

 はい、志尊淳のドラマから入りました。小説はモノローグがたくさんあって、それをメインに読んでるのが楽しい。成人女性、ホントにこれだけ恋やらお洒落やら日常的に考えを巡らしてるんでしょうか。自分の能天気さに呆然とします。


3)加筆完全版 宣戦布告 上 (講談社文庫) https://www.amazon.co.jp/dp/B01DLYGR9Y/ref=cm_sw_r_apan_glt_0W2XAE8K4WRY3ENTHP64

 これは憂国の小説として読まない方が良いです。コメディとして読みましょう。ディテールの描写が濃厚すぎて、きちんと読もうとすれば大変疲れますから。シン・ゴジラに出てきた、時が止まったかのような様々な会議、省庁間・関係各所の繰り返しの調整、法解釈のやり取り等の描写を先取りした小説です。

 内容は極めてシリアスで緻密です。私は緻密さに耐えられず、読み飛ばして進みました。


4)後ハッピーマニア(1)【電子限定特典付】 (FEEL COMICS) https://www.amazon.co.jp/dp/B08BL9R3CX/ref=cm_sw_r_apan_glt_9SMCP3TTF579G93RNT6C?_encoding=UTF8&psc=1

 安野モヨコは絵が好みではなく、読んだことがなかったのですが、これは大変良かったです。アラフィフ"女子"の悲哀がコミカルかつ生々しく描かれていて、他人事だから楽しく読めました。この年代の男女と恋愛をハイテンションに絡めるのは難しいと思うのですが、面白かったです。前作を読んでいると、もっと楽しいのでしょうか。


5)エスピオナージ https://www.amazon.co.jp/dp/B00MG9UED6/ref=cm_sw_r_apan_glt_AXSXE3SP3DWW4PCDD155?_encoding=UTF8&psc=1

 警視庁外事課とロシアの諜報員との暗闘を描いた小説です。描写が精緻すぎて、やはり読み飛ばさざるを得ないほどで、冒頭で紹介したノンフィクションより細かいです。地味の極致とも言うべきか。

 活劇的な展開は求めないけどサスペンスが読みたいよ、なんて人にはお勧めです。変に情愛を挟んでいて、終盤が若干萎んでいますが、序中盤で充分堪能できます。


6)ジョーカー・ゲーム (角川文庫) https://www.amazon.co.jp/dp/B00Q4K0E92/ref=cm_sw_r_apan_glt_E3C51QZZVC66FAN0946G

 スパイ小説楽しいんですよね。こちらは戦前日本に設立された、極秘陸軍諜報機関が暗躍する様を描く内容です。ただし、主人公たちは軍人らしくなく、天皇制タブーさえ無視し、静かに、さりげなく、スマートに活動しています。各話ごとに主人公が変わり、時期や場所も異なるので、飽きずに読めました。

 比較的ライトな内容。


7)鉄道少女漫画 (楽園コミックス) https://www.amazon.co.jp/dp/B00ICCU4WC/ref=cm_sw_r_apan_glt_RKTW3Z0ZNN8MFNTVYS42

 10年ぶりに読み返しました。たしか、京都の常盤で夏に見つけたんですよね。少女漫画楽しい。

 鉄道マニアな漫画ではなくて、小田急の各駅がロケーションになっているオムニバス。いや、群像劇でした。片瀬江ノ島とか本厚木とか、後年になって実際に訪れました。入生田もまた行きたい。

8)小隊 (文春e-book) https://www.amazon.co.jp/dp/B08VZDFVNJ/ref=cm_sw_r_apan_glt_9S8B66KRK7HR7MD3MAKG

 あらためて、今年はこっち系ばかり読んでいたんだなぁと呆れています。

 北海道にロシアが侵攻する過程を少々切り取ったお話。主人公の視点を超えることなく話が展開してゆきます。従って、生々しい上に戦争の全体像が見えなくて、それが不気味です。戦闘に至るまでは静かで、始まってからは淡々と怖いんですね。音の無い世界で殺戮が広がってゆくような、そんな気分になりました。


9)レッド・スパロー(上) https://www.amazon.co.jp/dp/B00G9ZLVUI/ref=cm_sw_r_apan_glt_5DTSTGN69JHCFKFW9CE4

 相変わらずスパイ小説です。ジェニファー・ローレンス主演の映画が良かったので、きっかけはそちらです。麻生幾さんほどの濃厚さ(執拗さ?)はないですが、諜報活動が詳しく書かれていて、堪能できました。

 また、各章とも何かしら食事のシーンがありまして、それぞれの章の末尾で、レシピが紹介されています。ホントに美味しそうです。



おまけ)Ear X-Tacy https://www.amazon.co.jp/dp/B00VYA7U6W/ref=cm_sw_r_apan_glt_56PVVEVWRXZP04E6SH3A

 おまけは音源にしました。とあるギタリストのソロデビュー作。1994年の作品です。この中のThere Are No Wordsという曲が余りにも好きなんです。加齢による好奇心の衰えからか、近頃は音楽を聴くことも無くなりましたが、それでもこの曲はたまに思い出します。きっと、1万回以上は聴いています。

 最近、本人がYouTubeに動画を上げていました。

https://youtu.be/U_AV5FzYOlU


 私事ですが、京都の嵐山にあるライブレストランで、大昔に演奏したことがあります。あがり症の私は身体が震えてしまい、ヴィブラートなのか手の痙攣なのかよくわからない技巧を披露してしまいました。



 以上がご紹介でした。これ以上、スパイ小説を紹介しても仕方がないですよね。さて、来年は何を読みましょうか。手頃な新書でも漁りましょうか。

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