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『言葉の壁」を乗り越えて

キャリアコンサルタントのきかです。
現在、大学で外国語を教えながら、キャリアコンサルタントとしても活動しています。womanプロティアンメンバーで発行しているウープロwalkerにミスアキコさんからバトンを受け取り、今回が初投稿になります。よろしくお願いします。

 今回のテーマは「言葉の壁」についてお話します。皆さんは、「言葉の壁」という言葉を聞いたことがありますか。ウィキペディアによると、主にコミュニケーションにおける言語的な障壁、すなわち、元々異なる言語を話す人々やグループが経験するコミュニケーションの難しさをさす比喩的な表現と定義されています。要するに、お互いに言葉が通じず、意思疎通ができない状態のことです。皆さん、言葉が通じず、意思疎通ができなかった経験がありますか。ここで、私の経験を基に、外国人の私がどのように「言葉の壁」を乗り越えることができたのかを紹介したいと思います

 私は、留学生として来日してから20年目を迎えます。日本に来た当初は日本語がほとんどできませんでした。今、思うとよく無茶なことができだな~と思います。若い時は、怖いものがなく、根拠のない自信で溢れていました。日本語ができなくても、何とかなるのが人生と思った私は、ワクワクな気持ちで来日しました。しかし、現実は厳しいものでした。最初のエピソードです。

≪バスの中で≫
 日本に来て1週間も経たない頃、バスに乗った時の話です。国によってバスの乗り方が異なります。例えば、中国でバスを乗るときは前のドアから乗り、料金は定額です。後ろのドアは降りる専用ドアです。一方で、日本でバス乗ったことがある人はわかると思いますが、後ろのドアでまず整理券を取り、それから降りる時に整理券と一緒に運賃を払うのが一般的です。20年前ですので、今のような交通カードやアプリが普及してない時代です。日本でバスの乗り方を知るはずもない私は、当然前から乗って、お金を先に入れちゃいました。しかし、不思議なことに、お金を入れると大量の小銭がでてきました。おつりなのかなと思いましたが、料金は日本語学校の先生に聞いて用意した金額を入れたはずなので、金額はぴったりのはずです。そこで、もう一回入れると、また小銭が出てきます。入れるたびに小銭が増えます。どんどんお金が増えてうれしくなりました。実は両替に投入したのです。お金を支払っていたつもりが、そうとは知らず両替を何回も繰り返ししていたのでした。運転手さんは私に何か言っているのですが、何言っているのか理解できません。お互いに理解できないまま数分だった頃、あるお婆ちゃんが、私のところに来てやさしく声をかけてくれました。何を話しているのかは理解できませんが、椅子に座ってとジェスチャーしてくれました。それから、そのお婆ちゃんがバスを降りるまで助けてくれました。私は行きたい場所のメモをそのお婆ちゃんに見せたら、頷いてくれました。親切に初対面のお婆ちゃんが目的地まで連れていってくれました。今も、その日のことは忘れません。
 日本語ができないと、バスも乗れないのかと思うと一気に不安になりました。不安を取り除くため猛勉強しました。しかし、知らない言語を習得するのは想像以上に時間がかかります。私の場合は、毎日数時間学校で先生に日本語を教えてもらいました。勉強する時間が増えれば、日本語を読む力と書く力は増えますが、実際に聞く、話すまで簡単に上手になりません。なぜなら、日本にいるにも関わらず、日本語学校の授業だけでは、関わる日本人の人数や頻度が多くはないからです。学校では日本人先生以外に全員外国人で、授業以外はすべてその国の言葉でしゃべっています。このままでは、永遠に言葉をうまくしゃべれるようにならないと思い、一刻も早く日本人友達を作る必要性がわかりました。いまみたいにネットが普及していない時代ですので、気軽に出会える場所がありませんでした。それで、安心できる市役所の国際交流センターの方に日本人を紹介してほしいとお願いしました。私の願いを聞いていただいて、外国人に日本語を教えてくれる中高年ボランティアの方や、大学生も紹介してもらいました。
 毎週のように、いろんな方に会って日本語や日本の文化を教えてもらいました。実際に教室で習う内容と、日常の中で学ぶ内容は違うところが多かったです。最初は言葉が通じないため、ジェスチャーのほうが多かったのですが、少しずつ私の日本語も上達してきました。そのまま、日本で大学に通うようになってからは、日本人の学生の仲間やアルバイト先の店長などにたくさん教えてもらいました。今、振り返ってみると、多くの日本人の方が助けてくれたおかげで今の私がいると思います。感謝しかないです。

 これから、日本に来る外国人の方が増えると思います。旅行はもちろん、日本で生活したいと思う人も増えると思います。そうすると「言葉の壁」のために、うまく意思疎通ができない場合も多くなると思います。でも、助ける気持ちは通じますし、その気持ちがあれば、時間はかかっても「言葉の壁」は乗り越えることができます。私は、キャリアコンサルタントとして日本で生活している外国人のために「キャリアの壁」も乗り越えられるように支援ができればと思います。

次回のウープロwallkerの担当はSaoriさんです。お楽しみに💛

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