イエス 23作目のオリジナルアルバム5月発売

というニュースが入って来ました。
約1年半振りという、近年のペースからすれば、とっても短いインターバルでの発表ですね。

これは名ドラマー、故アランホワイトの晩年の不調期のバックアップを7年にもわたって務めて来たジェイシェレンが最近ようやく正式メンバーに昇格となったこともあり、間を置かずに新作を作るような機運が高まっていたこともあるのでしょう。

往年のメンバーはスティーブハウだけとなり、名のあるメンバーもエイジア繋がりのジェフダウンズぐらいになってしまいました。

あとはクリススクワイアと師弟関係のようなビリーシャーウッドに、アンダーソンの雰囲気を再現出来るジョンデヴィソン、それに先述のシャーウッドと長年の盟友でもあるシェレンの5人が現在のイエスです。

引退したビルブラッフォードはともかく、殿堂入りメンバーがジョンアンダーソン、リックウェイクマン、トレヴァーラビン、トニーケイとこれだけ健在なのにも関わらず、殿堂入りメンバーが僅か一人の状態でイエスを名乗ってる現状は、イマイチ納得がいかない部分もありますが、現在のメンバーは全員イエスの音楽が死ぬほど好きで、各殿堂入りメンバーとそれぞれ長い接点を持ちつつメンバーになった人達なので、僕自身もそれぞれ思い入れはあります。

ただデヴィソンのボーカルスタイルだけはイマイチ納得がいきませんが、これもある意味仕方ないんですよね。

やはりジョンアンダーソンというボーカリストは唯一無二の存在でクリアヴォイスにも関わらず、力強さも兼ね備えてて、ライブにおいて声が掠れることひとつなく、完璧なパフォーマンスをいつも聴かせてくれてました。

デヴィソンの前にベノアデヴィッドというボーカリストが一時加入してましたが、彼はツアーで喉を酷使したせいで脱退を余儀なくされたそうです。
スタジオ盤での声は彼の方がアンダーソンに近くて好きだったのですが、ライブではやはり高音域に無理が感じられる場面も多く、やはりアンダーソンの代わりを務めるのは並大抵のことでは無理なんだろうと思います。

デヴィソンのボーカルスタイルは基本高音域はファルセットだと思います。
ファルセットが他の男性に比べると女性が出すファルセットに近く、安定してロングトーンも伸びるので安心して聴けるというのはあります。但し、アンダーソンのボーカルで聴けた高音域ので力強さ、突き抜け感というのがデヴィソンのボーカルからはあまり感じられず、結局そこが一番の不満点なのです。
でもこのボーカルスタイルだからこそ、長期間のツアーにも耐え、安定したパフォーマンスを繰り出せるというのがわかったので痛し痒しなんですよね…

新作、楽しみにしてないわけではないのですが、もうひとつ不安な点があるのです。
それはソングライティング。

ハウは健在ですが、今後はデヴィソンやシャーウッドの作る曲がメインになってくるのだと思います。
その二人の作る曲が…
手堅いと言えば手堅いのですが、デヴィソンは悪評高き「ヘブン&アース」の楽曲で見せたあまりにも牧歌的過ぎてプログレとして聴くにはかなりキツイ楽曲群の印象が強すぎます。
またシャーウッドはこれまた抑揚に乏しく、掴みどころのない楽曲が多すぎます。
クリスとのコンビでは「モアウィリブ」「オープンユアアイズ」といったキャッチーなメロディラインを持った楽曲も残してるのですが、あれは結局クリスの功績なんでしょうかね…

今後のイエスを占う上で重要というか、イエスの別動隊のようなバンドにアークオブライフというのがあります。
これはシャーウッド、デヴィソン、シェレンの現イエス若手組?にハウの影武者ジミーハーンにプラス、キーボードという布陣で結成されたバンドでは、イエスのスタジオ盤リリースの合間を縫ってすでにアルバムを2枚リリースしています。
しかし、これが…
プログレらしい展開はたっぷり出てくるし、一人一人の技量の高さもわかるのですが、いかんせんメロディがちっとも頭に残らない…
全部同じ曲に聞こえる(笑)
それとキーボードの人の名前が覚えられないくらいキーボードも存在感ないし💦

でも、メンツがメンツなんで将来このメンバー構成でイエスを名乗ってる、なんてことも全くあり得ないことでは無い気がするので恐ろしいなぁと思ってます。

イエスの前作「クエスト」にも既に魅力のないメロディラインが結構侵食してて、うーんという感じでした。
ただその分、ハウの弾くギターソロのフレーズやジェフダウンズのキーボードワークに印象的なものが結構あり、退屈さを救っていたので、ギリギリイエスらしさを保ってました。
それに何といってもアランのドラムが聴けるし。僕はアランのドラムだけでご飯何倍でもいけるくらい好きです🎵

シェレンはアランを大変尊敬してるようで確かに往年のアランを思わせる力強いドラムを聴かせてくれます。
ただアランに比べるとフィルのパターンが限られてる気がして物足りない箇所があります。
アランのように曲に合わせてユニークなフィルが出てくるようになると良いのですが…
まぁこれは今後に期待しましょう。

なので、今度の新作、どっちに転ぶのか楽しみでもあり、不安でもあるのです。
既に1曲はYoutubeで聴けるのですが、まだ聴く勇気が持てず、聴いておりません。

どうも聴いた人の感想を読むと悪い予感の方が当たってるようで…
まぁそれならそれでさっさと聴いて諦めの境地に達した方が楽なのかも知れませんが(笑)

とは言え新作出してくれるのは単純な嬉しいですし、秋から冬にかけての時期にまた来日公演あるかもしれないし、多少の不安、不満は抱えつつも、イエスのファンとして楽しが待ってる状況はありがたいと思ってます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?