縦断と革命の熱風その4〜ボリビア サンタクルス〜


ボリビアのサンタクルスではプールバーに通い詰めた!
そこでは中国人女性が従業員として仕切っていた。ビリヤードに夢中になったのは高校生以来だ。高校の帰り道にプールバーがあり、友人と通い、500円コインをかけたものだった。その中国人女性従業員とワンコインかけてビリヤードに勤しんだ。彼女は長い黒髪を後ろで束ねて、薄着でランニングにミニスカートっぽいチャイナドレス風のシルクのワンピースという出でたちだった!スリットはやや浅めだった。後ろに束ねた髪が揺れると、初夏の空気に爽やかな風が吹き込むようだった!天井に据え付けられた大きなクラシックの扇風機が送り出す風に吹かれながら、彼女とビリヤードをしながらビールを飲んで時を過ごしていた。ある時、日本人のよれよれのジャケットを来た白髪混じりで口髭を生やした、全共闘世代っぽい出立ちの高齢の男性が話しかけてきた。彼ともビリヤードしながらビールを飲んでは議論するようになった。彼は時々スペイン語を交えながら語った。基本的に彼が弁証法をベースにものごとを捉えていることは、議論しながら分かった。
ある時、彼とその中国人女性と3人でビールを飲んで議論していたのだが、彼が「この女性は特別美しいというわけではないが、魅力的だろう。この女性を日本に送り込めないか」と持ちかけてきた。暫く考え込んで「自分はまだ旅の途中で日本にはまだ帰らないし、ブラジルに戻ってセラード農地開発の反対運動のために働くかもしれないから難しい」と答えた。すると彼は再び「では将来的に何か相談するかもしれないから日本での連絡先を教えてほしい」と持ちかけて来たので、渋々日本の実家の連絡先を教えることにした。この男が何かを利用したり搾取したりすることをもっとも嫌っていることは直感で分かった。また実家の父親は、農家出身で中卒で家を出て、技師として工場で働きながら夜学で高校と大学を卒業した苦労人で、しかもずっと平社員だったので、この男のようなタイプが最も敬愛すべき存在だった。なので実家の連絡先を教えても害は無いだろうとの判断だった。

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