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プライム市場の上場維持基準とは? 4月30日更新情報

こんにちは。2022年4月4日に予定されている東証の市場再編について、IR担当の方々は頭を悩ませていらっしゃることだと思います。

先日の4月30日には、東京証券取引所より、市場再編に関係した文書である「市場区分の見直しに向けた上場制度の整備に伴う有価証券上場規程等の一部改正について(第二次制度改正事項)」が発表されました。

今回の記事では、プライム市場の上場維持基準と流通株式の定義見直しについてまとめたうえで、基準に対する行動意思表示をした企業様を紹介したいと思います。

【前提】プライム市場上場=東証一部上場ではない

まず知っておいていただきたいのは、「東証一部上場」と「プライム市場上場」は同一のグレードではないということです。

確かに、「最もグレードの高い市場」という意味では東証一部とプライム市場は同様です。そう考えてしまうと、スタンダード市場に再編されてしまった場合、格下げに近い印象を受けますよね。

ですが、プライム市場の上場基準は東証一部よりも厳しく設定されます。そのため東証一部上場=プライム市場上場と考えると、東京証券取引所との考えにズレが生じることになってしまいます。

以上、前置きが長くなってしまいましたが、上記を踏まえたうえで以下の記事を読んでいただければ幸いです。

プライム市場の上場維持基準

市場再編という話題の中でも特に注目されている、プライム市場の上場維持基準。

東証一部上場の企業がプライム市場に入れるかどうかが、この基準によって決まります。

4月30日の発表によると、以下の通りです。

流動性

株主数:800人以上(改善期間1年)
流通株式数:20,000単位以上(改善期間1年)
流通株式時価総額:100億円以上(改善期間1年)
売買代金:1日平均売買代金0.2億円以上
(改善期間1年)

コーポレート・ガバナンス

流通株式比率:35%以上(原則、改善期間1年)

財政状態

純資産が正(原則、改善期間1年)

引用元:市場区分の見直しに向けた上場制度の整備に伴う有価証券上場規程等の一部改正について(第二次制度改正事項)


流通株式の定義見直し

流通株式の定義の見直し

・上場株式のうち、「国内の普通銀行、保険会社及び事業法人等」の所有する株式については、上場株式数の10%未満を所有する場合であっても、流通株式から除くこととします。
ただし、直近の大量保有報告書等(※)において保有目的が「純投資」と記載されている株式については、流通株式として取り扱います(5年以内の売買実績が確認できる株主の所有分に限ります。)。
※最近5年間の売買実績及び所有目的を記載した株主作成の書面を含みます。
・役員以外の特別利害関係者の所有する株式についても、流通株式から除くこととします。
現在、上場審査基準においてのみ除いていますが、上場維持基準においても同様の取扱いとします。

引用元:流通株式の定義見直し

株式会社コプロ・ホールディングス様の意思表明

4月30日の発表に対し、株式会社コプロ・ホールディングス様が意思表明を行いました。

プライム市場上場維持基準への適合に向けた意思表明に関するお知らせ

株式会社コプロ・ホールディングス様は、東証一部に上場しているものの、流通株式時価総額において、プライム市場への上場維持基準を満たさない見込みです。

しかし、「上場維持基準の適合に向けた計画書」を提出して経過措置を適用した上で、プライム市場上場維持基準への適合を目指すとの意思表明を行われました。

実際のところ、東証一部上場をしていても、全企業がプライム市場への上場維持基準を満たしているわけではありません。

株式上場の本来のメリットである「資金調達力の上昇」を享受するためにも、投資家へのアピールはしておくと良いでしょう。

まだまだ不透明なことの多い市場再編ですが、情報のアップデートがあり次第、ストックウェザーからも発信を続けていきます。

今後も記事を読んでいただければ幸いです。

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