連鎖反応。

先日、Yから股関節の特徴的な回し方を教えていただいたことを記事にした。

そして、この股関節回しを次の営業日にお店で練習していたところ、
とある「連鎖反応」が発生した。
何の「連鎖反応」か。
学び(or気づき)の「連鎖反応」である。

「連鎖反応」とは、辞書的には
「ひとつの反応が他の反応を誘起し、さらにそれが次の反応の原因となって、同じ反応が繰り返して進行する現象」(goo辞書より引用https://dictionary.goo.ne.jp/word/連鎖反応/)をいう。
僕のイメージでは、学びについて言えば、ひとつの学びから芋づる式で別の学びがあり、またその学びから別の学びがあるような感じ。学びの無限列車。

今回では、まず前回の稽古で「特徴的な股関節回しの練習方法があること」を得たことがひとつの学び(反応①)である。

この練習方法を自分のお店で練習を他のスタッフを交えて行った。
正解を知っている者はいないので各々考えながら、この練習方法のそもそもの練習意図を考えていく。当然、最初は全然うまく関節を動かせない。

その中で、コツを掴んだ感じがした時に、同時に新たな学びがあった。
「関節を動かす手技のときは無理やり動かすのでなく関節に動いてもらうだけでいい。その動く道を作ってあげることが大事。」(反応②)

言葉だと少し分かりにくいのだが、関節をどうやったら最小限の力で大きく動かせるかを考えた時に出ていたコツである。
どうしても関節を動かそうと思った時に自分で関節を支配しようとする。
そのお客様の関節はこういうふうに動くからこう動かせるはずだ、みたいな感じ。
そうじゃなくて、あくまで関節が動く道だけ作ってあげる。
そうすると勝手に関節は動いてくれる。しかもこちらから変な圧を加えていないので、力みも少なく大きく動く。大事なのは相手の関節の声を聞くことなのだと学んだ。

関節が動いてくれるのを待ってから導いてあげる。
道だけ作ってあげる。
自分で相手の関節を支配しようなんてことは野暮なのかもしれない。
相手の関節を最大限尊重してあげる、相手の関節に合わせてあげる。

さて、今回はすごい。さらに連鎖反応が起こる。
関節の道を作るには感じることも大事だが、その関節を目で観察することが大事。そんな中でとあるスタッフがふざけて、「膝をガン見して膝と一緒に顔も動かそうぜ」と無茶振りしてきた。
膝を見続ける、これ自体は面白半分のおふざけで始まったことだった。
だが、そうすると異常に安定するようになった(笑)。
身体全体を大げさに動かした方が安定しやすい場合があることを学んだ(反応③)。

後付けの理屈だが膝を見続けるには身体全体を動かすしかないので、
結果的に腕だけではなく、身体全体のパワーを効率的に伝えられるようになったのかもしれない。

稽古でもそうだが、ふざけてみたり、突飛な発想から学びがあることが多い。前でいうと「スナイパーストレッチ」。

今回も例にも漏れずそうだった。

さてさて、まだ連鎖反応は止まらない。
今回は股関節を動かす練習だったが、他の関節手技への応用はどうか。
今回のような少し抽象度の高い学びは他の関節手技に具体化して落とし込むことができる。
ただ、まだこの部分は練習、実験ができていない。
次の練習できる時や施術中に意識したい。

忘れてはならないのは、
最初の学び(反応①のこと)の前にも歴史がある。
稽古では考えすぎない方がいいのかもしれないという学びから始まるし、
考えすぎない方がいい、という学び自体も何かの学びから連鎖反応を経て生まれたものかもしれない。
そう考えていくと今の学びは全て、過去の何かの学びに起因するものかもしれない(反応④)。

何かにつまづいた時には新しい知識、学びを求めがちだが、
そういう時こそ過去の学びを深める作業を丁寧に、楽しんで行うことが大事かもしれない。

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