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"DEAD FISH BOYS" Dedicated to unbreakable wish ALBUM INTERVIEW

DEAD FISH BOYS
Dedicated to unbreakable wish
ALBUM INTERVIEW

INTERVIEWER SAKUMA(SLANG,IZ)
PHOTO SUKE

DEAD FISH BOYS
野田(Vo,Ba)亀山(Gu,Vo)文珠四郎(Dr)

ーー編集盤、ソノシートのリリースと続き、今回は待ちに待ったオリジナルアルバムがSTRAIGHT UP RECORDSよりリリースとなります。本作のリリースまでの経緯やどんな事を考えて制作を行ったか?等聞かせてください。

(亀)リリース経緯は2016年にKOさんから突然DMをいただいたところから始まっています。たぶん一生忘れない出来事となりました。とても嬉しかったです。リリースしてくださって本当にありがとうございます。

(野)アルバムを作ろうって言うのは厳密に言うとかなり前から考えてました。編集盤を出す前から元々考えてて、KOさんからお話をいただく前くらいからぼんやりと考えてて、、、。編集盤を出すってところから当時そうたさん(元KCAスタッフ)とアルバムをゆくゆくは出そうなんつってて予定を考えながらやっと出来ました。

(文)作るボツを繰り返し産みの苦しみに悩んだのはあるけど、出来上がりはバランスいいもの出来たと思います。

(野)レコーディング自体は、いつもお世話になっているStuoom Recording Studioにお願いしました。よくあるストレートアップからリリースならカウンターアクションでレコーディングっていうのも考えましたが、カウンターアクションで手探りに作ることになった場合に各々の時間を削ることも難しくなってきていて。またこれまでお世話になっていたエンジニア小田さんにフルレンジのアルバムレコーディングで、色々な我々を見てほしいなと思いお願いしました。もちろん技術的な信頼もありましたが、何よりここでやり方を変えるのは違うという言葉じゃ言い表せない思いがありました。

ーー作品のタイトルの意味や意識したコンセプト等あれば教えてください。

(文)そこは野田に聞いてください!

(野)作品のタイトルは歌詞やら何やら全部提出した後に最後に考えてました。コロナ禍で全くライブハウスで会う人達に会えず、でもSNSとか、また個人的な連絡とかで、各々変わらずバンドやってたり、バンドのこと考えてたり、もちろんそんな状況でもポジティブにライブハウスで働いてる人達の事とかを考えてつけました。ぶっちゃけ、この状況ってバンド辞める良い機会だと思いました。
コロナを言い訳にして、俺がやりたい事は違うからって別のやりたいこと見つけるのも全然ありだと思うし、責めるつもりもないんですが。。。でもサクマとか変わらずバンドをどうやるか?しか考えてなくて、俺ももちろん全然やれてないんだけど、そういう変わらず好きな人達に捧げられるようになればいいなと、身を弁えず思い、タイトルをつけました。

(亀)アルバム構成は、2018年夏、友達の遠藤くん(THE THANKS,宮本康太バンド)と狸小路に映画を観に行ったんです。「あっコレだ!」と。そこから着想し始めました。

ーー今作は以前までのDFBらしさを残しつつも、キレやハードさが増し、DFBが目指してきた物の一つの到着点なのかなと思いました。曲順のメリハリもしっかりあり、間延びせずに全曲聴ける印象です。今までと楽曲制作において考えの変化はありましたか?

(文)全曲聴けると思ってもらえるのは嬉しい。が、そこは亀が練って思考創造を繰り返して至ったもの。我は横から口出してついていっただけ。亀に聞いて!

(亀)楽曲制作で意識したのは、私が札幌に住んでいて身近で体感したサウンドや現行ハードコア(海外)の音像を自分達なりに消化したつもり。度重なるRECや作品づくりで今作のような形に変わりました。私はバンドブレインではありますが、絶対的リーダーではないので。楽曲に関しては作った原型を何回も破壊して3人で組み立てたりもしました。メンバーには最大級の感謝を!

(野)ボーカルについては、今まではコーラスありきで考えてたところがありましたが、今回はコーラスを深く考えずボーカルだけでも物足りなくならないように意識しました。

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ーー今作の楽曲として新しいなと思ったのが、インストのREADY STEADY GOとBREAK A SCHOOL、ユースクルー感漂うIt's my lifeでした。どのようなイメージで生まれたものなのでしょうか?

(文)新味を出し、作品の面白みを求めた結果なのかな?元々そーゆーのもメンバーみんな好きだったからてのも要因かな?

(亀)BREAK A SCHOOLは東京の友達にイベントを企画しているヒロ君という人物がいまして彼の事を思い浮かべながら作りました。READY STEADY GOは私が何かを始める時これから始まる時に限って何故か雨が降る時が多いんです(苦笑)静まりかえった外を見ながら、この不利な状況で、どうやって何かをひっくり返そうか?みたいな事をよく考えています。そんな音像です。
It's my lifeはメンバー共通で悲しい現実を受け止めなければならない出来事があって、たまたま3人でスタジオにいて私からこの曲のコードが自然と鳴りました。あの時スタジオは、なんとも不思議な雰囲気でした。

(野)インストは、ピンボーカルがいない分、楽器だけでも、ボーカルがいなくても一曲成り立つっていうが3人の強みでもあるかな?と思いやってます。ライブではMCやらなくなったんでライブでの緩急も出来てるかと思います。だいたい亀さんがリフとドラムへのオーダーを持ってきてたと思います。ベースラインが何も指示されていなかった感じで自問自答しつつ今作の感じになりました。「It's my life」については、元々アルバムの最後の曲は、なんか違う感じにしてもいいんじゃないの?なんて話してました。が、こうなりました。タイトルを先行して決めたのですが、結局中身は全然バンドと関係ない話になりました。コロナ禍で追い込まれる人と、そんなの関係なく健やかに育つ息子が俺の生活の中心でした。そんなことをまとめました。

ーーサウンドは余計な音がきちんとトリミングされており、スッキリして聴きやすく、まとまりや勢いは全く削がれていません。 サウンド面でのゴールやどのようにしようかなど考えてたことはありましたか?またレコーディングでの苦労や面白エピソード等あれば教えてください。

(文)サウンド面はエンジニア小田さんと亀に任せた感はある。彼らの手腕かと!録りはそんな苦労せずいったよーな。ミックスは亀が頑張ってくれたかと!

(亀)2016年〜2020年にかけてRECは毎年札幌清田区にあるstuoom recording studioで録音させてもらっています。今回Two layers of paintトシ君とMODERN GOODDAYSコウキにプロデューサーになってもらって横から口出して貰いました。本当に彼らは面白い(笑)今作は小田さんと一緒に作った5年間の集大成でもあるので是非聴いてほしいです。

(野)毎回、小田さんとあれやこれや長くなるとが多かったのですが、今回は割とすんなり終わったイメージでした。歌録りが毎回憂鬱なんですが、今回もいっぱい汗かいて歌いました。汗かぎ過ぎるので大体全裸だったかもしれません。

ーーハードコアバンドの作品と感じさせないアートワークとなり、そのギャップがDFBらしいと思います。今回のアートワークについて目指したものは、何でしょうか?

(文)そこは私も驚いた。亀がどうやって打ち合わせの上そこに辿り着いたのか。私も知らない。が、とてもよい。良いっす。

新味。

(亀)アートワークはOFFICE VOIDS 鈴木侑馬君(ENDLESS HOMEWORK)にお願いしました。今作音源と歌詞を事前に渡してコチラから要望は殆どせず感じるままにデザインしていただきました。制作初期にラフ画で花が描かれていたのを見せていただきました。自然と顔の口角が斜めに上がりました。

(野)侑馬君に感謝です。とても素晴らしいモノを作ってくれました。元々、モロな感じとか見た目で音が判断できる様なジャケってそれはそれで好きだしそうした方が色々な意味で楽だと思うんですが、今回のアルバムは違うかなと思ってました。亀さんがずっと前から強く侑馬君にお願いしたいって言ってました。まさにイメージ通りというかイメージを超えて素晴らしいものを作ってくれて本当に嬉しいです。

ーー普段ファニーな野田からは想像がつかない、しっかりとした考えが溢れ出た歌詞です。一部をあげると、ライブハウスへの愛溢れる内容や人間が原始的に持ちうる音に対しての衝動について、SNS社会や雇う雇われるという主従関係など書かれていますが、今作の歌詞を書く上でどういう所に着眼しましたか?また、いつも歌詞を書く上で大事にしてること等ありますか?

(亀)歌詞は歌い手にお任せしております。ただ曲名に関しては話し合ったりします。大事な子供の名前だしね!

(文)野田くん!呼ばれてます!

(野)それぞれ歌詞が出来たタイミングが違うのですが、だいたいその都度思っている『これは書き留めておかなきゃ、、忘れちゃダメでしょ』って想いをまとめてます。
中にはただムカついてることや、頭にくる事を書いてますが、自分の中でポジティブに思えた事もなるべく書き留めようと思ってました。日頃ファニーな?俺ですが、全然ファニーじゃなくて、、むしろ怒りの塊みたいになっちゃってる時とかあります。
多分、みんなと会えたりして近況を報告したり、例えばライブ見に行って、同じライブを見た感想とか言い合ってるような時なんて、ただただ楽しくて。。。でも1人で現実に向き合ってるような時なんて誰だって真剣だし、真剣な分、怒りの気持ちは湧きます。そんな時に誰に言っても自分を下げるだけだし、言う機会がないんだけど、いつかライブで言い切りたいことを考えながら書きました。

ーー亀山の歌詞も一曲ありますが、基本的には野田か亀山が歌詞を書くのでしょうか?メンバーみんなで歌詞の方向性を決めたり歌詞の修正を要求したりなんかはありますか?

(文)基本全部野田に歌詞任せてます。キラーワードを亀山がこれの方が良くね?見たく言う程度。基本的に野田の思いをぶち込んでる感。ドラム個人としては歌詞をほぼ知らないくらいでやってます。歌詞作りは野田に任せてるし、俺個人として文句なし。野田にしか出せない何かがあると思って10年以上やってますので。

(野)歌詞の修正なかったです。
タイトルの修正を求められる時があります。

(亀)唯一私が歌詞を書いたアルバム収録曲「Future is now」はモダン(札幌メロディック番長であるMODERN GOODDAYSの事)とのスプリット再録で約10年も前に作った歌詞。当時RECに追い込まれその場で私が瞬発的に書いた歌詞ですが、時間が経っても心境が全然変わっていなかったです。先が見えず只々どうしたらいいんだよ!と叫んでる曲です。

ーーTHRASH、FASTなバンドではありますが、亀山やシロウはエモの影響も受けてると聞きます。その雑食なところが楽曲にも生かされいます。ジャンル問わず制作期間中によく聞いていたもの、最近のフェイバリットがあれば教えてください。また現行バンドでのお気に入りなどはありますか?

(亀)エモいの好きなのは札幌に住んでいると自然と....笑笑。DFB私的サウンド面の事を言うのは手品の種を明かす事になるので秘密(苦笑)あっでもLA VIDA ES UN MUS,ANTI FADE,NECK CHOP等のバンドを聴いたり、Damaged City Festに出演する現行ハードコアパンクを毎年チェックするのは楽しみの一つです。

(野)制作期間が長かったし、ちょっと前すぎて何聴いてたかあんまり覚えてないです。
でもレコーディングに何かを意識っていうのはしてませんでした。最近はGoolagoonとかSlantとか聴いてます。あとカスタネット前田から教えてもらったEMCをチラッと聴いてます。

(文)秦基博と、アニメ呪術廻戦のOPやってたEVE。製作中も今も聴いてますわ!
バンドとか制作関係なしにカラオケで歌う為にだから制作には無関係だがね!聴き過ぎても聴いてるものに寄り過ぎてしまうのは避けたい派なので。俺個人としては曲作り中は、ほぼ同じようなジャンル聴かないす。

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ーーコロナ禍での制作となった今作ですが、制作で苦労したこと、工夫したこと等は、ありましたか?またプライベートな部分でも構いませんので、コロナ禍で変わったことや感じたことがあれば教えて下さい。

(亀)今までごく自然に札幌のハードコアに触れていた感じだったのですが、ライブを観に行ったり出来なかったので改めて洋邦問わずハードコアの根っこ部分にどんどん進んで古いパンクの音源を聴いたりしてました。

(野)奥さんからの理解を得るのに苦労って言うと大袈裟ですが、1番気をつけました。
小さい子供が家にいて、俺が出かけて好き勝手やることによるリスクが問答無用でいくのでそこら辺は1番気をつけて工夫しました。
コロナ禍で、やっぱり人と会えるとめちゃくちゃパワーもらえるんだなっていうのを痛感しました。SNSとかで誰が何やってるとかはなんとなくわかったりするし、仕事と家の往復だけでもそんなにダメージはなかったんですが、久しぶりに誰かと会えたり、話したりするとなーまらポジティブになれるなって思いました。ライブハウスみたいな不特定多数の人と会えるのって、元々約束してて予定を合わせて会ったりするのとはまた別で、偶然の出会いというか、そこでしか発生しない会話みたいなのが、実は凄いパワーがあるんだなって思いました。もちろんライブやってる人を見たらそこにエネルギーを感じて『俺もやろー』なんて思えるんだけど、それだけじゃなかったなって痛感してます。改めてこれまでの環境や状況に感謝しました。

ーーツアーやライブが難しい状況ですが、先日初めての配信ライブを行いました。行うまでの心境や行ってからの感想などありますか?

(文)むずい!どれだけお客さんがいた環境がやりやすいものだったのか思い知りました。やはりみんなの前で演奏出来ることの楽しさ、やりやすさ、ここまで違うか。って感じました。表情みてライブ出来るありがたみを改めて噛み締めましたわ。

(亀)まだまだコレからでしょ!

(野)レコーディング関連の亀さんの作業と色々な事情が落ち着いたらやろうって話し合ってて、予定を考えてたらライブハウスであるカウンターアクションが閉まるって聞いて。とにかく急いでやりました。だからやるまではカウンターアクション移転するんだーーってそんなに辛くなくて、発表があっても『俺、ライブやれっし』くらいでしたが、いざ終わるとなまら寂しくなりました。その日もなるべく帰らないようにしました。

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ーーこの度、KLUB COUNTER ACTIONがライブハウス営業を辞め、移転を行いました。また全国的にも様々なライブハウスやレコード屋などを始めカルチャーに繋がる場所が苦境に立たされてます。移転の際の心境や現状についての思いを教えてください。

(亀)カウンターアクションの移転を知った時、何をするにも暫く気持ちが揺れていました。配信ライブの収録を終え完全に気持ちが折れてしまった2日後、開店準備中の現カウンターアクションにチョットだけお邪魔しました。KOさんと少しだけお話させていただいた時、沈んでいた気持ちを少しだけ整える事が出来ました。改めて人が未開の地に進む時の力は、何か楽しいし、やはり強いなと感じました。

(文)ショックだが、仕方ない。みんなにも生活あるし、環境に合わせて変化や進化していくことは良いこと。が、もう一度前みたいにマスク外して楽しめる日が来る事を願って今できることをやるだけす。

(野)移転の話を聞いた時、いてもたってもいられないような感覚になりました。新しいお店の話もセットだったので、それはそれで楽しみだなと思いました。まだまだ先が見えない状況が続いてて、このアルバムが出た後は内地のライブもーーって思ってたけど、全然そんな状況じゃなくて。。
自分で出来ることは出来る限りやっていこうと思いますが、何よりそういう人たちにこのアルバムが届けば良いなと、思ってます。

ーー年齢的にも色々な変化が訪れるタイミングでもあり、未来の事など色々と考えることもあるかと思います。今後の活動やバンドとの付き合い方等はどのように考えてますか?また野田と亀山はご家族の了解を得てうまくバンドを続ける秘訣を伝授してください。

(文)私は自由じゃ。やりたかったらやる。やりたくなくなったらやめる。それだけです!が、1人でも観たい、聴きたい、って思ってくれてる人がいるうちは続けてもいいのかな。年齢とか体力と言い訳にはしたくないす。やらぬ後悔よりやる後悔。

(亀)バンドをやってきて今が1番良いタイミングなので瞬間瞬間を見逃さないでね(5年前ぐらいから度々同じ事言ってる)遠い未来の事は考えた事ないです。ご家族の了解話は野田に聞いてください。

(野)年々、フットワークは重くなるかもしれないのですが、その中でもどうやるのかしっかり考えながらやれれば良いなと思ってます。家族の了解を得てうまくやる方法は、俺もよくわかりませんが、毎週金曜はセブンの新しいスイーツを買って帰ります。理解してもらえるようにバンドの流れというかストーリーを恥ずかしがらず、ちゃんと説明して納得を得られるようにしてます。何が正解かわかりませんが、諸先輩方、バンドを続けられる秘訣あればDMくださいー。

ーー最後に今後決まってる活動や皆様に一言あれば!

(文)次も配信になるかな?生きてさえいればまた会えるし、またみんなでマスク外して乾杯して爆笑出来るその日まで。

(亀)2016年よりアルバム制作を進めていたのですが、兎に角考えながら時間を重ねて磨いてきた音像になっております。是非一度聴いてもらいたいです。あと今まで出会った人やコレから出会うアナタとライブハウスで楽しく音楽話がしたいですね。うん、会いたいな。戻ってくるので。爆音鳴らすので。待っててくれたら嬉しい。

(野)最後まで読んでいただいてありがとうございます。並びにインタビューの質問考えてくれたサクマ、ストレートアップの皆様、いつもお世話になってる皆様、ありがとうございます。良いアルバム出来たので聴いてください。よろしくお願いします。

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